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(No31) 仏像鑑賞のご案内その31 地蔵菩薩   

 望月信成・佐和隆研・梅原猛共著の『仏像 心とかたち』(NHKブックス)では、古来日本人が仏像を鑑賞するにあたっては、いわば仏像を対象に自らの抒情詩を語る方法と、専ら様式に拘泥する二つの方法があったとしている。
 私が目指すのは、後者、すなわち様式論に限定するものである。





(1)  地蔵菩薩の意味

 サンスクリット語で「クシティ・ガルバ」。「アーカーシャ」は「大地」、「ガルバ」は「母胎」という意味で、これを漢訳して「蔵」という。

 地獄に堕ちて閻魔大王の裁きを受けるときに助けてくれるという俗信を生んだ。


(2) 地蔵菩薩のすがた

名称 顔・手足・印相 持物・装飾品 台座・姿勢 その他
一般的な形 普通の僧侶のかたち。我々と同じ娑婆世界にいることを示す。 右手に錫杖。
左手に桃の実のような宝珠を持つ。
蓮華座に立つ。坐像は少ない。  
曼荼羅における例:胎蔵界 左手は拳を腰に当てる。 上に宝幢のついた蓮華を持つ。 蓮華座に座る。 地蔵院の中央。
曼荼羅における例:金剛界   両手に幢幡(どうばん)を持つ。    
六地蔵 地獄:大定智悲地蔵(だいじょうちひ)=地蔵菩薩 錫杖、宝珠    
餓鬼:大徳清浄地蔵(だいとくしょうじょう)=宝手菩薩(ほうしゅ) 宝珠、与願印  
畜生:大光明地蔵=宝処菩薩 宝珠、如意  
修羅:清浄無垢地蔵=宝印手菩薩 宝珠、梵篋(ぼんきょう)  
人間:大清浄地蔵=持地菩薩 宝珠、施無畏印  
天:大堅固地蔵=堅固意菩薩 宝珠、経巻  
子育て地蔵   子供を抱く。    
勝軍地蔵(しょうぐん)   甲冑を着る。    
裸形地蔵(らぎょう)       鎌倉時代に多い。
奈良伝香寺
白雲     蓮台の下に白雲。 衆生救済に急ぐさまを示す。
被帽地蔵   帽子をかぶる。   中国や朝鮮に多い。

 



 整備中ですが、データベースは下から↓
如来部 菩薩部 明王部 天部 垂迹部


  

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