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青銅器(14)平成16年度美術史ゼミナール「中国の青銅器」第5回その1

1 はじめに

 平成16年度美術史ゼミナール「中国の青銅器」という講座の、備忘録程度の受
講録。で、第5回ゼミの受講録その1。


2 本日のテーマ

 今日のテーマは「鏡について」。

 ゼミ第1回のスケジュールをご覧いただければわかるように、「鏡について」は当初来月(9月)の予定であったが、急遽変更しましたとO先生の弁。

 内容は、
1.部分名称と形体
2.鏡の使用形態
3.戦国時代の鏡
4.漢時代の鏡
5.唐時代の鏡
6.鏡に表れた精神
7.製作技法
8.日本への影響・・・・・の8項目。

 ただし、実際の講義は、このレジュメの順番ではなかった。うち、「7.製作技法」と「8.日本への影響」については、時間の関係もあってほとんど説明はなかった。

 講義の順番にこだわらず、レジュメの順番に再構成しようと思うので、まずは、「1.部分名称と形体」から。


3 講座内容の概要

.部分名称と形体

  O先生からいただいたレジュメには、こうあった。

1.部分名称と形体

円鏡、八花鏡、八陵鏡、方鏡(入隅)、六花鏡、六陵鏡、八角鏡、柄鏡など

 まずは、鏡の形である。
 円鏡は誰しもわかるだろう。月の家円鏡改め橘家圓蔵。「メガネクリンビュー」のCM・・・と言うと年齢がばれてしまう。
 冗談はさておき、円鏡とは、その名のとおり、丸い鏡である。

 それに対し、方鏡とは、方形、つまり四角い鏡。
 八角鏡は、八角形の鏡で、柄鏡は柄の付いた鏡・・・というのはわかりやすい。

 わかりにくいのは、八「花」鏡と、八「稜」鏡。若干の例外もあるのだが、概ね、〜「花」鏡というと、〜枚の花弁のような形の鏡。
 で、〜「稜」鏡というと、同じく鏡の外周部が〜枚の花弁のような形をしているのだが、その花弁の中央部が尖り気味のものをさすようだ。

(参考画像)
青銅双鳳瑞花文八花鏡(唐時代) 

青銅高士弾琴八花鏡(盛唐〜中唐。黒川古文化研究所HP) 

瑞花双鳳八稜鏡(日本 平安時代=12世紀。東京国立博物館。文化遺産オンラインHP)

高士弾琴八稜鏡(村上開明堂HP「中国古鏡展」)
 ただし、これは八「稜」鏡というが、尖っていない。上記HPの特に「唐代」のところには典型的な八「稜」鏡の画像がたくさん挙げられている。


※ 鏡の部分名称 

名称 部位 説明
外区 鏡の外周部分(下図緑色部分) 最外部の外縁のほか、流雲文などが施されることが多い。
内区 鏡の内周部分 外区に対応する部分だから、外区以外の部分といってもよいが、一般に紐(下図黒色部分)及び紐座(下図白色部分)は除く。
 狭義では、その他、銘文帯など(下図黄色部分)や方格(下図青色部分)を除いた下図赤色部分のみを指すこともある。
銘文帯 銘文が記された同心円部分(下図黄色部分) なお、こうした同心円が一重の場合だけでなく、外区の流雲文帯の内側に、鋸歯文帯があり、さらにその内側に列線文帯などがあって二重、三重となっていることが多い。
乳(ニュウ) 突起部分(下図水色部分)  
鈕(チュウ) 鏡中央のつまみ部分(下図黒色部分) 鈕の中央には穴が開いていて、紐などが通せるようになっていることが多い。
鈕座 鈕の台座部分(下図白色部分)  
方格 鈕座の周りの四角い枠(下図青色部分) この方格も二重になっていて、乳や銘文が四角形に並んでいることも多い。

(鏡の部分名称 参考図)

 

鏡部分名称参考図

 



 それでは、皆さんごきげんよう♪ 


 

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