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(No52) 特選!ワッハ上方大演芸まつり 鑑賞記 その3  

 平成19年8月26日(日)、ワッハ上方5階ワッハホールで午後6時より開催・・・・・・の完結編。

 



(6) 桂都丸
   ここでいったん照明が暗くなり、スポットライトが当たったところに司会のアナウンサーが出てきた。
 何か、と思ったが、漫才にはさまれての落語なので、高座をセッティングしてるのであった。

 落語というのはイマジネーションの世界でございますので、硬く聞いていただくと困るのでございます。
「裏の空き地に囲いができたってねえ」「へい」「・・・・・・・・・・それから?」なんて言われると、もう帰らんとしゃあ
(仕方)なくなるわけでして。

 酒というのは百薬の長と申しますが、ほんまに身体に薬になる量ゆうたら、ちょこに2杯くらいやそうですな。そんなんやったら、飲まん方がましですが。
 しかし、量を過ごしますと「命を削るカンナ」なんて申しまして、酔うてわけのわからんことゆうてる人は多ございます。
 ここで、以前の「親子酒」でもあった、「あら、親子でんねん」と「近所のもんやないので」の二つの小話がはさまれる。

 まあ、酔っ払いに何をゆうても無駄でございます。「上燗屋 へいへいへいと逆らわず」なんて川柳もございまして。

「一杯なんぼや?」
「へい、10銭でおます」
「ところで、この『上燗屋』ゆうのは、どうゆうこっちゃ?」
「へえ。熱
(あつ)なし、冷(つめとぉ)なし、ころ加減で、上燗屋っちゅうことで」
「そうか。やっぱ、酒てなもんは、上燗で呑みたいもんやな。どれどれ。・・・・・・・・・どこが、上燗や。こんなもん、ぬる燗やないかい。つ、つ、つ〜っと何ぼでもスルスルのどを通るがな。もうちょっと熱して。
・・・・・・・・・・・・ん?でけた?・・・・・・・熱っ。・・・・・・・・熱っ。・・・・・・ふ〜、ふ〜・・・・・・。わい、甘酒呑んでんのとちゃうで。何ぼなんでも、こら熱すぎるがな。冷めるの待ってられへん。冷や
(酒)入れて、うめて」
「そんなことしたら、勘定がややこしなる」
「そんなもん、なんぼ呑んだかて、10銭しか払うかい。・・・・・・冗談やがな。

 おい、上燗屋。ここに豆、こぼれたぁるけど、これ何ぼや?」
「あっ、すんまへん。すぐ片付けて、新しい豆、よそいますので」
「いや、わいは、このこぼれたぁる豆は何ぼや?って聞いてんねん」
「そら、そんなこぼれた豆にお勘定は・・・いただきにくい」
「お勘定はいただきにくい・・・・・とは・・・・どぉゆうこと?」
「つまり・・・・・・ただでございます」
「ただぁ?・・・・ただなら食てみたろ。・・・・・おお、うまい。うまい。やめられんね。・・・・・・・・もっと、こぼしたろ。・・・・って冗談やがな。

 おい、上燗屋。こら、何や」
「そら、いわしのからまぶしでございます」
「何や、下に黄色いもんが敷いたあるねえ」
「へえ、おからを酢ぅで味付けしたもんでして、これでいわしをまぶしてございます」
「このおからはなんぼや?」
「いえ。こら、いわしをおからでまぶして召し上がっていただくもんでっさかい、おからだけでは、勘定が・・・・・いただきにくうございます」
「つまり・・・・・どぉゆうこと?」
「・・・・・・・ただでございます」
「そうかぁ。ただなら食てみたろ。・・・う〜ん、うまい。・・・・ううん。さっぱりしてうまいな。こら、いける・・・・」
「あの、もし、もしぃ。そない、おからばっか食べられては、いわしが裸になってしまいます」

「このいわしの上に乗ってる赤いもんは何や?」
「そら紅しょうがでございます」
「なんぼや?」
「・・・・なんぼや、言われましても、そら、いわしの付きもんでっさかい、それだけに値段は・・・・・つけにくい」
「値段がつけにくい・・・・・ゆうのは、どぉゆうこと?」
「ただでございます!」
「お前とこタダのもんばっかりやなぁ。それで商売やっていけんのんかあ?

 これは何や?」
「これはニシンのつけ焼きでございます」
「こら、何の付きもんや?」
「それはそれだけで売ってまんねん!」
「必死になるなぁ!『それは、それだけで売ってまんねん!』って、目ぇ向いて。何ぼや?」
「5銭でおます」
「ふ〜ん、5銭か。もらうわ。5寸はあるなあ。1寸1円か。・・・・・うう、ん、んぐぐ・・・・。かったぁ〜。こら堅いなあ。こら、わいの歯ぁに合わん。返すわ。2寸ほどしか食ぅてへんから2円でええな」

 この後、鷹の爪(唐辛子)を止められたのに食べ、「こない辛いと、おから食わな、しゃあない」と再度ぱくぱく。
 勘定を聞き、「せやから勘定がややこしなるゆうてん」と上燗屋がぼやきながら「ほんなら25銭だけ、もろときまひょかな」
「安い!こんな安い店、他にないな。・・・・・・・何ぼか、まからんか(まけてくれないか)?」
「何でんねん、安心させといて」
「冗談や。わい、この近所に住んでんねん。これから毎晩寄るよって、よぉ顔覚えといて。覚えたか?ほな、貸しといて」というのがオチ。

 まあ、軽めの高座でした。




(7) 海原はるか・かなた

 向かって左がかなた。右がはるか。
 はるかの1:9分けの髪を、かなたが吹いて、飛ばし、はるかが頭を回して巧みに戻すというギャグでブレークした。

 正直言うと、あと2組は趣味に合わないのでパスしようかな、とも思ったのだが、タダで見せてもらってるのに、それも失礼か、と思い、席に残った。

「日本全国、いろんな所へ行きました」
「北は舞鶴、南は和歌山」
「狭いな」
「いや、北は北海道」
「南は青森」てなとこは定番。

「馬主になりたいけど、ディープインパクトみたいにええ名前つけるのが難しい」
「君にぴったりのがあるで。毛根ナイト。あと、ハゲウララ」も、定番。

 漫才途中で、かなたが「ほな、君と僕のどっちが賢そうにみえるか、お客さんに拍手してもろて、はっきり白黒つけてもええんやで」と言い出す。

 いつも感じるのだが、かなたは目つきが悪く、はっきり言って悪人面である。
 はるかが、例えば「♪ しぃらぁか〜ばぁ〜あおぉ〜ぞぉ〜ら ♪」といい気分で歌ってると、それにかぶせるように自分も歌い、拍手をさらう、という定番ギャグがあるのだが、「クサイ」歌い方で、別にかなたの方がうまいとも思えない。で、ただ客席の拍手をさらうだけなら、まだ良かったのだが、今日は「ほれ、見てみぃ。僕の方がうまい」とおっかぶせたので、実にイヤミな感じ。
 また、「ほな、ゆうといたげますわ。この辺は、あんたらの住んでるとことちごうて、食べるもんでも、飲むもんでも値ぇが高い」とか、どうも言い方が偉そうで、いちいちかんに障(さわ)る。

 で、かなたが「では、まず、僕の方が賢そうや思う人は、拍手お願いします!」と言ったが、しなかった。どうも、ほかのお客さんも私と同じように、かなたには好印象を抱いていなかったらしく、拍手はパラパラ。

 しかし、どうやら客席の年齢層が高いので元気がないと誤解したらしく、かなたは「これほど力のない拍手も初めてや。大丈夫でっかぁ?」と呆れ顔。
 しかし、続くはるかには万雷の拍手。すると、怒って興奮したかなたは上着を脱ぐ。「今、こいつに拍手した人ねぇ。はっきりゆうといたげますわ。今すぐ帰れ!」と悪態をつく。
 はるかが「や〜い。嫌われも〜ん」とからかうと、手に持った上着で、はるかを叩いた。その後、ハンカチで額の汗を拭き、そのハンカチをびゅっ!とふるってはるかを叩く場面もあったのだが、私は手ではなくモノで叩くのは嫌いなんで、ますますいやな感じ。

「こいつの嫁さん、種子いいまんねん」
「可愛い名前やないか」
「こいつ本名は近藤いいまんねん。下から読んでみい!”こねたうどんこ”やないか」も定番やね。

  



(8) 横山ホットブラザーズ

 
(左写真で左から長男、次男、三男)

 ノコギリ音楽(ノコギリを叩いて「お前は〜アホか」と聞こえるってのが定番)で有名。

 今日はお釜やフライパンで歌舞伎の鳴り物を表現したり、ノコギリ音楽でお客のリクエストに合わせて即興で演奏したり、なかなか凝っていた。

 長男のセリフがどうもモゴモゴして聞き取りにくい。ああ、入れ歯の調子が悪いんだろうなと思っていたら、後で自分でも「歯ぁが危ないねん」と言っていた。




 

 どうも、お退屈さまでした。いつものことですが、録音とかしてませんので、聞き違い、記憶違いはご容赦ください。

  
 



 

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