移動メニューにジャンプ
(No196) ヴィアーレ寄席 鑑賞記 その2
平成22年9月26日(日)、ヴィアーレ大阪で開催された落語会の鑑賞メモの続き(完結)。
桂 米左 「天王寺詣り」
仲入り後は米左。
楽しい楽しい仲入り休憩が終わりました。
ただ、私をクリアせんことにはお目当ての雀々君の噺は聴けません。
どうぞトイレがまだや、ゆう人は私の高座の間に行ってください。お後準備出来しだい交代いたしますので、どうぞ体力を温存しておいてくださいますように。
|
何かここまで後輩にへりくだると、(もちろんシャレなのは分かっているが)ちょっとイヤミな感じがする。 |
|
しかし、こん中でここでしゃべる資格あんのん私だけでっせ。
というのは、私だけが大阪市に住んでる。まだ、大阪府に住んでたらましやけど、最初の二人なんて京都でっさかいな。
そこ行くと私は大阪市北区長柄東○丁目×番12−308号・・・・・。
小拍子てなもんを使います。どこで使うか、ゆうとあそこで寝てるな思うと・・・ バン!!(と、小拍子を叩きつけて大きな音を出す)
ですから、こんな音がしたら、どっかで誰か寝てんねんなぁと思てください。
|
|
本編の内容については、前に雀三郎で詳しくメモしたので繰り返さない。
印象としては「上下」(かみしも。左右を向いて人物を描き分けること)がはっきりしないなぁというとこぐらい。淡々と進んでいく。
前回聴き間違いか?と思った「もさいき」という言葉が今回も出ていた。
「亀山のちょんべはん」と言いながら立てた小拍子をひっくり返し、「伝承芸能ですから」と言う。何か、びょん!とはね返る竹細工のおもちゃのことらしい。
続いて虎の下着とか蛇とか牛男、牛女などの単語の入った口上を述べたてる。
蛇娘とかその手の見世物小屋の呼び込みの口上らしい。
「花見時の(京都の)円山公園で覚えましてん。これ言いたさに、この噺したようなもん。目的達したから、後はもうええんですわ。もうラストスパートに入ります」とのこと。
オチも当然前に聴いた「むげっしょうには、どつけんもんでんなぁ」なのだが、意味がすっきり分からないのも以前のまま。 |
桂 雀々 「代書」
トリが雀々。
「けい じゃんじゃんと呼んでください」というつかみはいつものとおり。
|
もうすぐ皆さんも解放されますので。要点だけかいつまんで申しあげます。
笑おうという気持ちが大事でございます。皆さんの拍手が私どもにとってはエールになる訳でございまして、両者が合体していい作品ができる訳でございます。
いわば共存共栄でございます。わはははは、うぇ〜〜っと笑っていただくだけでよろしいので、他は何も要らない訳でして。
しかし、大阪のおばちゃんとゆうのは個性豊かですな。十人十色と申しますが、それが原色で。
こないだ地下鉄四つ橋線に乗ってまして、大国町の駅に着いた時、エコバッグ持ったおばちゃんが乗ってきまして。
ほかの席が空いてるのに、わざわざ混んでる間に割り込んで座ってですなぁ、腕にべたべたメンソレータムを塗り始めたんです。
|
車内中、メンタムの匂いが充満しまして。メンタムおばさん。紫色の服、着てました。
梅田のね、阪神百貨店とこにマクドあるでしょ?地下鉄の梅田駅んとこ。あこに白髪で割ぽう着、着たおばあさんがおるんですけどね。
そのおばあさんが、誰かが地下鉄の切符を買おうと自販機にお金入れたら、どっからともなく現われて「取消」のボタン押すんです。「取消」ババア。
阪神(百貨店)と阪急の間の歩道橋のとこでね。よぉイラン人がパチモン(怪しい品物)売ってるとこ。
ハンチング帽でトレーナー着たおっちゃんが、「どこ行くん?」てゆうんです。どこ行っても恥ずかしくないくらい胡散臭い。タージンより胡散臭い。
うっかり「何?」て訊いたら「ナゾナゾしよ!」
ええ餌食になってもたんです。
「第1問!!ある駐車場で、9番のとこだけ車が停まってませんでした。何ででしょうか?」
「ええ?・・・・・・・・わからへん」
「答え!車は9に停まれない」
うっかり「なるほど」てゆうてもたんです。そしたら、
「第2問!!清少納言は何をしてから寝るでしょう?」
「えっ?・・・・・・・・・・・・・・・わからんわ」
「答え!枕の掃除」
また、うかっと「はは。おもしろいね」てゆうてもたから、
「第3問!!”おやつ”は3じ。では、”ばんごはん”は何じ?」
「ええ?そんなん決まってへんやろ?まあ、7時くらいかな?」
「答え!ば・ん・ご・は・んで5字!」
「・・・・・・なるほど。はははは」
「笑(わろ)てくれたから、はい!」ゆうてティッシュペーパーくれた。
|
おもろいな、と思ったとこを列挙する。
・ 「でぇーしょやはん」
・ 「ガレキショたらゴレキショたらゆうもん」
・ 「うちの町内、アホばっかり」
・ (若い頃の写真)バ(ア)サンが惚れたのも無理はない。青春じゃあ〜!!
・ (墨をすりながら)「事情は、ほぼ・・・・・・・分かりました」
・ 「就職されるんですな。おめでとうございます」
「・・・・就職?そら違うなぁ。ちょっと夜勤の仕事につくだけ」
・ 「本籍は?」
「(口だけで声を出さず)ほんせき?・・・・・・・多分、なかったんです」
「・・・・いや、ああたが生まれたとこ」
「ああ、生まれたとこ?あります」
「・・・・・そら、あるやろけど。どこでんねん?」
「日本橋とちゃうかな?」
「ちゃうかな、てそんなん知りまへんがな。ええっと、大阪市浪速区日本橋・・・っと。何丁目?」
(間髪入れず)「3丁目!」
「早いな。何番地?」
(これも間髪入れず)「26番地!」
・ 「姓名は?」
「・・・・・ああ、多分これがなかったんですわ」
「いやいやいや。姓名がないてなことは・・・・。お名前は?」
「名前?誰の?徳さんの?」
「徳さんはどうでもよろしぃ。ああたの」
「私なれば、とめっちゅちゅうんです!とめっちゅ!」
「と、とめっちゅ??とめっちゅって何ですのん?」
「いや、私、とめっちゅうんです」
「・・・・・・いや、”とめ”だけちゅうのはおかしいでしょう?」
(気色ばんで)「”留”ゆう名前はおかしいんでっか?」
・ 「そうそう!松本ですぅ!」
「ホンマでっかぁ?たまたまはまりましたん?」
・ 「生年月日をゆうてくらはい」
「(自分を指差して)ゆうんすかぁ?うまく言えるかなぁ?・・・・・・・せ・い・ね・ん・がっぴ!」
・ 「”せいねんがっぴ”て、ゆうてくれゆうてんのとちゃいます。ああたの生まれた日ぃ?」
「1月の1日と・・・・ちゃうかな?」
・ 「ああ、あれ太鼓みたいやから、太鼓に描かれてる”巴”模様で巴焼きってゆいまんのん?・・・・・・・・・・・初めて勉強になりました」
・ 「ござそうろう」
・ 「よぉ徳さん、おったこっちゃ」
|
おもろいのがこんだけあったら立派なもんなんだろう。
少なくとも私は世間の評判ほど雀々を認めてないけど。
どうも、お退屈さまでした。いつものことですが録音はしてません。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。
|