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(No152) 日本の話芸 TV鑑賞記 その3       

 9月15日(火)に放映された「日本の話芸」の鑑賞メモ。



桂三枝  「赤とんぼ」

 同級生が呑んでいる席で「河村君も、おいでぇやぁ!」と呼ばれたが、女性の同級生は「河の流れのように」を朗々と歌い上げるのに比べ、男は「元気はないし、歯ぁもない」というのがマクラ。

 ある会社の大阪支社での話。
「童謡ゆうのは、危険なんやで」
「と言うと?」

「意識してないのに、つい出てしもたりするんや。
 こないだも、エレベーターん中に、ちょっと頭の・・・・な?枝雀さんみたいな感じの人がいてたんや。
 全然意識してへんのに、つい無意識で♪出た 出た 月がぁ〜〜♪ってな。

 エレベータ中で、くすくす笑われるし、その人には、えらい恨まれてな」
「なるほど。

 そう言えば、僕もこないだ、何の気なしに♪かあさん お肩を叩きましょ〜♪って歌ってしもたんですが、近くにリストラの噂が出てる人がおって」

 
 「特に気をつけなあかんのは部長や。あの人に見込まれると童謡酒場に連れて行かれる」と注意されたそばから、呼び出しが。

 トイレの個室から童謡が聞こえたので、誰が歌っているのか陰から見て、目をつけていたらしい。

「いやぁ、童謡好きな人が来てくれて嬉しいよ」
「い、いえ。私はどちらかと言うと童謡は苦手で」

「そうかぁ?

 君、『桃太郎』ゆう童謡知ってるやろ?」
「いえ、知らないです」
「そうか?
♪も〜もたろ さん ももたろさん♪やで?」
「全然、分からないです」

「♪お腰につけた きび団子ぉ〜 ひっとつぅ〜 私に下さいな〜♪

 はい!(と、手を差し出す)
(嬉しそうに)♪あ〜げましょう あげましょう♪」

「・・・・・・よぉ知っとるやないか。でもな、君。間違えてるで」
「え?」
「『あげましょう』やのうて『やりましょう』。

 今は童謡を歌わんから言葉が乱れてるねん。
 犬、猿、雉。こうした畜生には、『やる』や。

 うちのOLなんか、こないだ『早く帰って、わんちゃんにえさをあげないと。そうそう、主人にも夕食を作ってやらないとね』なんてゆうとった」


 同じように、最初は「知らない」と抵抗するが、途中で「はい!」と振られ「たきび」を歌ってしまい、「北風ぴゅうぴゅう」ではなく「ぴーぷー」だと注意される。

 結局、「今晩つき合え」と童謡酒場へ。

 部長は、「どんぐり ころころ」は、「どんぐりこ」ではなく、「どんぶりこ」だ、とか、2番の「泣いては 泥鰌を困らせた」では納まりがわるいので、後に、山へ連れて帰る3番が作られたといったウンチクを披露する。

 

「そこで、僕は4番を作ったんや」
「え?そんなん勝手に作ってええんですか?」

「♪どんぐり ころころ 帰ったが やっぱり泥鰌に会いたくて ころころお池に 転がった♪(←注 ちょっと記憶がいい加減です)

 これで、『どんぐりころころ』は、エンドレスにつながったんや」
「・・・・・・・・・・・・・」

「一番の泥鰌の『こんにちは』が、五番では『久しぶり』に変わる。

 で、次には『また来たか』で、『一緒に遊びましょ』は『勝手に遊んどき』になるんや。

 さて、そろそろ一曲歌おかな」

「えっ!部長、歌いはるんですか?
 焼酎もらいます。
(グラスに氷を入れ、ボトルからなみなみと注ぐ)
「君、それロックやで。ちょっと濃すぎるんちゃうか」

「ええんです。はよ脳をマヒさせたい」

「そんな失礼な。

 日本が世界に誇る童謡の最高傑作が『赤とんぼ』や。

♪夕ぅ焼ぁけ 小焼けぇの 赤とんぼぉ〜
負われぇ〜て ♪」
「借金取りに追われたんでっか?」

「違うわ。
♪十五で姉
(ねぇ)やぁ〜は 嫁に行ぃき〜〜♪

 この名曲が、昭和23年に教科書から外された。法律に触れるゆうてな。

 それと、童謡ゆうのは、四季おりおり、素晴らしい歌があるんやで。

♪春は 名ぁのみぃ〜のぉ〜 風の寒さ よぉ〜♪
♪夏が 来ぅれば 思い出す〜♪
♪静ぃ〜ずかぁなぁ 静かな 里の秋ぃ〜♪
♪雪ぃや こんこん あられや こんこ♪

♪春の 小川は さらさら 行くよ〜 ♪
♪卯の花の 匂う 垣根にぃ〜 ♪
♪秋の 夕ぅ日ぃに〜 ♪
♪木枯らし 途絶えぇ〜てぇ〜♪

♪春よ 来い ♪
♪海は広いな 大ぉきいなぁ〜♪
♪あれ 松虫が〜♪
♪もういくつ寝ぇるとぉ〜♪

♪春の うららの〜♪」

「どこまでやるんですか!」


 続いて、部長は、最初、日本では良い唱歌がなかったので外国の曲に日本語の歌詞をつけたが、これがまた素晴らしい。

 「庭の千草」とか、「埴生の宿」とか・・・と例を挙げたところ、昔「ビルマの竪琴」という映画を観たことがある社員は、酔いがまわってきたことも手伝い、部長に、私が「はい!」と言ったら「水島ぁ〜!日本に帰ろう!」と言えと命令する。

 何度も何度も「水島ぁ〜!日本に帰ろう!!」と絶叫させられた部長、とうとう
「・・・・・・ええから、もう家に帰ろう」というのがオチ。

 



  どうも、お退屈さまでした。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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