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(No278) 京都・らくご博物館【秋】〜紅葉寄席〜 鑑賞記その1  
          

 平成23年10月28日(金)、ハイアットリージェンシー京都で開催された。



桂 優々 「子ほめ」

 鳴り物で、誰がやってるのか分からないが、太鼓が下手だなぁと思った。

 優々は、顔に迫力がある。

 
 一番手で出てくる若手らしく、マクラもなしに本編に。

 まずまず無難にこなしていた。

 

 これは優々に言っても仕方ないことなのだが、サゲは、
「生まれたて?・・・とは、お若こぉ見える」
「何ぃ?生まれたてで若けりゃ、いつ生まれたゆうねん?」
「どう見ても、まだ生まれてないみたいや」

 年寄りには、若く見えると誉める。

 子どもには、見た目よりしっかりしてる、年が上に見えると誉める・・・・・と前段でいやほど仕込んでいる。

 それなのに、なぜ、赤ん坊に対し「若く見える」と言うのか?

 Google で「子ほめ サゲ」というトピックがあるくらいで「子ほめ」のサゲには異論が多い。しかし、そのトピを読むと、江戸落語で多いサゲは「この子はいくつ?」「いくつも何も、今朝生まれたばかりだから一つだ」「一つとはお若く見える」「一つで若けりゃ、いくつと言うんだ」「どう見てもタダだ」

 上方落語で多いサゲは、「今朝生まれたとこやがな」「・・・とはお若こぉ見える」「今朝で若けりゃ、いつ生まれたゆうねん」「どう見てもあさってや」

 
という、比較論程度。要は、昔は数え歳なんで、生まれたら一歳。それより若い年齢はない(当時は「0歳」という概念がない)ので、「タダ」と言ったんです・・・・という解説にとどまる。

 私のような疑問を抱く人間はいないのだろうか?

 

 

 


桂 わかば 「いらち俥」

 ただいま拍手いただいた方に限り・・・という、桂宗助がよく使うギャグを言った。私は好きでないが。
 おすまし顔で、おすまし声でしゃべる。最初は、違和感があった。

 ざこばの弟子はよくマクラで言うが、弟子の名前を列挙する。死んだ喜丸のことを忘れないように、という思いがあるのだろうか?

 4番目の弟子で、中間管理職の立場にございます。
 普通、内弟子修行は2年か3年なんですが、私は特別優秀やったんで・・・・5年やりました。

 よぉ怒られましたなぁ。特に車の運転で。忘れもせんのが、師匠がシーマを買われたその日に廃車にしてしまいまして

 北新地に行きましてね。師匠からは「当てんといてくれよ」と言われてまして。
 家まで20mくらいのとこまで無事に帰ってきたんです。
 角っこの沢田さんのとこに工事用のバンが駐まってましてね。これくらい行ける!思たんですが、バンパーがめりめりめり・・・。
 師匠、こんな車、乗れるかぁ!ゆうて廃車にしはりました。

 2年前に結婚いたしましてね。嫁はんはバツ1で。10何年からの付き合いでして。
 一つ上なんです。結婚する時、一つだけ嫁はんと約束したことがございまして。
 と言うのは、私、お酒が好きでして。それもはしご酒。
 嫁はんが言うには、2時や3時に帰ってきて、何か食べるとか、風呂やとか言われたら、私も仕事あんのに、やってられへん。
 せやから、お酒で遅くなったらインターネット喫茶でもサウナでも何でもええから泊まってきてくれ、と。

 1月19日に大先輩の仕事で打ち上げがありましてね。
 最初は、まあ遠慮してたんですが、そのうち、一升瓶の酒を水のように呑んでた・・・・・・そうです。
 で、後輩と、義弟のバーに行って、ハイボールとか呑んで。
 その後輩ゆうのが日本橋のアパートに住んでましてね。

 このままやったら、泊まりに来られる、思たんでしょうなぁ。
 ぐぐぐっと、1時半頃に、バーのマスターと後輩に、タクシーの中に無理やり押し込められまして。

 気ぃついたら、園田の駅とこにほうり出されてました。
 私、曲独楽もやってるんで、ワンセット、大きなかばんに入れてます。
 それ持って歩いたら、かばんが重いさかい、こけてしもて。
 完全に頭が車道に出てるんです。
 このままやったら危ない思て、パトカーに来てもらいました。

 「ただですか?」て訊いたら、「ただや」言わはるから乗せてもろたんですが、はっと気がつくと、午前2時をまわってる。
 「マンションの前でおろしてください」ゆうたんですが、
 「こうやって保護させてもろた以上、身元引受人に引き渡して、受け取りのサインをもらわなあかん」て。
 佐川急便やないっちゅうねん。

 しゃあないから、507号室の前、行ってチャイムを鳴らしました。
 なかなか出てこうへんけど、出てきた嫁はんの顔見て、警官が3歩、後ずさりしました。
 事情説明して、嫁はん、サインして投げつけるように警官に渡しよった。警察官は受け取るが早いか、逃げてもうた。

 私と嫁はんの二人きりです。
 私、気ぃついたら曲独楽のかばんが無いから、
「あれ?わしの荷物、荷物は?」ゆうたら、嫁はんが鬼のような顔で、
お前が荷物じゃ!」

 ちょっと危なかっしい感じもした「いらち俥」だった。

 独特の雰囲気をもってる噺家さんだな、と思った。



 


 

 どうも、お退屈さまでした。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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