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(No227) 新春蔵出し!丸ごと立川談志 TV鑑賞記 その3  
          

 一昨年、2009年の正月にやってた番組だが、長いこと観てなかった。

 



立川 談志 「芝浜」


 2006年12月のもの。これも編集されていて、本編からいきなり入る。前に書いたMDの「芝浜」は、カセットテープに録音していたものなんで、多分20年か30年くらい前のもの。

「文句はそのくらいでいいの?いつ商いに行くの?」
「そうゆう入り方してきたの?」
(場内から笑い)

「暮らしもあるからねぇ。

 そんなにお酒呑む人じゃなかったから。楽しそうに見えないの。何かあったの?

 うるさかったら、ごめんよ。勘弁してもらぉ。月ぃまたいじゃったよ。
 釜の蓋が開かないよ」
「・・・・釜の蓋が開かないとは、これいかに?」
「何?」
「鍋の蓋でも開けとけよ」
「鍋の蓋も開かないよ」
「じゃ、水瓶の蓋でも・・・」

「ふざけんのはやめとくれよ。
 生意気な言い方、ごめんよ。これだけ聞かせて。いつになったら行くの?」
「うるせえな!」
「だから謝ってるじゃないか」
「明日から行くよ」
「ごめんね。あ、そう。分かった。そんなこと言ってくれると思ってなかったから。

 すみません」
「明日から行くんだから、今日は思い切り呑ませないとだめだぞ」
「・・・・・そんなこったと思ったよ」
「そんなこったなぁ、どうゆうことだ!」
「明日からとか、明後日からとか、そんなことばっかりじゃないか。
 その手は食わないよ」
「何ぃ?持ってこいよ!持ってきてから何か言えよ。一人めえの顔しやがって。
 できねえんだろ!ざまあ見やがれ」
「え?持ってきたらいいの?はい!分かった!」

 どこでどう算段したのか、言っただけのものを揃えてね。亭主は太平楽並べて寝ちまった。

「ちょっと、ちょっと!お前さん。起きとくれ」
「ん?んん?
(片目が開かない)
「起き上がっとくれよ」
「何で?」
「商いに行っとくれよ。約束したじゃないか」
「ええ?そんな約束したか?証人いんのか?」
「夫婦で約束・・・」
「飯台はタガぁはじけて・・・」
「ちゃんと水張ってるよ。昨日や今日、魚屋の女房になったんじゃないよ」
「包丁は?」
「磨いといた」
「銭は?」
「何とかした。タバコも入ってるよ」
「行き届いてやがるや。包丁は?あ、磨いてるか。タバコはこっちだ!」
(亭主は不承不承玄関へ)
「わらじ、新しいから気持ちいいだろ?」
「良かねえよ!わらじが新しくて気持ちいいんなら荒物屋の親父は年中笑ってらぁ。
 気持ちいいってぇのはな、好きなもの五つ、六つ並べてな。きゅ〜っと呑むのが気持ちいいんでございますよぉ!」
「しっかりやっとくれ」
「やらねぇよ!」
「頼むよぉ〜!」
「頼まれないよぉ〜〜!!」

 

「おお、さべぇ〜。寝てて一番気持ちいい時分だぜ。起きてみるとしみじみ分かるな。

 まあ、嫌いでなった魚屋じゃなかりけりだけどよぉ。

 着いたよ。・・・・・・・・問屋、開いてねぇじゃねぇか。
 ん?切り通しの鐘だ。あの鐘ぁ、金が入ってるから音がいいとかゆうが、そんなこたぁねえ。
 
(鐘の数を数え)あっ!かかあの野郎、時を違えて起こしやがった!帰ったら顔がひん曲がるくらい張り倒して、蹴飛ばして・・・。

 口も、にちゃついて。(浜でうがいして、顔を洗う)

 魚はなまぐせえから嫌だなんて言う奴がいるが、まともな魚食ってねえから、んなことを言うんだ。磯くせぇって言うんだよ。

 波だ。大きいのはすげえね。並じゃないね。あら、上ってぇ〜んだな。・・・・・・一人で洒落言ったって面白くねえな」

 
 かなり長く煙管でタバコを吸う所作が入る。波間に何か浮かんでるものを見つけ、雁首で引っ掛けて引き上げる。

「財布が上がって参りました。

 革のせぇふに50両ってな。(浪曲調で)砂に入りぃし〜〜」
 ちらっと財布の中身を見て驚き、周りを見回し、ふところに入れ、慌てて天秤棒をかつぎ、走り出す。

(どん!どん!どん!)「おっかあ!開けろ!おっかあ!」
「開いてるよ。開いてる。
(叩き続けるので、開けて)どうしたの?」
「おい!しん張り棒かけろ!だ、誰か追っかけてきてねえか?」
「何?誰と喧嘩したの?」
「おめえ、時を違えて起こしたろ!」
「すみません。ごめんよ。久しぶりだったから。わざとじゃないんだ。追っかけてもしょうがないから、帰ってきたら謝ろうと思って」
 「気持ち悪いし、怖いよ。触っていいのかい」と嫌がるかみさんに勘定をさせる。

「いくらだ」「分かんないよぉ。勘定してるだけだから」というのは定番。

「はははは、どうでぇ」とやたら笑ったり、「七転び八起き・・・・・青山あり」とつぶやいたり、「隠せ!」と命じて「もうちょいと見ようかなぁ」と未練を見せたり、高笑いしては、しっ!と声をひそめるよう命じたり、口に指を当てたり、指を二本立て、次に五本立ててみたり、いろんな演出。




 どうも、お退屈さまでした。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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