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(No132) 米朝一門会 鑑賞記その1       

   平成21年3月29日(日)にヴィアーレ大阪で開催された落語会のメモ。



 

(1) 桂そうば 「手水回し」


 暖かい拍手をありがとうございます。携帯電話、私に限って・・・・という人に限って鳴ったりしますので、電源を切るかマナーモードでお願いします。

 私、桂ざこばの7番弟子で桂そうばと申します。
 私、そうばを知ってるという方、すいませんが拍手をお願いします。(大きな拍手)
 ほんまですかぁ?そない知られてない思うんですが。
 でも、それはお客さんには何も問題はないんです。すべて売れてない私に問題がある。

 私、こないだ生まれ故郷の福岡市で落語会やらせてもらいました。同じように訊いたら会場中がシーン・・・となりまして。

 よぉ見たら一番前におかんが座ってました。親子の縁、切ったろか思いました。

 私、19歳で初めて関西に来まして。関西弁てアクセントが違います。

 関西弁で凄いなぁ思たんが「目ばちこ」。目にばちこ〜ん!て出来物ができるから目ばちこってゆうんでしょうか。凄いですよねぇ。

 あと、鳥肌のことを「寒(さぶ)いぼ」。女性もゆうでしょ?「あっ、さぶいぼ立ったわ」とか。私、あれ聞いたらちょっと興ざめするんですが。

 九州弁で「席取ってますか?」、「取ってますよ」とゆうのをどうゆうかと言いますと「とっとっと?」、「とっとっとぉ」。「と」だけで会話が成立する。

 
 「洗面道具を用意してもらう」ことを「手水(ちょうず)を回す」と言ったが、田舎では通じなかったという導入から「手水回し」に入っていく。

 今回のそうばの演出の特徴としては、
(1) 「手水」のことを「ちょうずぅ」というちょっと変わったアクセントで女中も板場の喜助も旦さんも、「長頭」の市兵衛も繰り返す。非常に「雀々」的な匂いを感じた。
 会場の笑いもよく取っていたが、雀々嫌いの私としてはどうも気に入らない。

(2) 頭を回すところで軽めの「ビュ〜ン ビュ〜ン」という擬音を用いる。

(3) 市兵衛が客に「ここで?今すぐ?」と聞いた後、頭を回す時に、♪頭を回すぅ〜 長い頭は 長頭(ちょうず)だよぉ〜♪とゆう歌を歌いながら回す。

(4) 頭を2回ほど回した後、「こんなもんでどうですぅ?」と客に問いかけ、客は「変な人、入ってきたよぉ」と驚く点など。

 (1)でも言ったが、全体によく笑いを取っていたが、雀々的演出が感じられた。真似してるのか、稽古をつけてもらってるのか。その辺はどうなんだろう?

 


(2) 桂紅雀 「家ほめ」

 こないだ北海道は札幌での仕事がございまして。北は北海道から南はナンバまで。

 ちょっと前に、国勢調査がございました。私も国民の一人に勘定してもらってるようで。

 項目を順番に読んでいきまして、裏面の1問目を読んでびっくりしました。「この1週間の就労の日数を書け」。私ら若手は、そない仕事があるもんやないんです。
 でも正直に書かなあかん思て、スケジュール帳見て、その週は1回しか仕事がなかったんで「1日」と書きました。

 それで次の質問を読んで、またのけぞりました。「その1週間の就労時間を書け」。ありとあらゆる角度から攻めてくるんですな。

 私ら、今日の落語会でも持ち時間は15分です。堺から1時間かけてここへ来て、15分落語やって、また1時間かけて堺へ帰るんです。


 しゃあないから、「15分」て書こう思たら、注意書きにこう書いてありました。「30分未満は切り捨て」

 まさか切り捨てられるとは思わなんだ。ありとあらゆる恥辱に耐えながら生きております。

 
 ごくオーソドックスな「家ほめ」であった。

 演出として気付いたことを何点か書いておく。
(1) 以前に家をほめて怒られたというのが「大工四人がかりで三月かかったゆうて、燃えたら一晩でっせ」と言っただけという演出が多いと思うが、今回は「それだけでは割と穏やかな顔してたんやけど、大黒柱で木の鼻出してたんで、困った時に首吊るのにちょうどええゆうたら、怒って追いかけられた」という演出だった。

(2) 誉め言葉を覚えきれないので書きとめようとするのだが、アホが自分でスラスラと筆記してゆく。後の粗忽ぶりとアンバランスさを感じた。

(3) 書きとめたものを懐に入れていたため、墨がかすれ、読みとりにくくなっていた。蜀山人の歌の最後で「〜見たく・・・・・・・ば・・・かな?」「目の検査みたいやな?」というギャグ。

(4) オチは「よぉ頭に入れてきたな」と感心する叔父さんに対して「頭には入れてまへん。腹に入れてきましてん」というもの。

 

 

 


  どうも、お退屈さまでした。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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