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京劇の世界(17)上海京劇院大阪公演「楊門女将」鑑賞記 その2

1 場面解説

 「楊門女将」鑑賞記の2回目・・・・・。

Aプログラム
楊門女将 女将集結編

(1) 寿堂驚変(じゅどうきょうへん) 

 開封の天波府(てんぱふ)。楊家の屋敷である。
 辺境の守備に赴任している当主・楊宗保50歳の誕生日の祝宴準備に忙しい。

 そこへ、宗保腹心の孟懐源(もうかいげん)と焦廷貴(しょうていき)両将軍が現われ、宗保が西夏の伏兵の矢によって命を落としたことを告げる。

 穆桂英と柴郡主は高齢の余太君に心労をかけないよう、胸に秘めたまま祝宴に列席したが、ただならぬ雰囲気に不審を感じた余太君は、廷貴を責めたて、真実が明かされる。

 宴席は一気に凍りついた・・・・・。 

(2) 金闕聞警(きんけつぶんけい)

 楊宗保の殉国が伝えられ、動揺する仁宗。
 宰相寇準は主戦派。兵部尚書(軍政大臣)王輝は和睦を主張する。宗保に代わって辺境に出征しようとする人材も現われず、仁宗の心は和睦に傾く。
 寇準はひとまず尽忠の楊宗保の弔問を提案する。

(3) 霊堂請纓(れいどうせいえい)

 天波府を訪れた仁宗、寇準、王輝。
 元帥の成り手がないので仁宗が和睦に傾いていると知った余太君は激昂して、自ら志願する。
 「元帥はいても先行将軍は?」という王輝の挑発には穆桂英が志願するが、王輝は「牡丹も枯れ木では役に立たぬ」、「古い暦は使えない」と馬鹿にする。そこへ現われる楊門女将の面々。しかし、王輝はなお、「女ばかりでは西夏に侮られる」と反論。

 「楊家に男子なしとは言わせん!」と楊文広が飛び出したが、「仇討ちは小事。朝廷の安否は大事」と、楊家は私怨を晴らすために無謀な闘いを挑み国家の危機を招こうとしていると決め付ける。

 楊家はこれまで国のために命を捧げ続けてきた。今さら楊家の仇などきりがない、国や民のためでない戦いがあっただろうかと獅子吼する余太君の気迫に押され、仁宗は元帥に任命する。 

(4) 深宮論策(しんきゅうろんさく)

 一時の勢いで主戦に傾いたが、冷静になると不安に思う仁宗の心の迷いをついて、王輝は、出征を命じたことを知る者は少なく、撤回しても間に合いますと唆す。
 すっかりその気になった仁宗だが、そこへやって来たのが寇準。陛下の果敢な決断に民は感激し、次々に出兵を志願していると告げる。

 再び迷った仁宗は、王輝に、戦場に同道し、少しでも形勢不利なら和睦をまとめよと密命を下す。

(5) 比武出征(ひぶしゅっせい) 

 出征の準備に忙しい天波府。穆桂英は、今や楊家唯一の男子となった息子楊文広は家に置こうと考えていたが、文広は出征を志願する。
 元帥は、穆桂英と手合わせし、勝てたら従軍を許すと裁定する。

 息子の気持ちを嬉しく感じた穆桂英は、腕前を確かめたうえで、勝ちを譲った。
 かくして楊家を挙げて、西夏向けて出陣することとなった。  


 途中15分の休憩をはさんで、トータルでちょうど2時間。本格的な戦闘はBプログラムとなるが、Aプロのみの鑑賞の方も当然多いので、最後「西夏をみごと破った」という全体のしめの解説の字幕が出て終わった。


 Aプロの場面解説だけでそこそこ長くなってしまったので、Bプロ場面解説などは次回に。



 いい席をあててくださった楽戯舎さん、本当にありがとうございました。   

 

 

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