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京劇の世界(18)上海京劇院大阪公演「楊門女将」鑑賞記 その3

1 場面解説

 「楊門女将」鑑賞記の3回目・・・・・。

Bプログラム
楊門女将 女将集結編

(1) 敵焔囂張(てきえんきょうちょう) 

 西夏の陣営は楊宗保を討ち果たして意気軒昂。演習にも余念がない。

 そこへ斥候から、宋の援軍が楊門女将たちであるとの報告を受ける。
 将軍王翔は、女ばかりと侮るが軍師魏古は、油断できぬとたしなめる。西夏の王である王文は、楊家軍の出征の疲れをついて短期決戦を決意する。 

(2) 両軍対塁(りょうぐんたいるい)

 西夏軍と楊家軍が対峙する。

 両軍の緒戦は楊家軍の大勝。軍師の魏古は、遠征している楊家軍は兵糧調達の道がないので、このまま守りに徹して籠城作戦をとろうと進言する。

(3) 祭夫夢会(さいふむかい)

 召使の楊洪が、孟懐源焦廷貴両将軍を訪ね、若奥様(穆桂英)のため楊元帥の墓への道案内を乞う。

 墓の前でうたた寝した穆桂英。幻想的な霧の中、楊宗保が現われる。二人は再会を喜び、手を取り合うが、そこへ西夏軍が現われ、ふと気がつくと、穆桂英は一人で墓の前にいた。


(4) 巡営籌計(じゅんえいちゅうけい)

 余太君は険しい山々に囲まれた砦に籠もる西夏軍を攻めあぐね、策戦に頭を悩ませる。

 余太君と穆桂英は、楊宗保は険しい葫蘆谷に桟道を探っていたに違いないという見解で一致する。穆桂英は兵士を連れ桟道を見つけて奇襲する作戦に出る。
 余太君は、楊文広に父楊宗保の愛馬白龍馬を与え、送り出す。

 そこへ、兵糧を届けに来た寇準王輝が到着。



(5) 探谷遇助(たんこくぐうじょ) 

 穆桂英、楊文広、楊七娘、馬丁の張彪らが葫蘆谷に着く。兵士らが必死で桟道を探すが見つからない。

 と、そこに通りかかった老人。最初は口がきけないふりを装っていたが、穆桂英が楊宗保の妻と知り、桟道へ案内する。

(6) 決戦奏凱(けっせんそうがい)

 穆桂英軍は、老人に案内された桟道から西夏軍の砦を奇襲。
 余太君元帥率いる本軍との挟み撃ちで、激闘の末、西夏軍を撃退する。

 戦勝の喜びに凱歌をあげる楊門女将たち。


 


2 感想あれこれ

 ストーリーを追うだけではなんなので(←何なんだ)、感想を少しだけ。

 余太君役の胡璇王小磚、どちらも声に張りがあり、リズミカルで唱が素晴らしかった。

 楊門女将の面々が軍装で舞台に勢揃いした時には、思わず会場から静かなる歓声が湧いた。

 立ち回りについては、失礼な言い方だが、少々物足りないところもあった。
 剣や槍を交し合うスピードがゆっくり目。あえて抑え気味にしているのか。
 立ち回りで体を回転させるところも、硬靠(インカオ。護背旗=フーベイチー又は靠旗=カオチーと呼ばれる三角の旗を4本立てている軍装)のせいか、それほどのスピードはない。
 同じ硬靠でももっと速く回転し、衣装の上着の裾などが真横にまで開きプロペラのように廻るのを観たことがあるが、今回はどなたもせいぜい斜め下45度という感じだった。
 まあ体のひねりの有無とかも関係するだろうし、速ければいいものではないということは承知しているのだが。

 それと、やはり立ち回りはタイミングが大事なんだなと痛感した。楊文広と敵兵士2、3人とからむシーンで、最初でちょっと何蕾氏の打ちかかるタイミングがずれたのだが、結局それが一連の動作全体に響き、今にも体がぼかん!とぶつかりそうで観ていてハラハラした。 


 いい席をあててくださった楽戯舎さん、本当にありがとうございました。   

 

 

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