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(No182) 大阪市立美術館 没後150年歌川国芳展 鑑賞記 その6
第8章 戯画 溢れるウィットとユーモア
353 「おぼろ月猫の盛」 画像は、国芳HPの上部の作品紹介で。
356 「朝比奈小人嶋遊」 チラシ、切符などに多く使われている作品。画像はチラシや日曜美術館HPで。 「日曜美術館」でも、図録解説でも背景が紹介されていた。弘化4年(1847)、浅草に朝比奈(歌舞伎に出てくる人気者)の巨大な籠細工(要はハリボテの人形か?)の見世物があったそうだ。しかし、その小屋のために通路を変更しなければならなくなった武士のクレームによって撤去されてしまった。 そこで、国芳は、巨大な朝比奈が矮小な大名行列の前に寝そべって、どかせることができるならやってみろとばかり、不敵に見下ろす絵で、皮肉ったとのことである。
360 「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」 この作品が、国芳の諸作品の中でも一番有名なのではないか。私でも知っていた。 図録にも書いてあったが、私も以前に鑑賞したアルチンボルト(画像はたとえばここで)と関係があるのかな?と感じた。
361 「其まゝ地口猫飼好五十三疋」 「五十三疋」は「五十三次」なんだが、「猫飼好」が「東海道」なのか。ボケるなぁ。 「日本橋」が鰹節2本で「二本だし」。蛸を引きずり「重いぞ」(大磯)。魚に夢中で「府中」。ぶち猫が寄って「よったぶち」(四日市)。こたつ(草津)、ぶちが鯖をくわえて「ぶちさば」(藤沢)。なまづ(鯰。沼津)。ネズミを取るのがヘタなぶち猫は「ぶちへた」(藤枝)、上手な猫は「じゃうず」(大津)。最後は、ネズミの叫びで「ぎゃう」(京) 画像は国芳HPの上部の作品紹介やチラシで。ごゆっくりお探しください。
「影絵遊び」というのは江戸時代後期に大流行したらしい。 ある絵が、シルエットとなると全く別のものになるところがミソ。 363 「其面影程能写絵 おかづり/ゑびにあかがひ」 365 「其面影程能写絵 弁けい/たいこもち」 画像は、国芳HPの下部の作品紹介で。 363は獲る釣り師が獲られる側の海の幸に、365は豪傑の弁慶が軟弱な幇間に変わるところが面白い。
364 「其面影程能写絵 猟人にたぬき/金魚にひごいッ子」 ちょっと顔が細いので狸より狐に見えるのだが、その立派な八畳敷きはまぎれもないタヌキだろう。敵である猟師を八畳敷で押しつぶす、凄い攻撃。 国芳は、どうも八畳敷が大好きみたい。 318 「狸ト狐の遊」 333 「狸の川がり・狸の夕立」 334 「さむがり狸・初午のたぬき」 では、こたつ布団や掛け布団、カイマキ(外套のようにかぶる)など。八畳敷、大活躍。
第9章 風俗・娯楽・情報
404 「破家利口振分双六」 下写真は一部。右側がバカ代表。左側は利口。 赤四角の「遊びに行って先に帰る人」は利口。そうだよなぁ。それがグズグズ最後までいちゃうんだよなぁ・・・・と反省してしまう。 黄色丸は「熱いお湯をこらえる人」。江戸っ子は、熱い湯が好きで、銭湯で勝手にうめる(水を足す)と怒るそうだが、まあ、どっちかと言うと(と言うか、ずばり)バカのグループだよなぁ。 右上の緑四角内の病弱な感じの人は「釣りを見ている人」で、もちろんバカ。 ・・・・という小噺もある。 で、釣り好きな人、つまり自分でする人もやはりバカに分類されている。・・・・・・・・・・悔しいが納得。
406 歌川芳富画 国芳死絵
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