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アジア映画れびゅう(26)「少林寺2」
(ご注意)かなりネタばれです。まだ観てなくてストーリーを知りたくない人は、お気をつけください。
また、記憶違いなども多いでしょうが、ご容赦ください。
「少林寺2」
(ストーリー)
ドラゴン家は、三龍(李連杰)を頭に男ばかりの兄弟。父親天龍(于海)と、その弟、つまり子どもたちにとっては叔父にあたる二龍(胡堅強)と暮らす男所帯。
父と叔父は、子どもたちに少林拳を教えている。
一方、おおとり家(映画の字幕ではひらがなであった。ドラゴンが龍、おおとりは鳳であろう。以下、そう表記する)は、武当拳の頭領である鮑笙鳳(于承恵)と、その妻。
鮑笙鳳は、秘伝を継承する後継ぎの男の子を切望していたが、子どもたちは女の子ばかりであった。
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両家は、細い橋をはさんで、川の両岸にそれぞれ暮らしていた。鳳家は裕福だが、龍家は貧乏暮らし。
鮑笙鳳は、少林派の龍家が武当派の秘伝を盗むのではないかと、龍家の子供たちと遊ぶことを禁じていたが、子ども同士はからかい合い、けんかしながらもお互いに興味津々であった。
また、天龍は鳳家の長女、二龍は次女を嫁に欲しいと考えており、彼女たちも憎からず思っていたが、鮑笙鳳が要求する持参金の牛10頭が工面できずにいた。
一方、鳳家の財産を狙う山賊団は、参謀を道士に化けさせて、鳳家に近づく。 |
言葉巧みに鮑笙鳳の信用を得た参謀は、襲撃の際、龍家に邪魔されては、と考え、鮑笙鳳をそそのかして、龍家を追い出すことに成功。
ついに、鳳家を山賊団が襲撃した・・・・・
(あれこれ)
前作「少林寺」で李連杰のお師匠さん(師父)だった于海が、本作では「お父さん」になっている。
もっとも実父ではない。ある村を山賊団が襲い、三龍(李連杰)の親たちは殺されてしまった。たまたま、そこに巡り合わせた天龍、二龍の兄弟が、幼児8人を抱えて命からがら逃げ出し、それ以来親代わりとして育てているのだ。
だいたい、「少林寺2」とあるが別に少林寺の僧侶も、修行シーンも出てこない。ただ、キャストはお馴染みさんばかり。顔が「般若」っぽい胡堅強もそうだし、彼と駆け落ちする二鳳(丁嵐)は、前作では李連杰の恋人役(結ばれないけど)だった。
丁嵐は、いかにも古風なでお上品な感じの美人だが、三龍とカップルになる三鳳(黄秋燕)は、きりっとした顔立ちの活発な女性。映画の中でも「男なんていなくても、武当拳は私が継ぐわ」と言い切っているが、実際に武道の腕も立つそうだ。
黄秋燕は、後に李連杰と結婚する。現在は別れているが、子どもは彼女が育てているそうだ。最強夫婦の間に生まれた子どもだから、やはり中国武術や映画の道に進むのだろうか。
レスラー佐々木健介と北斗晶の間の子どもの将来にも今後注目していきたい。(←いかへん、いかへん)
鮑笙鳳を演じる于承恵は、前作ではラスボスの王将軍を演じていた。私が、どうも腰高で足取りも何か頼りなくて強そうに見えないと悪口を言っていた人。
本作でも、流派の秘伝を守ろうと疑心暗鬼だし、欲も深いし、「もう、この年でこれ以上子どもは産めませんよ」という奥さんに「男の子が欲しいんだ。もう一人だけ頼むよ」と「でへへ」顔で迫るし(また、奥さんが「満更でもない」って顔をするのがたまらん)、困ったおやじだ。
困ったおやじ、といえば山賊の参謀を演じる孫権魁は、とにかく「目」が個性的。
ついに生まれた鮑笙鳳の跡取息子を誘拐する時は、変なインド人ヘビ使いみたいな格好に変装し、「それやったら、よけい目立つや〜ん!」と突っ込みたくなるし、そのインド人でも例の「目」(ぎくっ!とすると、左右の黒目の高さが違っちゃう)をするもんだから、「それやったら、どんな変装したって、同一人物ってバレバレや〜ん!!」
前作では、「♪ショーリーン ショーリーン♪」という古風で涼やかなコーラスが全体イメージを象徴していると書いたが、本作では、冒頭に流れる、いかにも中国風なアニメが象徴的だといえるだろうか。
桂林の自然、山や河が美しい。
血腥(なまぐさ)いシーンは少なくて、子どもどうしの無邪気な触れ合いが中心。
李連杰も、がき大将のお兄ちゃんって感じで、常にいたずらっぽい目をくりくりっと輝かせている。
二龍叔父さんのために、女装して鳳家の下女として潜り込み、二鳳に駆け落ちをすすめるシーンもある。
なかなか牧歌的で、のんびりと眺める分にはよろしいかと存じます。
(資料)
1983年(1984?)香港・中国作品
監督:チャン・シン・イェン(張鑫炎)
出演 |
三龍:リー・リンチェイ(李連杰)、
天龍:ユエ・ハイ(于海)、二龍:フー・チェンチャン(胡堅強)
鮑笙鳳:ユエ・チェンウェイ(于承恵)、
二鳳:ティン・ナン(丁嵐)、三鳳:ホァン・チューイェン(黄秋燕)、
禿鷹(山賊):計春華、山賊の参謀:孫権魁 |
原題:KIDS SHAOLIN (SHAOLIN TEMPLE 2) (少林少子) ★★☆
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