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アジア映画れびゅう(27)「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝 アイアンモンキー・グレート」 
 

(ご注意)かなりネタばれです。まだ観てなくてストーリーを知りたくない人は、お気をつけください。
 
また、記憶違いなども多いでしょうが、ご容赦ください。


「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝 アイアンモンキー・グレート」

(ストーリー)
 時は民国初期、街の顔役タイガーは、日本軍やロシア大使など外国資本と結託し、悪逆の限りを尽くしていた。
 
アイアン・モンキー・グレート  タイガーが経営するクラブの新装開店記念パーティーの余興での京劇。「十八羅漢孫悟空」を演じるのは実は義賊アイアンモンキーこと鐵馬騮の一味であった。
 隙を見つけてタイガーに襲いかかったが、ロシア人の用心棒に鉄砲を撃ちまくられ、仲間はことごとく射殺された。兄貴分のジンも失明し、鐵馬騮はその場から立ち去るのがやっとだった。

 タイガーを父の仇として復讐を誓う令嬢シェンミンが、殺し屋を公募する。
 街のチンピラ、シャオチュンは、父を探して街にやってきたジンという若い男に近づき、彼をアイアンモンキーだと言って売り込む。
 タイガーに武器を売り込もうとした売人の車を襲撃するシャオチュンとジン。しかし、売人は既にアイアンモンキーに倒された後であった。
 アイアンモンキーを売人と誤解し、ジンは戦いを挑む。 

 お互い一歩も譲らぬ好勝負で、二人は互いをライバルとして認め合った。
 一方、戦いのさなか、シャオチュンは、売人の武器を失敬して行方をくらましてしまう。
 そして、その武器をタイガーに譲る引き換えにクラブの支配人の座を得た。
 しかし、支配人とは名ばかりで、タイガーの古参の部下からは相変わらず三下扱い。クラブ歌手として働いていた、シャオチュンの幼馴染のチャンに日本軍のお偉いさんが良からぬ振る舞いに及んだ時も救い出せずにいた。失望したチャンはクラブを去り、ジンがタイガーの武器を奪おうと潜入した時に手引きをする。しかし、タイガーの部下に見つかり、チェンは命を落としてしまう。

 アイアンモンキーからは、故郷に帰れと諭されたジンとシャオチュンであったが、父の仇、恋人の仇を討つため、二人はタイガーのクラブに、工事人夫に変装して乗り込んだ・・・・

(あれこれ)
  冒頭の、クラブの新装パーティー会場で「よくも俺をだまして財産を奪ったな」とタイガーに詰め寄ろうとしてあえなく取り押さえられる紳士がいる。(多分、その後殺されているだろうから、)彼が、後で出てくる、タイガーを父の仇として復讐しようとする令嬢シェンミンの父ワンチェンなのだろう。顔はカビラ・ジェイ(川平滋英)に似ている。

 タイガー暗殺に失敗して逃げる時、ジンは顔を炎で焼かれ失明してしまう。
 ロシア人用心棒の撃つ拳銃がすごい。マシンガンではない、ただのオートマチックタイプの拳銃なのだが、マガジン(弾倉)を取り替える訳でもないのに、弾が無尽蔵に出るのである。そして、アイアンモンキーの仲間にはビシビシ当たるが、不思議とアイアンモンキーの身体は避けて飛ぶ。

 次のシーン、どこかの川を船で遡る一家。川岸を二人の人夫が引き綱を引いて前にのめりこむような格好で必死に遡上させているのだ。
 『花の慶次』 (原哲夫)という漫画に鬼こと岩兵衛という大男が出てくる。彼は「七霧(なぎり)の里」出身で、山から切り出した木を川下まで運んだ船を、綱をつけて岸を歩いて川上まで運び上げるのを生業(なりわい)としている。それで左肩の筋肉が異常に盛り上がっているのだが、つい、そんなことを連想した。

 で、突然引き綱が切れ、船は急流を流される。親父は川ん中に落ちるし、揺り籠に赤ん坊はいるし、で大パニック。と、そこに通りかかった一人の若い男。目をむいた阿部寛のようでもあり、ラ王のCMでジェット湯切りしてる寺島進のようでもあり、若い頃の柴俊夫のようでもある。(←結局、どんな顔やねん)
 彼が棒高跳びの要領で船に飛び乗り、急流に竿さして船を止めようとするが、勢いに堪えきれず竿は砕け散る。それでは、と縄を岸辺の木に引っ掛け、積み荷の樽を川の中に蹴り落し、奥さんたちをそこにつかまらせる。
 ところが、木も根元から抜けてしまいそうだ。船の中にはまだ赤ん坊が。そして、木がごそっと抜けた、その刹那、彼は赤ん坊を抱え、川面に浮いた樽の上を、八艘跳びよろしく、岸まで駆け抜けた・・・。で、この赤ん坊とかが今後のストーリーに何かからんでくるのか、というと全然そんなことはない。

 令嬢シェンミンの執事ゾンが、街の情報屋ジンに依頼し、「お嬢さん、安心してください。これで街中に知れ渡ります」と報告する。
 で、盲目のジン(冒頭で目を焼かれた、アイアンモンキーの仲間)が何をするか、というと、金属バットの両端に革をはったような、細長い鼓(つづみ)を横抱えにして、ぽおん、ぽおんと弾(はじ)く。そして、でかい木製の「毛抜き」というか、道端のごみを拾う時につかう「はさみ」みたいなものでかちっ!かちっ!と拍子を取りながら、「♪みんな、よく聞け〜 タイガーを狙う殺し屋を募集している〜♪ 腕に自信があって、金の欲しい奴は、茶館に行け〜♪」なんて歌を歌うのだ。すごいね、どうも。

 生き別れの父を探して街にやってきた若者ジン。あっ、さっき、川で人助けした青年だ。
 シャオチュンと、彼の孤児仲間のチャンがジンに近づく。チャンは、後でクラブ歌手として歌う時のドレス姿もいいが、この辺の、帽子を後ろ前にかぶり、オーバーオールをはいたボーイッシュな姿が実にかわいい。何という名前の女優さんなのだろうか?

 シャオチュンを演じる劉畊宏は、知る人ぞ知る世界(←どんな世界や?)では「杉浦学長」という名で知られるアイドル的存在。最近は『畊宏的健身書』なんてエクソサイズ書を発行したりして、割れた腹筋を売り物にしているそうだが、本作では脱ぎません。
 いい加減な性格のチンピラ詐欺師だったが、チャンを殺され、目が真剣になる。
 青年ジンが探している父ジン・ダー・フォンというのが、アイアンモンキーの仲間で、街の情報屋のジン。そのジン(父)は、闘っていたアイアンモンキーとジン(息子)を、駆けつけたタイガーたちの手から救うため捕まった。そして、救出に来たアイアンモンキーを逃がす(←アイアンモンキーって、案外使えないやつかも・・・)ため、蜂の巣になってしまう。

 タイガー(峰竜太とか勝野洋を甘くしたような顔)は、恋人の、そして父の仇だ。クラブに乗り込むシャオチュンとジン。アイアンモンキーも助っ人に来た。
 立ちふさがるのは凄腕の用心棒(周比利)。短髪で、財津一郎張本勲かって感じ。(もっと若いですが)
 蹴りが当たると、欄干がぶっ飛ぶ。壁は穴空くし、階段は崩れ落ちるし、いわゆるドリフバトル(舞台のセットを壊しまくるドリフターズのコントのような戦闘シーン)?
 ポスターではでかく出ている周比利だが、最後になってちょこっと出てくるだけ。で、けっこうあっけなく、アイアンモンキーのトラースキック(横蹴り)でやられる。

 冒頭で、孫悟空&羅漢軍団に襲われても一歩も引けをとらなかったタイガーだが、やっぱ強い。剣を手にして、ジンは斬りまくられ半死半生。
 局面を打開したのは、意外にもシャオチュン。天井にあった網(空中ブランコの安全ネットみたいなやつ。でも、何でそんなもんがあるのやろ?)をタイガーの上に切り落とし、身動きできなくしたところに火をかける。燃え上がるタイガー・・・・ってとこで画像が乱れ、しばらくするとサッカーコンフェデレーションカップのフランス対コロンビアの試合が流れ始めた。頭の中は「?」マークだらけ。
 TVの深夜放送をタイマー録画していたのだが、少し時間がずれていたようだ。ということで、最後のシーンや、エンドロール(配役表)などは見られず仕舞となったのでした。もともと、実にまとまりのない映画だが、よけい訳がわからんようになってしまった。
  

(資料)
1996年 香港作品
監督:趙鷺江
出演 アイアンモンキー(鐵馬騮):ドニーイェン(甄子丹)、
ジン(父):ウー・マ(午馬)、ジン(息子):何洲蓉、
シャオチュン:ウィール・リュウ(劉畊宏)、用心棒:ビリー・チョウ(周比利)

  
原題:Iron Monkey 2 (鐵馬騮2 街頭殺手) 

★★



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