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アジア映画れびゅう(14) 「LIES/嘘」 
 

(ご注意)かなりネタばれです。まだ観てなくてストーリーを知りたくない人は、お気をつけください。
 
また、記憶違いなども多いでしょうが、ご容赦ください。


「LIES/嘘」

(ストーリー)

 とにかく、している。最初からしている。真ん中でもしている。最後までしている。結局ずっとしている。

(あれこれ)

 さて困った。
 ビデオのパッケージに宣伝文句の一環としてローマ教皇の「これは、よろしくない映画」というコメントが載せられていたが、まあ、それも無理はないであろう。(私としては、この映画を教皇が最後まで見たのかどうか知りたいな、とは思うが)

 ツタヤで借りて夜中に観たのだが、おいおい、こんなんアリなん?と思った。
 よく、おいなりさんが見えてますけど、いいんでせうか、と。

 これ、もちろん映画館で上映してたんだよねえ。大画面で映ってる様を考えると、どうにも居たたまれない感じが。

 で、思い起こしたのは四半世紀近く前の昔、私が初めて女の子と映画を観に行くことになった時のこと。
 私は中学生の頃から一人で(高校の頃は、時には、映画好きの親友Sと二人のことも)ばんばん映画を観てたので、けっこう小難しい映画や、ちょいエロい映画(「わらの犬」とか、「小さな悪の華」とか、ベタですが「エマニュエル夫人」、手塚アニメの「哀しみのベラドンナ」とか)も観てました。

 しかし、女の子と観る、それだけで「純情」な私は、何を観るか迷ってしまった。ベッドシーンなぞ論外だし、キスシーンなんかあると、下心があると誤解されはすまいか。(←そんなこと意識して、気を回すこと自体がおかしいのだが。まあ、何せ「純情」なもので)
 で、私が選んだのが、何と何と「桜」という中国映画。中国残留孤児だの、ちょい文革もからむ実にビンボくさい映画。つまらなかったことだけ覚えていて詳細は忘れたので、さっきパンフレットを引っ張り出してきた。「北京映画学院青年映画製作所作品」だそうだ。
 監督は譫相持韓小磊。主演は程暁英許還山誰も知らねえだろ、こんな映画。パンフのスチール写真見ても、やっぱ、思いっきりビンボくさいぞ。

 パンフの中の評論家の解説でも「〜ともかく若い製作スタッフが、真面目に一生懸命ちからをふりしぼって、作っている気配が感じられて頼もしい〜シナリオの不備がいくつか出てくるが〜よほど大きな誤りでもなければ、特にめくじらを立ててあげつらうことはない」と批評を放棄しちゃってる。
(後に、その子から「何で、こんな映画にしたんやろ?と思った」と言われた。自分自身、何でこんな映画選んだんやろ?と思っていたのだから無理はない)

 ま、私の話はどうでもいいのだが、要は、つきあって間もないカップルが、よく知らずにデートでこの映画を観たら、えらいことになっちゃう、めっちゃ気まずくなるやろなということ。
 この映画の中で、最初YがM、JがSやったんが、入れ替わっちゃう。専門用語でいうところの(←何が「専門」やねん)「どんでん」が起こるのだが、う〜ん、なんだかなあ。どっちゃでもええ感じだなあ。

 おいなりさん全開のJ(映画ん中でも彫刻家だが、実際もそうらしい)も、何か冴えない平田満みたいで、ちっとも感情移入できんしなあ。
 冒頭で、Y役の女の子に、演技じゃない「素」の状態でインタビューするとこなんかも、もろ、なんとかビデオみたいだしなあ。どうだっていいや、こんな映画。

 まあ、アダルトビデオ借りたいけど成人向けコーナー行くのが恥ずかしい人が、一般コーナーで、はんぱなAVよりえぐいのを借りられる。存在意義としては、そんなとこでしょうか。

(資料)
1999年韓国作品
監督:チャン・ソヌ
主演:Y→キム・テヨン、J→イ・サンヒョン、ウリ→チョン・ベシン
    Yの兄→ハン・クァンテク
    
原題:LIES
★☆



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