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(No152) 京都国立博物館 特別展「高僧と袈裟」鑑賞記 その1
京博HPにおける概要説明は、以下のとおり。 日本には、数百年、時には千年以上もの間、大切に守り伝えられてきた衣服があります。それがこの展覧会で取り上げる「袈裟」、つまり仏教の僧侶が着る制服です。
第1章 袈裟のはじまり 律衣と糞掃衣 京博HPにおける第1章の概要説明は、以下のとおり 1 国宝 刺納七条袈裟 湛然料・最澄相伝 中国・唐(8世紀) 滋賀・延暦寺 画像はここやここで。ただし、展示期間の関係で、私は現物を観ていない。
後期であれば兵庫・一乗寺に残る国宝の湛然像や最澄像が展示されたようだが、私が行った時には、 18 重文 恵果像 真言八祖像のうち 鎌倉時代(13世紀) 京都・神護寺 19 重文 空海像 真言八祖像のうち 鎌倉時代(13世紀) 京都・神護寺 が展示されていた。 恵果は、代宗・徳宗・順宗の「三朝の国師」といわれている名僧。なお、18は『神護寺略記』では宅間俊賀筆とされているそうである。
展示会の資料に「袈裟の着方」があった。 これを見ると、袈裟だけでは右肩がむき出しであることが分かる。 で、なぜ右肩がむき出しなのか・・・という点については、悟りを得た釈迦如来は通肩(両肩を覆う)ので、一般の修行者は遠慮して片方の肩しか覆わない。
『律』には、釈迦が連なる水田の風景を見て、これに似せて修行者の衣服を作れと告げたという話が出てくるそうだ。 だから田んぼのように方形の生地を繋ぎ合わせなければいけないのだろう。 下図は、出品目録に記載されていた袈裟の各部の名称である。
私は最初そのことが分からなかった。最初に などが展示され、袈裟のことは、これら『律』で定められ・・・・・などとあるので、律の第七条で定められているのが七条袈裟、同じく九条で・・・・なんて勘違いをしていたのである。 で、後でそのことに気付き、もう一度最初に戻って条の数を数えて「ああ、だから九条袈裟なのか」と納得したのであった。
さらにこの章のタイトルにもなっている「糞掃衣」(ふんぞうえ)という言葉である。 博物館だよりの解説文では、「律において、袈裟に用いる最上の生地として挙げられているのが、人が捨てて顧みない生地を拾い集め、洗い清め縫いつないだ『糞掃』です」とある。 別の資料では、汚物を拭くぐらいしか使い道のないような布・・・という意味もあるようなので、私の思っていたこともあながち間違いではないかも?(←やっぱ違うか)
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