移動メニューにジャンプ


京劇の世界(20) 湖北省京劇院訪日公演「西遊記 〜天蓬元帥猪八戒〜」鑑賞記 その2

 京劇招聘25周年記念、特定非営利活動法人京劇中心 設立記念と銘打たれた公演の鑑賞メモの続き(完結)。

 


 

3 西遊記 〜天蓬元帥猪八戒〜(さいゆうき てんほうげんすいちょはっかい)

 チラシでの紹介文は「西遊記の人気者猪八戒は、もとは天界でもまれな美男の天蓬元帥。
 酒の失敗がもとで天界を追放され、妖怪の姿にされてしまいました。

 下界でも失敗を繰り返す猪八戒に兄貴分の孫悟空が絡んでの大騒動。

 名俳優程和平が天蓬元帥と孫悟空の二役を早変わりで見せます」と。

 

 この写真は公演チラシから。

 以下同じ。

 当日、京劇会場でパンフも購入しましたが、そこの写真はアップしません。

 王母が催した宴会で九歯の馬鍬の技を披露した天蓬元帥。「見事!」と王母に誉められ、酒を勧められる。

 ついつい酒が過ぎて、舞っている嫦娥にちょっかいを出して、王母の怒りをかってしまう。その場面が下の写真。

 右写真の中央で兵士に槍を突きつけられてるのが天蓬元帥。

 その左できれいな布を首にかけて立っているのが月の女神嫦娥(じょうが)。

 元帥と嫦娥の間が王母。

 引っ立てて首を斬れ!と息巻く王母を太白金星が取り成して、下界に追放となる。

 誤って雌ブタの腹に入ってしまったためブタの姿になってしまった元帥。
 ならず者たちが地元の名士高旦那の娘翠蘭を連れ去ろうとしている場に居合わせた元帥。好漢の姿に変化してごろつき共を追い払う。

 旦那は元帥を娘の婿に迎えるが、婚礼の宴席でまたまた酒が過ぎ、ブタの姿を現してしまう。

 困り果てた旦那、たまたま宿を借りに来た三蔵法師一行に相談して、孫悟空が翠蘭に化けてブタの妖怪婿殿をやっつけることになった。 

 左写真は、猪八戒が三蔵法師に取経の旅にお供しますと命乞いしているところ。

 



 久しぶりの「京劇」は、懐かしい感じがした。どうも「京劇」公演のお値段がやや高い気がして、最近緊縮財政を心がけているため、ここのところごぶさたしていたのだ。
 この公演はリーズナブルな価格だった。

 京劇の招聘が始まって25周年とかで、これまでの公演リストがパンフレットに載っていた。「ああ、初めて観た『覇王別姫』って2001年だったのだなあ」と感慨にふける。

 また、「白蛇伝」などはこのリストに挙がってないので、この団体は関与してなかったのだな、なんて思った。

 少し残念な点は、孫悟空の立ち回りで、剣をほうり上げ、鞘に納めるという技で5回も連続して失敗したこと。まあ2回まではいままで観たことあるけど、5回というのは前代未聞だったなぁ。程和平氏も内心ショックだったのではないだろうか?
 最後、公演を終わり、客席に向って自分で拍手を始めたところも、(私がそのような眼でみていたせいかもしれないが)照れ隠しというか、一種、悲惨な感じすらした。

 それと、プログラムの構成が一般受けを狙ったのだろうが、一つ目がちょいと派手な武戯。鳴り物もあり打出手もあり。

 次がユーモラスな文戯。

 最後に、日本人に人気の孫悟空もの・・・・・・・・と、何か「いかにも・・・・・」というような感じ。非常に無難な選択で、何もケチをつける筋ではないが、これまで何回か京劇公演を観た人間としては安全策過ぎて、ちょい物足りない感じがした。

 

 


 

 お疲れさまでした。 

 

 

inserted by FC2 system