移動メニューにジャンプ

愛犬ハナ日記(1)

 犬を飼い始めました。ところが、いきなり大病に。
 右往左往し、途方にくれてHPの掲示板(おしゃべりあら?カルト!)でぐちっていたら、いろんな方から励ましのお言葉をいただきました。
 下記の文章は、その時の掲示板の文章を転載、加筆したものです。

 


1 ハナちゃんの話 書き込み:4月25日(火)午前7時50分

 
家の前で(23日)  犬を飼い始めました。
 もともと、長女(中1)が「中学入ったら犬飼いたい」と言ってました。

 で、ペットショップで・・・と思ってたのですが、娘が自分で、ある団体の連絡先を調べてきて、ここに電話して、と言い出しました。

 その団体は、世話できなくなったり虐待された犬を保護する団体で、「里親」を募集しているのです。

 親としては、初めて飼うのにそんな、心に傷もつ「事情(わけ)ありの犬」を選ばなくても・・・というのが正直な気持ちだったのですが、娘は、ペットショップの犬は、私が飼わなくても、誰かが可愛がるから・・・と言うのです。
 性別とか、年齢とかの希望を含めて登録し、だいたい希望に合う犬が保護されると連絡があり、「お見合い」をすることになります。

 で、22日(土)に「お見合い」しまして、23日(日)の朝、引き取りました。


2 ハナちゃんの話(続き) 書き込み:4月26日(火)午前7時10分

 あ、鍵屋さんとこの伝言板で「名前はハナちゃん」と書いたので、昨日の書き込みでは忘れてました。
 もちろん、うちでつけた犬の名前が「ハナ」です。

 ハナちゃんの前の飼い主は一人暮らしのおじいさんで、もともとほとんど散歩もさせずに飼っていたようで、酔っ払うと犬を叩いたりしていたようです。
 飼ってたのがメス犬で、避妊手術とかしてないので、子犬を産んじゃあ、知らない間にいなくなる。(おそらく、そのじいちゃんが捨ててた?)
 で、また産んでるなあと近所の人が思ってると、そのじいちゃん、入院してしまったらしい。もちろん、犬は家の中に放りっぱなしです。

 近所の人の連絡で、その保護団体が見に行くと、残ってたのが親犬と、(複数産んだのだろうけど、なぜか)ハナちゃんだけが親犬の側にいたそうです。
妹ができた!(26日)

 保護された当時は、フンなども垂れ流し状態で、がりがりだったそうですが、団体で世話されてる間に毛並みなども良くなっていました。
 そんな「過去ある少女」ハナですが、ひとなつっこい犬です。 

 今、心配してることがあります。引き取ったその日(日曜日)と次の日の朝くらいまでよく食べてたのに、それ以降食欲がないのです。



3 こんなことがあっていいのか
 書き込み:4月26日(
午後10時24分 

 昨日の書き込みで「心配なこと」というのは、 犬がごはんを食べないのです、環境が変わったから犬も ストレスやホームシックで食欲がなくなるのでしょうか・・・ と書くつもりでした。
 ごくごく軽いつもりでした。
 
  しかし、何度か嘔吐をするので、嫁さんが今日、休みを取って 獣医に連れていったのです。 そして、犬パルボウィルス感染症だと診断されました。
  生後3か月くらいからワクチンを接種していれば、 ほとんど防げるそうなのですが、えさもなしにほったらかされて いたハナが予防接種を受けているはずはありません。 

 保護団体の方では、保護した犬に避妊手術をしています。 ハナも18日に団体が手術をしたそうで、おなかの毛は 剃られていて、5月に入ったら抜糸に連れていってくださいと 言われていました。 
 それで、抜糸で獣医さんに連れていったら、そこで聞いて、 狂犬病とか、必要な予防注射もしよう、そう考えていた矢先のことでした。 

 本当に、「お見合い」した22日(土)の夕方には、初めて会った娘や 私と一緒に公園じゅうを走り回ったのです。
  そして、一晩考えさせてくださいと言って、いったん別れたものの、 娘はすっかり気に入ってしまって、日曜日(23日)の朝早々に、引き取らせていただきます という電話をかけ、その日から「うちのハナちゃん」になったのです。

  23日の夕方、家族全員で、ちょっと遠出をして、団体の人に教えてもらった 大きなペットショップまでハナを連れて散歩をしました。
 そして、そこで、ドッグフードもいろいろ種類がある方が良い、 などといわれていたので、生肉タイプの缶詰やら、幼犬用のドライフードやら、 おやつのささみジャーキーやら、骨ガムやら、犬トイレやら、トイレ用の 吸水シートやらいろいろ買い込みました。 
 うちは、小学校、中学校の通学路に面しています。家の者がいない時に悪がき(←多いんです)に いたずらされてもいけないと思い、家の中で飼うことにしたんです。

  月曜日(24日)の朝、5時頃目がさめた私が2階から下へ降りると、ハナがちぎれんばかりに 尻尾を振って迎えてくれました。 しばらくして起きてきた娘が散歩に連れていき、「ウンコもしたよ〜」と 帰ってきました。 エサもばくばく食べたのです。ほんとに、そこまではすべてが順調でした。 そこまでは・・・


4 耐えるハナちゃん 書き込み:4月27日(木)午前6時14分

 月曜日、「夕方の散歩の時、何かハナがすぐ帰りたがったし、ごはんも食べへんねん」 そう、娘や嫁さんから聞きました。

  環境変わると、エサ食べなくなることもあるっていうで。でも、いよいよおなかがすけば食べるようになるやろ。そう軽く考えていました。

  火曜日、やはり食欲がありません。それに、何度かしゃくりあげるように して、嘔吐をしました。でも、大量に出るわけでなくて、胃液というか、 タンのようなものでした。
 風邪気味なんやろか。 しかし、ほとんど食べないものの、相変わらず家族には尻尾を振って 喜ぶし、けっこう元気そうに見えました。
 ただ、夕方くらいから、 少ししんどそうにはしていました。

  水曜日の朝、娘が散歩に連れていこうとしたのですが、玄関から 出ようとしなかったようです。 しかし、私がまた早く目がさめ、娘と一緒に ハナと散歩でもするかと思い、先に表の道路に出ると、ハナも玄関から 出てきたのです。

  月、火の時の散歩コースとは違う方向に行こうとしたので、娘は いつものコースに変えようとしたのですが、グイグイ引っぱっていきます。
  私は「ハナも同じ道ばかりやったら、あきるんや。好きなとこ行かせたったら どうや」と声をかけました。そして、これだけ元気あったら、大丈夫かな、 なんて思ったのです。
  散歩の時、道端の草を少し食べてました。そして、家に帰って、また吐きました。 さっき食べた草が混じってました。おなかの調子が悪い時、草を食べるというし、 自分でも治そうとしているのかな、と思いました。
  しかし、しばらくして、また吐き、その時の粘液が何か赤っぽくて、赤錆のような においがしたので、これ血が混じってるのではないか、と思ったのです。

  うちは共働きです。嫁さんが休んで、医者を捜して連れていくことになりました。
  そして診断の結果が、「犬パルボウィルス感染症」ということだったのです。
  医者の言うことには、この3、4日がヤマです。これから、どんどん嘔吐、下痢を 繰り返し、最後は血便の垂れ流し状態になって、急激に衰弱していきます。
  そこまで行って、犬の体力、抵抗力が強くて、何とか持ちこたえることができれば 助かりますが、非常に死亡率の高い病気なので、覚悟していただいた方がいいです ・・・とのことでした。  

 食べさせれば嘔吐して余計苦しむので・・・ということで、 これから4日間ほど毎日通院しなさい。注射をしますので、と言われ、昨日も 何本も何本も注射をされたそうです。
 しかし、それは特効薬、治療薬という ものではなく、栄養点滴と痛み止め程度のものだとか。 

 ハナは血管がなかなか見つからず、何度も針を刺されたとか。また、背中の栄養点滴 の時、「これはかなり痛いので、飼い主さん、頭をかかえてなでてやってください」 と言われたそうです。
 しかし、ハナは吠えもせずにがまんしていたと嫁さんが言ってました。

わたし、ダウンです・・・(27日)

  さっき、下へ降りていった時、ハナは(座り込んだままでしたが)私の顔を見て、 さかんに尻尾を振りました。 

  しんどいねんから、苦しいゆうたらええねんで。尻尾なんか振らんでええねん。
  そう思いました。今までつらいことばっかりやったのに、ずっとがまんして きてんから。これから甘えて、しあわせになるとこやってんから。


 27日に、飯香幻さんから「がんばれハナちゃん」という書き込みを、とびかげさんからは「祈・回復」という書き込みをいただきました。
 励ましの言葉、どうもありがとうございました。 


5 励まし、ありがとうございます。 書き込み:4月28日(金)午前7時54分

 私は先日、忙しい部署に転勤したところなので、 ハナを病院に連れていくのは、嫁さんが一人でがんばってくれてます。
  嫁さんはもともと犬も猫も大嫌いなのですが、「ハナはかわいい」と言って (ひょっとすると、いっしょうけんめい自分に言い聞かせているのかもしれませんが) よく面倒を見てくれてます。

  ただ、嫁さんが落ち込むのは、周りから心ない言葉を浴びせられる時です。

  「風邪かストレス。すぐ治るよ」、そう診断されると思っていたのに、 思いもよらぬ結果に。
 頭がパニックになりながらも、団体の代表の方に 電話したそうです。(もしものことが起こってからではなく、先に状態を 知らせておこうと思って)
  すると「えっ、パルボ?」(嫁さんが、獣医でもらったパンフレットとか見ながら説明したそうです)「それで、1週間で死ぬの?まあ、その子も、最後 山本さんとこで見てもらえて幸せやったね!」とえらい軽い調子で 言われたとのこと。
  団体に対して、病気だと知りながらうちに渡したなんてことは思っていません。だから、責任を 問うたりする気持ちは毛頭ないのです。
 だけど、「いきなりこんなことに なってしまって、申し訳ないですね。大変でしょうけど、がんばってくださいね」とかの ひとことが欲しかったと言ってました。
 「それに私は死ぬなんて言って ないねん。峠を迎えると言われたから、そうゆうてん」とも言ってました。

 病院までの移動がハナにとっては苦痛のようでした。病院のパンフに 「往診」と書いてあったので、電話してみると、間髪入れず「手術が 入っているからダメです!」と言われたそうです。
 「パンフに書いてあるから、どうかなあと思って電話しただけやねん。 
 あれもなあ、ちょっと予定調べてみますとか言ってもろて、それから、すみません。ちょっと手術の予定がずっと入っているので・・・とか 言われたらだいぶ違う思うねん。
  来てもらわれへんのは、どんな言い方されても一緒やねんけどな。 私、弱気になってきてるのかなあ」

  時々使う、近所のタクシー会社に電話したら、「規定で犬は乗せられません」 と言われたそうです。ちゃんと、ビニールとかできっちり防水した箱に入れますから、と言っても、「会社の規定なので」。
 別のタクシー会社にまで電話する気力もなく、嫁さんは昨日も自転車の後ろに、私の作ったハナちゃん移動ボックスを乗せて連れていきました。

  病院から帰ってくると、また電話。今度は保護団体の代表じゃなくて、 うちが引き取るまでハナを世話してくれてた人から。
  何を言うのかと思ったら、パルボウィルスなんて信用できない。 それは間違いないのですか。土、日まで、あんなに元気だったじゃないですか。
 (団体が避妊手術をしてもらった)T病院の院長先生と私は懇意だが、 パルボは伝染力が強いので、ハナが病気なら親犬から伝染した筈だが、 親は全く症状がない。(ハナの親犬は、まだ団体で保護されています) 
 こんなことはおかしい。誤診だから、T病院で診断をやり直してもらって ください。・・・そんな内容だったそうです。 

 土日は元気だった・・・そう思ってるのはこっちも同じや。
 獣医が「血液検査だけでは確実ではありませんが、便の検査 からも結果が出てますので間違いありません」とまで言っている のに、素人でこれ以上、どう判断せよと言うのか。
  信用できないって、「重病の犬を押し付けられた」といって 何かこちらが文句でも言うと思っているのだろうか。病気でもない犬を、病気だと言いふらして、こっちに何のメリットがあるというのか。
  信用できないと言うなら、うちに来て見てみろ。動かすだけで しんどそうにしているハナを、また別の所まで連れてけと言う気か。
 初めて犬を飼って、わずか数日でこんなことに なってこちらは悩みもし、苦しんでもいる。 何よりつらいのは、今、病気と闘っているハナなんだ。 いったい、あなたは何が言いたいんだ!

 ・・・そう怒鳴りたかったけど、「そうですか、親犬の 方は大丈夫でしたか。それは良かったです。また、力を 貸してほしい時はご連絡させていただきますのでよろしく」 そう言って電話をきったそうです。

 ハナの嘔吐は続いています。点滴をするようになってからは、薄くて量が多くなってきました。色は濃い緑色とか茶色です。 


6 一進一退 書き込み:4月29日(土)午後11時18分

  さて、ハナの容態ですが、一進一退ってとこですね。
  でも、皆さんの励ましのおかげか、何だか快方に向かってる気がします。

 今日は今のところ、1回しか嘔吐してません。その1回は、やはり薄くて、色はまっ黄色でした。
 今日は休みだったので、夕方私も病院に行きました。嫁さんが自転車にハナを乗せ、私は末っ子の健史を乗せる。長女の真友美は、自分の自転車で行きました。

  嫁さんの自転車のかごから、ハナは私をちらちらと見ます。
 「あの〜、この道、どうもいやな予感がするんですけどねえ。 なんか病院に行く道みたいなんですけど。
 病院行くと、痛い 注射されるんで、やなんですけどねえ。
 お父ちゃん、何とか なりません?」 訴えかけてるような目です。

  さて、病院に着きました。さっそく栄養点滴です。診察台に乗せ、 針を刺す時、ハナの頭をかかえて、暴れないようになだめます。
 「あっ、痛いとこ刺しちゃった。ごめんね、もう1回ね」 (←おいおい、看護婦さん、2回も3回も刺さんといてくれい!) 
 その後、ウィルスの増殖を止めるとかで、注射を2本ほど。
  まゆ(長女)は、今日はお父さんが来てるから、というので 「お父さん、つかまえとくのは任せるわな」
  注射のあと、なんだかハナの目はウルウル状態というか、涙目に なってます。
 「お〜、どうしたん。注射痛かったん。なあ、かわいそうになあ」 と慰める娘。 
「おいこら。お父さんに憎まれ役させて、自分ばっかええとこまわるな」 
「だって、昨日は私がおさえてんもん」 
背中のばんそうこうが痛々しい(28日)

 すると嫁さんまでが「あっ、何か、ハナがお父さんを見る目がちゃうわ。 何か、今までお父さんだけは味方や思ってたのに、やっぱ、お父さんも押える んかあ、って感じ」 

 今日は、私たちの昼食の時など、何か欲しそうにしてました。食欲が出てきたのだったらうれしいことです。

  一応看護婦さんの指示では、まだ食べさせちゃだめ、とのことなので、もうちょい断食、栄養点滴が続きます。
  このまま、治ってくれるのかなあ。

  ハナは「お坐り」をする時、ちょっと横座りをします。小さい時の栄養が悪かったから、 後ろ足の発達とかが良くないのかな、と思うのです。
  それで、「峠を迎えて、体力や抵抗力があれば助かるが・・・」と言われた時、 これは危ないな、と思い、娘にもそのとおり告げました。(娘は、お風呂場に 入って、大泣きをしました) 

「今日はすごく元気そうや。お父さん、もうハナちゃん、大丈夫やな。そう思わへん?」
  娘にそう言われても、ぬか喜びに終わっては・・・と思うので、慎重にしてます。   でも、確かに今日は以前に比べると元気そうにしている時間が長かった。 どうか、この調子で・・・


 

inserted by FC2 system