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陶磁器ゼミ(1) 美術史ゼミナール「中国の陶磁器」その1(オリエンテーション)

1 はじめに

 先日、ひょんなきっかけから「美術史ゼミナール」なるものの存在を知った。
 自治体が主催している講座なのだが、博物館の学芸員の方から中国の陶磁器についての講義を受ける。受講者の演習もある。
 その後、受講生が企画展示の構成案を考え、その博物館での常設展示の1コーナーで2か月ほど展示させてもらえる。
 陳列や撤収もさせてもらえる。会期中、ギャラリートーク(研究発表)もする・・・とあるので、「これは、おいしいやないかい」とさっそく申し込むことにした。
 申込書には志望動機を書き、別に800字までで「私の好きな中国陶磁器」というタイトルの文章を書く。字数制限はちょっときつかったが、ちゃちゃっと書き上げ、郵送。応募者多数につき、残念ながら・・・なんてことになるとやだな、と思いつつ待ってると、無事「合格通知」が来た。




2 オリエンテーション

 通知の案内に従い、6月28日(土)午後2時よりオリエンテーション。
 担当の学芸員の方から説明のあったスケジュールは以下のとおり。

回数 時期 内   容
第1回 6月下旬 オリエンテーション
第2回 7月中旬 「新石器〜春秋時代の陶磁器」の講義と演習
第3回 8月上旬 「戦国〜六朝時代の陶磁器」の講義と演習
第4回 8月下旬 「隋唐・五代の陶磁器」の講義と演習
第5回 9月下旬 「宋元時代の陶磁器」の講義と演習
第6回 10月上旬 「明清時代の陶磁器」の講義と演習
第7回 10月中旬 企画展示の構成案作り
第8回 11月上旬 企画展示の陳列作業
第9回 11月中旬 企画展示のギャラリートーク(1)
第10回 11月下旬 企画展示のギャラリートーク(2)
第11回 12月中旬 企画展示のギャラリートーク(3)
第12回 1月上旬 企画展示の撤収作業
第13回 1月下旬 「第7回美術史ゼミナール」の報告書の作成





3 演習課題の決定

 さて、演習とは何をするのか。時代を決めて、研究発表するのか?なら、宋代の白磁・青磁か元代の青花がいいなあ、なんて思ってると学芸員の先生から説明があった。
 まず、60点の館蔵品のリストが配られた。「青磁鉄斑 四耳壷 浙江省越州窯 東晋(4世紀) 高さ17.3」といったデータと解説文がそれぞれ載っている。解説文のないものもある。
 「館蔵品の中国陶磁を1点選択し、その作品について手に持ったり、表面を撫でたり、至近距離からルーペで見たりする。そして、自分が感じたこと・想像したこと・考えたこと・調べたことなどを受講生の前で発表します。ただし、『調べたこと』を発表の中心にしないこと」とのことであった。

 そして、「文字情報だけで選んでもらうのもおもしろいんだけど・・・」と言いながら図録やパソコン画像(マックのノーパソでした)を駆使して紹介してくださった。

 さらに、「このリストの中の幾点かは、上の常設展で出てるから」ということで、展示会場に案内された。

 会議室に戻り、順番に自己紹介とどの陶磁器が印象に残ったか、演習で担当したいかを発表することとなった。
 課題選択は野球のドラフト会議方式。すなわち、それぞれが順に陶磁器を指名する。一巡した段階で指名が重複していたら、当事者間でジャンケンをして決める。負けた方は別のものを指名することになるが、他の人が既に第一候補として宣言しているものは選べない、というルールだ。

 私の印象に残ったのは、会場で展示されていた北宋龍泉窯青磁劃花花卉文双耳盤口瓶。形もおさまりがよく、色合いも深みがあった。
 あと、青磁貼花牡丹唐草文長頸瓶とか、双鳳文天目茶碗。おや、リスト外ばかりだ。そうだ、会議室では「これは画像資料がないんです」と言われてた元代の青磁劃花雲気文碗(龍泉窯)も展示されており、これもなかなかだった。

 14名の受講生が順番に指名していく。最初の方で別の人が天目茶碗を指名し、「あっ、言われた」と思ったが、先生から「申し訳ないけど、あれは館蔵品じゃなくて借り物だから・・・」と言われた。
 しまった、館蔵品かどうかのチェックなんかしてないや、と思ったが今さらどうしようもない。順番が回ってきた時に、花卉文の瓶を「もし可能なら・・・」とおそるおそる口にしたが、やはり館蔵品ではなかった。そこで、先生からの「同じ龍泉窯だし・・」というオススメもあって、雲気文碗を担当させていただくことになった。 


 


4 次回予定

 次回は来月の中旬。
 先生からは新石器〜春秋時代ということで、最も初期の陶磁器について講義していただく。
 演習は2名。お一人は、後漢時代の緑釉狩猟文博山炉について発表をされる。もう一人は本日欠席の方なので、先生が課題作品を指名するらしい。
 発表があたった人は、先生と日程を調整し、その日に課題作品を「触らせて」もらえるそうだ。
 私も、発表の日が決まったら先生と日程調整することになるのだろう。今から楽しみだ。
 次回までに少し、昔古本屋で買って積ん読状態だった『中国陶磁の八千年』(著:矢部良明。平凡社)でも読んで勉強しようと思う。

 



 それでは、次回のゼミまで、ごきげんよう♪

 

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