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上海旅遊記(5)上海雑技団編<写真追加版>


 食事を終え、上海雑技団の公演を観に行く。
親亀の背中に、子亀を乗せて  「サーカス」というイメージから、どこかの広場に円形テントを張り・・・と想像していた。
 ところが、車が向かうのは、上海商城という巨大なコンサートホール風の建物。

 呉さんに案内された座席は・・・何と一番前の席であった。舞台正面ではなく、向かって右手だが迫力満点。


 緞帳があがり、前衛舞踏風のオープニング。
 暗転、そして次のシーンと切り替えが早い。

  

 キン肉マンの戦闘服風のコスチュームを着たお兄ちゃんたちがいっぱい出てきて、舞台狭しと駆け回る。

 たてに3つつながったリングを次々とまたぎ越したり、ウルトラマンのように頭から飛び込んだり、ドロップキックをかましたり。
麦わら少年

 子ども3人の修行風のコント(スクワットや逆立ち、ブリッジを命じられるが、師匠の目を盗んでさぼる)といったほのぼの路線や、半ズボンで袖なし上着姿に麦わら帽子をかぶった男の子がいっぱい出てきて、アップテンポの音楽に乗って、帽子でジャグリングするラテン風の演技(右上写真)など、めまぐるしく展開する。

いつもより余計に回しております  昔ながらの「皿回し」なども登場した。
(左写真)

 片手に5本か6本ほど、長く細い棒を束ねて持っている。

先になると、その棒がふ〜わりと離れ、それぞれ先で白い皿が回っているので、両手に花でも持っているかのようである。

 さらに(←「皿に」ではない)、すべての皿を回したまま、他方の肩に乗ったり、いろいろ無茶をする。

 
無茶といえば、冒頭の写真も、「おいおい、まだ積むんかい!?」と心配になるくらい高く椅子を積み上げていた。




うっ!はっ!うっ!はっ! 

 さて、いろいろコスチュームに凝っている一端は、右上写真及び左下写真で雰囲気を味わっていただこう。

うっ!はっ!うっ!はっ!(青バージョン)  さて、左下写真前方でお兄ちゃんが横になっている(後頭部と背中しか見えない)が、椅子から立って舞台に近付けば、肩をぴしゃぴしゃできるくらい近いのである。

 真ん中のお姉ちゃんは、写真ではよくわからないだろうが、”ウィンク”の相田翔子に似ていた。

 相田さんは、いまシーソーの端に足を乗せている。

股間を踏まれているわけではない

 で、舞台右手に高い「脚立」があり、その上から屈強な大男が、シーソーの上がった右端めがけて飛び降りる。

 すると、相田さんはその反動で天空高く舞い上がり、ひねりなどを加えて、左側のマットに着地した。

 相田さんのほかに、小さな男の子(10歳前後?)も登場し、「児童虐待」という言葉を連想するほど、ぽんぽん天高く跳ね上げられていた。

 そして、演目の間に随時挿入される前衛舞踏が右写真。

 全身タイツ姿の女性を、私はひそかに「太極ガール」と呼ぶことにした

 白と黒の巴模様にタイツが色分けされているのだ。
太極ガールと謎の少女

 同じく白黒に塗り分けられたボール(←ひそかに太極ボールと・・・)を足元から身体を伝わらせてつ、つ、つっと手先に引き寄せる。

 そして、ボールをぽ〜ん!と空中に放り投げ、さっ!と舞台で前転し、すくっ!と立って、自然に伸ばした掌に、はかったようにボールが吸い込まれる。
 ちょうど新体操の演技を見ているようだ。 

 横の緑色の服を着てキックボードに乗っている女の子、実はオープニングから出ていた。
 その時は、当たり前の小学生のような地味なブラウスとジャンバースカート姿だった。
 時代がかった幻想的なコスチュームの人々がおごそかに舞台上をまわるその中を、ごくありきたりな子どもが勝手気ままにキックボードで駆け抜ける。

 その「日常」と「非日常」の混在のさまが何とも奇妙な雰囲気を醸し出しており、何か、昔観た寺山修司の映画(←わかりにくい「たとえ」で申し訳ない)のようであった。

 その少女が再登場したのだ。

 緑のチュチュ(妖精みたいなバレーの衣装)を着ているが、相変わらず舞台をキックボードで走り回るだけ。
 ああ、あの子は団長の娘か、とにかく有力者の子どもで、芸もないのに舞台で目立つ役を割り当てられているのだろうなあ。

 一見するとうらやましいようだが、本人にしてみたら周りのやっかみの視線も感じるだろうし、それはそれでプレッシャーなものだろうなあ・・・などとよしなし事を考えていたら、それは大きな誤りと後でわかった。

細腕繁盛記(・・・古い)
 左の写真をご覧いただきたい。

 緑の塔の上で、身体を右手一本で支えてバランスを取っているのが、その少女である。

手をあげる太極ガール  左上写真では、足を左右に開いているが、足を揃えて上にピン!と伸ばしたり、そして、そのままゆっくりと回転したり、右腕1本で身体を支えたまま、ごくわずか沈み込み、ぽん!と身体を一瞬浮かせ、そのタイミングに腕を入れ替えたり・・・・

 ゆるやかな音楽とともに、演技は5分、10分、15分・・・延々と続く。
 そして、その間中、少女は、自らの身体を細腕一本で、小揺るぎもせずに空中に浮かせ続けたのである。

 それは天高く跳ね回る派手さも、賑やかな音楽も伴わないけれど、トリとして本日の公演を締めくくるに相応しい至芸であった。

 なお、左上写真の正面で背中を見せてるのが太極ガール。

 背中側は、背筋ですっぱり左右に白黒分かれている。

 お腹側の模様はどうなっているの?と気になって仕方ない貴方のために、最後の舞台挨拶時の太極ガールのアップをお目にかけよう。(左写真)

 

 正直言って、上海雑技団にはあまり期待していなかったのだが、息をのんだり手をたたいたりで、あっと言う間の2時間であった。
 ふと横を見ると、このやかましいさなかで、末っ子たけしが寝ていたのには、びっくりしたが。
(おまけ)

 フィナーレの総登場シーン。

 どか〜ん!と「太極時空」のノボリがおりてきた。
フィナーレその1

 スモークが派手に流れる。

フィナーレその2  手を振る出演者たち。

 なんといっても光っているのは・・・・・・

 やっぱ、太極ガールですね! 手をたたく太極ガール


 

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