文様大別 |
文様細分 |
特徴 |
備考 |
怪獣 |
饕餮(とうてつ)文 |
饕餮の出典は、BC3世紀の『呂氏春秋』で「首はあるが胴体はない。人間を食らう」怪物。
『中国の妖怪』(著:中野美代子。岩波新書)によると、4世紀初の郭璞(かくはく)は、『山海経』にある「羊身人面」の「犭+包」鴞(ほうきょう)が饕餮としている。
※ 『中国の神獣・悪鬼たち』(著:伊藤清司東方書店)P21→「犭+包」鴞
『中国古代文様史』(著:渡辺素舟。雄山閣)では、二匹の虎を左右から向かい合わせ、一つの面貌を抽出したのが饕餮で、大きく開き下顎のない口が特長だとする。 |
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虁龍(きりゅう)文 |
虁(き)は、『説文解字』では「龍のようだが一本足。角のある頭に人面」。
周代の『国語』では、一本足で「人面猴身」。
『山海経』では「牛のようで蒼身。角はなく一本足」とある。
(以上は『中国の妖怪』から)
虁(一本足)の龍。
※ 「虁の字形は頭上に両角があり、一本足で舞う形」『中国古代の文化』(著:白川静。講談社学術文庫) |
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虁鳳(きほう)文 |
鳳凰とは、朱雀とも朱鳥ともいう。また、『山海経』の鸞鳥(らんちょう)も鳳凰の仲間。
(以上は『中国の妖怪』から)
虁(一本足)の鳳。
※ 『中国美術史』P65図27「虁鳳文簋」 |
虺(き)文 |
虺(き)とは蝮(まむし)又は小型の蛇。
唐末の任ム(じんぼう)の『述異記』に「水にすむ虺は五百年で蛟となり、蛟は千年で龍となり、龍は五百年で角龍、千年で応龍となる」とある。
明の『本草綱目』には「鱗のあるものを蛟龍といい、翼のあるものを応龍といい、角のあるものを虬(きゅう)龍といい、角のないものを螭龍という」とある。
(以上は『中国の妖怪』から)
※ 『中国美術史』P99図46「虺龍文鏡」 |
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螭(ち)文 |
小さい龍が絡み合った文様。
なお、『中国の妖怪』では、蟠螭文を「蛇がからまりあう文様」としている。 |
蟠龍(ばんりゅう)文 |
蟠龍。 |
竊曲(せっきょく)文 |
虁龍文をより抽象的にデザイン化したもの。 |
動物 |
虎文 |
虎のマークの獣面文。『神と獣の紋様学』(著:林巳奈夫。吉川弘文館)では、虎は帝の象徴としている。同P18図1−6
※ 『中国美術史』新潮選書P55図25 |
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羊文 |
羊のマークの獣面文。角は横へ伸びて下内側へ向かって曲がる。『神と獣』P11図1−10 |
羚牛(れいぎゅう)文 |
羚牛のマークの獣面文。角は上に伸び、内側に曲がって再度湾曲する。
※ 『神と獣』P23図1−13 |
イヌワシ文 |
イヌワシのマークの獣面文。頭上に「几」形の羽冠が付く。
※ 『神と獣』P27図1−21
※ 『中国の妖怪』P53図17 |
T字角文 |
特に具体的な動物は想定していない。
※ 『神と獣』P28図1−24
※ 『中国の妖怪』P53図18 |
牛文 |
牛。下記水牛とほぼ同様。
※ 牛鼎→『神と獣』P11図1−2 |
水牛文 |
水牛のマークの獣面文。角はほぼ真っ直ぐ横に伸びる。
※『神と獣』P32図1−29 |
鹿文 |
鹿。角は横に伸びて枝分かれする。
※ 鹿鼎→『神と獣』P12図1−3 |
象文 |
象は、器自体が象の形をしていることが多い。
※ ゾウ尊→『神と獣』P38図1−34
※ 『中国文明の歴史 1』P253 |
犀(さい)文 |
犀は、頭の部分が器の飾りとして使われることが多い。
※ 中山王墓出土「金銀象嵌屏風台座」(『中国の妖怪』P4)
※ サイ尊『神と獣』P36図1−32、『中国美術史』新潮選書P83図35 |
兎文 |
兎。 |
亀文 |
亀。なお、玄武は亀と蛇の合体。 |
蛇文 |
鼻先が尖り、身体に大きな菱形が並んでいれば毒蛇「百歩蛇」(ひゃっぽだ)。 |
鳥文 |
鳥。 |
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鴟鴞(しきょう)文 |
フクロウやミミズク。 |
蝉(せみ。せん)文 |
蝉。 |
魚文 |
魚。 |
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貝文 |
貝。 |
鱗文 |
魚から一部が抽象化されて、さらに幾何文に転化。 |
幾何文 |
鱗文 |
魚の鱗。 |
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雷(らい)文 |
渦巻を四角形に組み合わせた文様。 |
縄文 |
縄目。 |
渦文 |
渦巻文。丸渦文など。さらに抽象化されると二重丸なども含まれる。 |
円文 |
円。 |
百乳文 |
小さな模様が連続する。 |
眼文 |
「眼」を抽象化。 |
重環文 |
環が重なり合った文様。 |
蕉葉(しょうよう)文 |
植物の葉が抽象化して「三角形」に転化。 |
人物画像 |
狩猟文 |
狩猟風景。
※ 『中国美術史』新潮選書P97図45、『中国文明の歴史 1』中公文庫P347 |
画像なし |
戦闘文 |
戦闘風景。 |