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青銅器(9)平成16年度美術史ゼミナール「中国の青銅器」第3回その4資料編 文様(7) 幾何文

1 はじめに

 平成16年度美術史ゼミナール「中国の青銅器」という講座の、備忘録程度の受
講録。で、第3回ゼミの受講録その4。「文様」の資料編(7)幾何文。


2 幾何文

 ここまで怪獣文様と動物文様を取り上げたので、今回はそれ以外の文様を扱う。
 
(番外編)
 竊曲文(せっきょくもん)は、怪獣文様と幾何文の中間に位置するといってよいのではないか。

竊曲文 説明
せっきょく文 虁龍文をデザイン化したもの。

(1) 雷文

 幾何文の代表選手というと、やはり雷文だろうか。

雷文その1 雷文その2
雷(1) 雷(2)
直線を折り曲げて迷路状にした連続モチーフ。 ラーメン丼の縁の模様でおなじみである。

 雷文自体は、殷周代の青銅器よりもはるかに古く、紀元前3000年前後の仰韶文化末期の彩陶にみられる。
 また、同じ仰韶文化の遺跡から渦巻文様の彩陶も出土している。

 回転する渦巻を静止させ、曲線を直線にすると雷文の基本形になる。

 渦巻を円環の中に閉じ込めると巴(ともえ)文になる。

 雷文と密接な関係にある卍(まんじ)文は、四つの腕があるスパイラル(渦巻)といってもよい。

 結局、雷文も巴文も卍文も渦巻文のヴァリエーションと考えてよい。
(以上は『中国の妖怪』より)

(2) 縄文・渦文等

縄文(じょうもん) 百乳文(ひゃくにゅうもん)
縄文 百乳文
縄目文様。縄文式土器でもよく知られている。 小さな文様で連続して埋め尽くす。
鱗文(りんもん) 渦文(かもん)
鱗文 渦文
魚の鱗が重なり合った文様。 渦巻文様については、上記参照。

 上記の鱗文と渦文を説明する格好の例がある。
 佐野美術館HPの鱗文豆である。皿の部分に円渦文と渦文。足の部分に鱗文が施されている。
重環文(じゅうかんもん) 蕉葉文(しょうようもん。三角文)
重環文 蕉葉文
環が重なり合ったような文様。 植物の葉から転化して三角形を表わす。

 このほか、画像は載せていないが、「○」の形をした「円文」(えんもん)や、眼を象った、ドーナツのような形の「眼文」(がんもん)などがある。



 それでは、皆さんごきげんよう♪ 


 

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