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青銅器(9)平成16年度美術史ゼミナール「中国の青銅器」第3回その4資料編 文様(4) 虎、羊等
1 はじめに 平成16年度美術史ゼミナール「中国の青銅器」という講座の、備忘録程度の受
講録。で、第3回ゼミの受講録その4。「文様」の資料編(4)虎、羊等。
2 動物
林巳奈夫氏は『神と獣の紋様学』(以下、『神と獣』)の中では、饕餮文(紋)ではなく、獣面文という呼び方を専ら使っておられる。
要するに、祭祀に使う飲食物を守るために、それを入れる容器に虎の牙、水牛の角、象の鼻といった野獣の恐ろしい部分を集め、その威力で悪者を追い払おうとしたというのである。
ここでは、個別の動物に関する文様をみていきたい。
牛鼎 |
鹿鼎 |
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1935年、河南安陽の近郊で発掘された牛鼎と鹿鼎の略図。
中央部の牛面、鹿面以外の文様は省略している。
上記『神と獣』によると、牛鼎の文様は類例が多いが、鹿鼎の文様は、実際の鹿に忠実な形が象られ、銅器の文様としては類例がない。 |
『神と獣』で紹介されている獣面を簡略化して筆写してみる。
林巳奈夫氏は、角など野獣を示す要素を「動物のマーク」と呼んでいる。
虎のマークの獣面 |
羊のマークの獣面 |
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羚牛のマークの獣面 |
イヌワシのマークの獣面 |
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T字形角のマークの獣面 |
水牛のマークの獣面 |
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文様はかなり省略しているのだが、やはり違いがわかりにくい。
要するに、蕝(ぜつ)というか鼻筋、そして、あぐらをかいたような鼻孔。そして鼻筋の両側の眼は共通で、動物の種類を区別するのは、もっぱら角の部分が担当しているようだ。
そこで、鼻筋と鼻孔(小鼻)を下向きの矢印、そして眼を二重丸で単純化して統一し、動物マークの部分の違いが分かりやすいようにしてみた。
虎のマークの獣面 |
羊のマークの獣面 |
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虎に限らず、角を持たない動物といってよいかもしれない。
鋭く尖った部分がない。 |
角根から外側へ横方向に伸び、下向きかつ内側に曲がって尖る。
現在の動物でいうと、盤羊。 |
羚牛のマークの獣面 |
イヌワシのマークの獣面 |
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角根から外側へ上方向に向かって伸び、内側へ曲がって尖る。
現在の動物でいうとホエジカ。 |
角ではなく、「几」形の羽冠が付く。「鳥」であるから、図像(5)に載せるべきかもしれない。 |
水牛のマークの獣面 |
T字形角のマークの獣面 |
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角根から外側へ横方向に向かって伸び、そのまま尖る。
現在の動物でいうと、ミンドロスイギュウ。 |
中央の角根から両側に枝別れして、それぞれ角根側へ湾曲する。
現在の動物で、該当するものは特にない。 |
鹿のマークの獣面 |
未記載 |
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未記載 |
詳細版の記載はないが、鹿鼎の写真から作成した。 |
未記載 |
今後、四本足の動物に関する文様は、ここへ記載していきたい。
それでは、皆さんごきげんよう♪
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