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青銅器(18)平成16年度美術史ゼミナール「中国の青銅器」第5回その5
1 はじめに 平成16年度美術史ゼミナール「中国の青銅器」という講座の、備忘録程度の受
講録。で、第5回ゼミの受講録その5。
2 本日のテーマ
今日のテーマは「鏡について」。
内容は、
1.部分名称と形体
2.鏡の使用形態
3.戦国時代の鏡
4.漢時代の鏡
5.唐時代の鏡
6.鏡に表れた精神
7.製作技法
8.日本への影響・・・・・の8項目。
ただし、実際の講義は、このレジュメの順番ではなく、アトランダムにあっち飛び、こっち飛びした。
講義の順番にこだわらず、レジュメの順番に再構成しようと思うのだが、今回は、続いて「5.唐時代の鏡」から。
3 講座内容の概要
5.唐時代の鏡
O先生からいただいたレジュメには、こうあった。
5.唐時代の鏡
(1) 技法:鋳造 蝋型(蝋貼り)
(2) 金貼、銀貼、螺鈿、金銀平脱など
(3) 文様:四神、十二支、団華、海獣葡萄、瑞花双鳥、伯牙弾琴、月宮、故事(三楽鏡ほか)、龍、狻猊、走獣、八卦、狩猟、鸚鵡など
(4) (宋時代) ※ 湖州鏡(湖州・・・浙江省呉興)
「湖州正石家念二淑照子」、「湖州儀鳳橋南石家」
「湖州孫家・貴萬寶鑑」、「建康府苑家煉銅照子記」 |
(1) 技法
技法としては、この頃から蝋型が中心となる。
(2) 金貼など
金貼、銀貼、螺鈿、金銀平脱などは、鏡の背面を飾る技法で、宝飾背鏡といわれる。
後漢末から魏晋南北朝の長い戦乱期で、鏡の技法も低劣化し、また銅などの不足で鉄鏡が製作されたりしたが、ようやく隋・唐の統一王朝の時代に入り、大型で質の高い鏡が製作されるようになった。
(3) 文様
O先生に、時代別に代表的な鏡の文様を143パターンほどぬき出した資料をいただいた。それをさらに簡略化して紹介する。
年代 |
時代 |
時期 |
文様の具体例 |
581 |
隋・唐 |
初唐 |
(87)四神十二支文、(88)獣文、(89)忍冬唐草文、(90)海獣葡萄文、(91)四獣十二支文、(92)獣形銘帯文、(93)葡萄唐草文、(94)四神十二支文、(95)永徽元年銘四神文、(96)海獣葡萄文、(97)同、(98)団華文 |
|
唐 |
盛唐 |
(99)双鸞狻猊文、(100)双鸞瑞花文、(101)双獣双鳥文、(102)貼銀、(103)平脱、(104)螺鈿、(105)狩猟文、(106)双獅子瑞花文、(107)騎獅子奏楽瑞花文、(108)騎獣神仙文、(109)盤龍文、(110)高士弾琴文 |
|
唐 |
中唐 |
(111)双鸞瑞花文、(112)飛鳥瑞花文、(113)瑞花文、(114)月兎文、(115)孔子栄啓期問答文、(116)飛鳥含綬龍月兎文 |
|
唐 |
晩唐 |
(117)蟠螭文、(118)方格規矩鳥文、(119)踏み返し方格規矩四神文、(120)四神八卦十二支文、(121)卍字文、(122)道教文 |
907 |
五代 |
|
(123)都省銅坊官銘、(124)捩花蝶文、(125)双鳳瑞花文 |
960 |
北宋 |
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(126)咸平三年銘牡丹文、(127)格子連珠文、(128)双龍文、(129)靖康元年銘飛天牡丹文、(130)月宮神仙故事図文、(131)軒稘耕牛文 |
1127 |
南宋(金) |
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(132)湖州銘、(133)臨安王家銘仙人騎鳳文、(134)金承安四年銘双鯉文 |
1271 |
元 |
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(135)至元四年銘双龍文、(136)大徳元年銘観音立像文、(137)パスパ文銘星象図文 |
1368 |
明 |
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(138)洪武二十二年銘龍文、(139)萬暦三十四年銘、(140)梏家銘画像文 |
1644 |
清 |
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(141)乾隆年製銘海獣葡萄文、(142)双喜蝙蝠文、(143)方形銘文 |
(5) 湖州鏡
湖州が鏡の名産地として著名となる。
では、googleでの検索結果をもとに、実例画像をいくつかご覧いただくとしよう。その方が、私の文章をだらだら読むより理解が早いと思う。
それでは、皆さんごきげんよう♪
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