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(09) 「ごみ」から考えるわたしたちのくらしと環境問題 大阪湾フェニックス計画フォーラム 聴講記 その2

 平成20年10月26日(日)、海遊館ホールで開催されたフォーラムに応募して聴いてきました・・・・の続き。


3.パネルディスカッション「地球環境問題とフェニックス計画の展望」

(コーディネーター 黒田勝彦 神戸大学名誉教授)

 狭間さん、いろいろ専門家の立場で調査をされてきたと思いますが、ごみを減らすライフスタイルとは? 

 
(パネリスト 狭間恵三子 財団法人 大阪観光コンベンション協会 情報発信担当部長)

 この3月末まで次世代研究所に属し、環境に資するライフスタイルの調査などをしていました。
 3Rという言葉は広く知られてきました。意識はあるのですが、分別したその先の先がどうなるかは、あまり知られていない。結局海をごみで埋めていることになります。

 家庭ごみは約30%。あとは産廃です。そういう情報を知りたいというニーズがあります。

 「楽しく」、「共感をもって」が大事だと思います。原田さんの言われた「my箸」のように、それくらいならやってみようと思えるような取組みが大事です。

 苗場のロックフェスで、紙コップは使わないとか、ごみはすべて持ち帰るということで続けられています。10万人も集める会場で、普通なら、フェスが終わったら「ごみの山」というイメージですが、主催者の呼びかけをみんな守っています。

 最近で成功したイベントというと「真夏の打ち水大作戦」でしょうか。これは(1)2次利用水を用いる、(2)仲間で取り組むという2つの約束事しかありません。元々「大江戸打ち水大作戦」で始まり、3年で全国に広まりました。
 これは表現がポジティブで、何となく楽しそうに聞こえるからだと思います。

 あと、西宮で子ども環境活動協会という運動をしています。エコカードにエコスタンプを集め、たまるとアースレンジャーとか地球守り隊の資格をもらえたりします。

 
(黒田)

 高木さん、大阪市は具体的にどのようなごみ減量施策をとっているのでしょうか?

 
(パネリスト 高木亨 大阪市環境局企画部長)

 大阪市のごみの特徴としては、
(1) 夜間人口は260万人ほどですが、昼間人口は400万人にもなります。
(2) 市民一人一人のごみ量は少ないが、事業系ごみが多い。事業所の数も約20万で、第2位の名古屋市の12万事業所に比べ非常に多くなっています。
 家庭系ごみと事業系ごみの比率は、大阪市の場合は事業系が6割となっています。他の政令市では4割くらいです。

 大阪市では、缶・びん・PETの資源ごみ、容プラは行政回収しています。
 大阪市の場合、新聞・雑誌などは行政回収せず、民間の集団回収が中心ですが、牛乳パックなどは公共施設で拠点回収しています。
 このほか、古着・ベビーウェアの拠点回収・展示提供は他市にない取組みです。

 家庭系ごみについては、約4000人のごみゼロリーダーに、地域でガレージセールなどごみ減量に取り組んでいただいています。
 事業系ごみについては、大規模建築物で廃棄物管理責任者を定め、減量計画書を提出いただきごみ減量に取り組んでもらっています。

 平成3年度のピーク時には217万トンありましたが、平成19年度では150万トン近くまで減りました。およそ70万トンの減量ができたことになります。

 
(黒田)
 ピーク時に比べるとかなりごみは減っているが、まだ課題はあるということですね。

 金丸さん、環境省の主要な取組みは?また、フェニックス事業をどう評価されていますか?


(パネリスト 金丸康夫 環境省大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部企画課長)

 一般廃棄物は、平成18年度に5203万トンで、平成12年度以後減少となっています。
 産業廃棄物は平成17年度で4億2200万トンと桁が違います。

 エコタウン事業を平成18年12月現在で26地域を承認しています。

 フェニックス事業については、全体として近畿圏の廃棄物の適正処理に著功があると感じています。


 
(黒田)
 福田さんには、同様に、フェニックス事業をどう評価されているか。



(パネリスト 福田功 国土交通省港湾局 国際・環境課長)

 非常に優れた合理的なシステムであり、この仕組は維持していくべきだと思っています。

 阪神淡路大震災の280万トンの廃棄物を即座に処分することができたので、早期復旧が可能となった。

 今後の埋立地は水深が深くなりますが、水深の3乗で経費がかかるのが課題です。

 
(黒田)
 上嶋先生は、日が届き藻場が育つ緩傾斜護岸を研究されていますが、その辺で一言。

 
(パネリスト 上嶋英機 広島工業大学大学院教授)

 瀬戸内海は直立護岸ばかりなんですね。
 大阪湾は浅場がありません。緩傾斜護岸は光合成できるように考えられています。

 こうしたエコ護岸は、世界中に広がっています。特に中国の護岸は大変なことになっているので、エコ護岸の普及に力を注いでいきたい。

 

 
 花田先生にも、ごみを減らすライフスタイルとは、どのようなものなのか、お伺いしたいのですが?

 

 
(パネリスト 花田眞理子 大阪産業大学教授)

 人が動く要因としては、(1)モチーブ(欲求)と(2)インセンティブ(誘因)の二つが必要です。
 おなかがすいているという欲求のところに焼き鳥のいい匂いという誘因があって、のれんをくぐるという行動につながるように。

 「環境行動」でも同じではないかな、と思うんです。それを私は「お得で、楽しく、美しく」と表現しているのですが。

 環境に配慮した者もそうでない者も税金で一律に処理されてしまうシステムが公平なのか?環境に配慮した者が報われる、得をするシステムづくりが必要だと思います。

 ごみは、決められた日に分別して家から出してしまえばそれで終り・・・と考えられがちです。教育は大切だと思います。
 ドイツでは1970年代から環境教育が始まり、その世代が親になってから効果が出てきました。

 私の大学ではドイツなどの交換留学生がいます。大東市では生ごみは分別しなくて良いのですが、その子は分別してコンポストにしないと気持ちが悪いと言って自分でバケツを買ってきて分けています。理屈ではなく、分別しないと何となく気持ち悪い・・・・・そうなれば理想だと思います。


(黒田)

 いくら分別しても、ごみが完全にゼロになることはないと思いますが、その辺、最終処分地で苦労された自治体の立場で高木さん?

 
(高木)

 昭和40年頃、ごみ量増加に工場建設が追いつかず、一部埋め立てをしていました。花博の会場も、元は内陸の埋立地です。
 大阪市も昭和55年にようやく全量焼却体制が整いました。

 大阪市の自前の処分地は平成26年にはなくなります。フェニックスが大きな存在であることは間違いありません。

 大阪市では新聞・雑誌などは集団回収で資源化しています。行政で回収したらいいじゃないかとも言われるのですが、民間に任せようという考え方をとっています。
 また、ごみを減らすには手数料を上げたら良いという考え方もありますが、不法投棄が増えるのでは?という心配もあります。


(黒田)

 自前で処分というのも苦しい。公的な海域に処分地は求めざるを得ない・・・・ということで問題は継続の仕方なんだと思います。
 料金を上げるだけでもだめ・・・ということで、そこへ行く前に海外の事例が参考になるのでは?と思うのですが、その辺を上嶋さん?

 
(上嶋)

 灰のエコセメント化施設も実施できる場がないと駄目です。

 アメリカではチェサピーク湾が浚渫で汚染されカキが全滅しました。そうしたことを契機にハートミラー島では人間が住まない島として整備されました。
 1箇所だけ市民が入れる場所があります。市民はエコツーリズムを楽しむことができるのです。

 
(黒田)

 狭間さん、埋立地の跡地利用について、一言。


(狭間)

 先ほどから危機感が募ってますので夢のある話をしたいと思います。

 埋立地は孤立している、アクセスがないのが特徴ですね。また、広大ですが掘り返すのはつらい。どうしても平面的利用ということになる。
 となると、一日、非日常的空間で自然と触れ合えるスペースにするのが良いのではないでしょうか?
 
 中心市街地の再生ということで都市の高密度化があげられると思います。拡散した郊外都市をコンパクトにして、中心部は車がいらない、どこでも歩いていけるようにする。
 そうして空いたスペースは自然を取り入れる。
 堺の73区でも100年計画で「森をつくろう」という運動が起こっています。


(黒田)

 横山さん、次期埋め立ての展開の可能性は?

 
(パネリスト 横山隆司 大阪湾フェニックスセンター副理事長)

 運搬距離が長くなりますと経費も高くつきますし、環境面でも悪影響が出ますので、どうしても近畿圏で・・・ということになります。
(1) 神戸が埋立免許を取っている処分場周辺
(2) 大阪沖処分場の拡張
(3) 堺73区の沖側
(4) 岸和田市・忠岡町の貯木場。小さいのですが、サブには使えると思います。
(5) 阪南4、5、6区
(6) 関西国際空港周辺。ここはごみ発生点から遠いことと、国際旅客の出入りする所で臭いの問題が出ないか?が課題です。

 いずれにせよ、変更できなくなってから示すのではなく早めに情報公開したいと思います。

 
(黒田)

 ファイナンスの部分で問題が出てきていますが、福田さん、スキームの点ではどうでしょうか?


(福田)

 建設事業者が2/3を支払うメリットが出にくくなっている。ならば、受益者が応分に負担するシステムをつくる必要があると思います。

 跡地利用の点も含めてオープンに議論していただくことが必要ですが、あまり時間はありません。



  

 どうもお疲れ様でした。

 
  

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