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(08) 「ごみ」から考えるわたしたちのくらしと環境問題 大阪湾フェニックス計画フォーラム 聴講記 その1

 平成20年10月26日(日)、海遊館ホールで開催されたフォーラムに応募して聴いてきました。


1.基調講演 花田眞理子氏(大阪産業大学教授、財団法人大阪市環境事業協会環境特使)
「地球温暖化対策とごみの減量について」

 2007年には「地球温暖化」ショックが吹き荒れました。
 その要因はIPCC 第4次評価報告書です。

 これは簡単に言うと2500人の専門家の協力を得て地球温暖化に関する知見をまとめたものです。

 ここでの主要ポイントを挙げると

(1) 地球温暖化の進行が加速している。
(2) 地球温暖化の主因は人間の活動である、の2点です。

 また、ゴア元副大統領の「不都合な真実」も話題となりました。

 IPCCとゴア氏に2007年度のノーベル平和賞が授与されました。

 環境問題になぜ平和賞が?とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、地球温暖化は安全保障に関わる問題なのです。

(石野注 地球温暖化は大規模な人の移動や資源の争奪戦を招き、地域紛争や戦争の危険性を増大させる可能性がある)

 2008年といえば、やはり7月の洞爺湖サミットですね。

 このサミットでは3Fが課題と言われていました。
 一つ目がFUEL。燃料ですからエネルギー問題です。
 二つ目がFOOD。食糧問題です。
 三つ目がFINANCE。いわゆるサブプライムローンの問題です。
 サブプライムは住宅ローンですから、私はこれを衣食住ならぬエ(ネルギー)・食・住と呼んでいます。ライフスタイル全般に関わる問題ですね。

 特に環境問題のテーマとしては
(1) 地球温暖化問題
(2) 生物の多様性
(3) 3Rの推進の三つが重要です。

 突然ですが、エコクイズを出題します。私の講演はただ黙って聴いておればよいとゆうものではなく、会場の皆さんにも参加していただきます。

Q 地球の平均気温は15℃です。それでは、金星の平均気温は何度でしょう?
A1 −18℃。冷凍庫なみ。
A2 15℃。地球と同じ。
A3 80℃。美味しいお茶を淹れる時のお湯の温度。
A4 465℃。オーブンの中の温度ですね。さあ、どれでしょう?

(聴衆に挙手を求める。私は4番に手を挙げた。4番がかなり多かった)

 正解は4番です。これは「水金地火木・・・・・・」で金星は地球より太陽に近いから、という理由で選ばれた人が多いと思います。もちろんそれもあるのですが、より重要なのは、金星の方が温室効果ガスがとてつもなく高濃度からなんです。

 ちなみに−18℃で挙手された方は、別のことが頭に残っていたのかもしれません。
 というのは、−18℃というのは、もし地球に温室効果ガスが全く無かった場合の平均気温といわれています。

 つまり、地球は、気温や水、大気などが絶妙のバランスで構成された奇跡の星であるから生命が誕生できたんですね。

 地球の気温は若干の変動はありつつも概ね安定してきたのですが、1980年代の半ばから急上昇してきました。これはいわゆる産業革命の時期です。
 そして、この上昇カーブは2000年前後にさらに高角度を描きました。これは高度経済成長の時期です。

 200年前CO2濃度は280ppmでしたが、現在では380ppmを超えています。

 これはヒマラヤ氷河の写真です。およそ20年間での変化をご覧下さい。
(定点撮影した氷河の写真。昔の写真はずっと上まで氷だが、現在の写真はすっかり溶けて崖などがむき出しになっている)
 この氷河が溶けて湖になっているのですが、いつ決壊するかわからず、不安におびえている住民もたくさんいます。

 過去40年で自然災害による経済損失が10倍になったというデータがあります。私たち経済学者は、いやらしいことに、こうゆうことを災害保険料の支払額で計るんですね。

 生物多様性の減少は深刻な食糧危機につながります。
 私は昔から、「そのうち九州で米がとれなくなる」と言ってきましたが、それが現実になってきています。

 デング熱やマラリアの保菌蚊は既に日本に上陸していると言われています。冬が充分に寒くないと大流行する恐れがあると心配されています。

 気候変動の枠組みを定める条約が京都議定書です。
 日本は90年比で6%CO2排出量を削減しなければならないことになっていますが、現在は逆に6%増の状態です。

 地球上で化石燃料から年間72億トンCO2が排出されており、自然が吸収できるのはそのうち31億トンにすぎないとされています。要するに約6割は大気中にたまっていくということです。今後、CO2排出量を半分以下にすべきといわれています。

 「生産→消費」のPROCESSには資源・エネルギーのINPUTが必要です。ところが、それだけでなく、PROCESSからは廃棄物・炭素のOUTPUTも必要になってくるのです。

 ここで重要になってくる考え方は
(1) INPUT/OUTPUTの最小化
(2) 環境効率の向上です。

 投入する資源量をできるだけ少なくする。そして、廃棄物になる前に「ちょっと待ったぁ〜」で戻す、リサイクルする。つまり「出入りを制して、回せ、回せ」です。これが循環型社会の構築につながります。

 また、環境効率のUPは、持続可能な社会の実現につながります。

 注意しなければいけないのは、廃棄物処理や下水処理はCO2大量排出事業ということです。都内原油換算エネルギー利用量上位50社に下水処理場が10、焼却工場が3入っています。
 しかし、ということは私たちがライフスタイルを見直して、ごみや下水を減らせばCO2を大きく削減できるということです。

 省資源、省エネルギー、LOHASでクールエコでいきたいですね。では、突然ですがエコクイズの2問目です。

Q カッターシャツ1着つくるのに1.5リットル入りペットボトルが何本必要でしょうか?

A1 → 1本 A2 → 3本 A3 →5本 A4 → 8本

(私は2か3か迷ったが、3で答えた)

 答えは2です。効率が上がり、最近では2本少しで1着できるようです。ただ、気をつけなくてはいけないのは、いくらリサイクル率が上がっても生産量が増えれば結局廃棄量は増えてしまうということです。

 ですから、3Rの中でも一番大事なのがごみを出さないReduce(排出抑制)。次に大事なのがごみにする前に再使用するReuse。そして、最後がごみとして出すなら原料などに再生利用するRecycleです。

 3Rの中でも上流の2Rが大事です。これを大阪市は廃棄物処理基本計画で面白いキャッチフレーズをつくっています。「”なにわ”ともあれ ごみ減量は 『上方(かみがた)』から」。上方というのが、「なにわ」と上流対策の2R優先に掛けています。

 日本人は元々、一般人は反物から着物をつくったりしませんでした。古着を大変活用したのです。
 古着も簡単に捨てたりしませんでした。オムツにしたり、雑巾にしたり。とことん使い切って捨てた後も灰をあく抜きに使ったりしました。

 ところが今では日本国内で食べ残しが700万トン発生していると言われています。家庭ごみの40%が食べ残しで、そのうち14%は全く手付かずの状態で、食べ残しの価値は年間11兆円にのぼるとも言われています。

 経済成長とグローバリズムの調和が重要です。これまでのコンセプトは「より速く、より多く、より手軽に」でした。
 しかし、地球のエコシステム、キャパシティを考えることが必要です。
 この時、重要なのが「自分以外」を感じることができる能力だと思います。自分のことしか考えないのであれば、環境配慮も進みません。将来の子孫に美しい地球を残したい。でも、未来のこどもたちも、自分ではないですね。
 地球は人間だけのものではないというのも感じることができるか。
(石野注)
 自分以外を感じることができる能力が大事という言葉に、大江健三郎氏の『核時代の想像力』の「想像力の欠如した人間はアウシュビッツを何度でも繰り返す」という言葉(いま、この本が手もとにないので、正確な引用ではない)を連想した。

 想像力云々というのは、自分がやっている行為が、もし自分自身に対してなされたらどのような状態になるだろうかとありありと思い描くことのできる能力があれば、アウシュビッツや南京虐殺や原爆投下や、そうした行為を繰り返すことはできないという意味で解釈している。

 エコ・コンシャスという言葉を最近私はよく使っています。スローライフという言葉にも共通します。

 「ごみ」になるものを買わされないことです。不要な包装、不要な機能。
 「所有」から「機能」に意識を変えましょう。ベビーベッドとか、上手にレンタルなどを利用することです。
 そして、環境に努力する店、生産者、行政を応援することです。

 環境はビジネスチャンスでもあります。最も関心のある言葉は?というアンケートに対し「環境」は55.9%で1位です。国民の意識は確かに変わってきています。

 温暖化による損失はGDPの5〜20%と言われています。これを防ぐためにGDPの1%を対策にあてればよいとも言われています。

 環境、環境といってあまりストイックになり過ぎず、お得で楽しく、美しく、環境のことを考えていきたいですね。

 



2. 原田伸郎 環境トークショー

 会場後方からにこやかにステージに登場した原田氏。

 とりあえず地球がえらいことになっているな、と感じまして。

 ゴアさんが「人間がやったことは人間で戻せる」という言葉が好きで。

 自分のできる事でやれる事をやろうと思ってるんです。

 歯磨きの時、水を流しっぱなしにしないとかね。my箸とか。
 このお箸、竹なんですけど、いろりの煙でいぶされた竹なんです。

 前にはチタンの箸使ってたんですけど、飛行機乗るとき金属探知機で引っかかるんです。で、プロゴルファーの古閑美穂さんにあげました。

 一緒に番組の収録してる時、お弁当食べるのにmy箸使ってると古閑さんが「へぇ〜?my箸ですか?」って。で、それを古閑さんのブログに書いて、また拡がっていったんです。
 こうゆうのがいいと思うんです。

 いろりでいぶされた竹というのは、以前読んだ『美味しんぼ』の一作品を思い出した。確か、陶芸家か何かの若夫婦が古い家を買い取って田舎に住んだ。しかし家の維持費がかさむので山岡に相談。山岡は、いろりの上の竹で組まれた格子を見て「これは一財産だぞ」と茶人を紹介。
 何十年も囲炉裏の煙で燻された竹は、茶杓などにすると素晴らしい味わいがある。今時、めったに手に入らない大変な値打ち物だ、この竹は高価に買い取るし、君の作品もなかなか見所があるから美術商に紹介してあげようということになって、めでたし、めでたしってな作品だったと記憶している。

 このような会話が続けば環境トークショーに相応しかろうが、後は、大阪湾フェニックスセンターの職員に質問する、という形で、要は、大阪湾フェニックス計画のパンフレットに書かれている内容を紹介するというものであった。

 「環境トークショー」と銘打つにしては、言葉は悪いがやや竜頭蛇尾だったかな、と思う。

 後の主なやり取りについては、表形式で簡単に紹介しておきたい。



 フェニックス計画とは?  近畿の自治体や港湾管理者が出資して、近畿圏から発生する廃棄物を最終処分する事業
 どれだけの地域のごみを受け入れているのか?  近畿2府、4県175市町村、約2000万人のごみを受け入れている。
 埋立処分場はどれだけあるのか?  尼崎沖埋立処分場、泉大津沖埋立処分場、神戸沖埋立処分場が稼動しており、現在建設中の大阪沖埋立処分場が平成21年度から受入開始予定。
 なぜ「フェニックス」計画か?  埋立により、ごみが緑の土地に不死鳥のように生まれ変わるから。
 フェニックス計画の歴史は?  計画は昭和57年に始まった。25周年にあたる。埋立は平成2年から受入開始。
 これまで7900万トン埋め立てた。
 フェニックス計画の仕組は?  港湾管理者が、埋立のための護岸を建設する。
 護岸内に、近畿圏のごみや土砂などを埋め立てる。
 埋立により造成された土地は港湾管理者が活用する。
 現在の処分場は、いつまでもつのか?  3R推進で最終処分量は減少傾向にあるが、計画では平成33年度で満杯になることになっている。
 今後の計画はいつ決めるのか?  建設から受入まで10年くらいはかかる。平成33年度に満杯になるということは、そろそろ次の計画が必要である。
 近畿2府4県のごみの特徴は? (1) リサイクル率は他地域に比べ低い。
(2) 産業廃棄物の不法投棄は少ない。



  

 どうもお疲れ様でした。

 
  

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