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(No272) 扇町寄席&笑神降臨 TV鑑賞記  
          

 扇町寄席再放送の雀々「手水回し」は2011年9月11日か?笑神降臨、古今亭菊之丞は9月16日、立川談笑は9月23日。



桂 雀々 「手水回し」

 本放送は2009年1月11日の放送。収録は2008年中だろう。

 そのせいか、高座に上がるなり

「明けましておめでとうございます・・・・・・・・・・・・・かな?」

 

 
 サービス業ゆうのは、言葉使いが難しいですねぇ。

 前、レストランに行ったんです。ああいうとこは、水やおしぼり持ってきてくれて、「何なさいます?」とか注文訊いてくれる。

 でも、ようけおるとね、ついつい、自分でも気ぃつかんと言い間違ったりするんですね。

 そん時も、「何なさいますか?」と言わなあかんのに、なぜか「何さらします?」

 
 手水鉢というように「洗面用具を部屋まで持ってきてくれ」というのを「手水を回してくれ」というのだが、それが田舎の宿では通じない。

 客に言われたが意味を確認すると馬鹿にされると考え、物知りの住職に尋ねたところ「ちょうずとは長刀と頭痛で分るように長頭である」と教えられ、近郷でも有名な長い頭の男を呼んでくる。

 長い頭を間接的に表現する、客の視線の描写はまずくはない。
 長い頭を回す時の、手の添え方も枝雀師匠譲りではある。
 観客もよく笑っていた。

 しかし、回す時の「♪ちょうずを回しますぅ〜 長い頭が”ちょうず”だよぉ〜♪」という歌は決定的に無駄だよな。

 それを聴いてりゃ、客も宿屋の誤解の内容が分っちゃうだろうし。

 

 客席はよく受けてました。でも私は嫌いです。

 


古今亭 菊之丞 「法事の茶」

 
 録画ミスで前半は少し切れた。

 お茶をいれる時、特定の人物を呼び出せる・・・・という設定。

 美川憲一が出てくるところなど、単に自分が物真似をしたいだけなんじゃ?って感じ。

 

 


古今亭 菊之丞 「町内の若い衆」

 
写真:2席目「町内の若い衆」  略語関係がマクラ。

 コンビニ・・・・・って近藤ビニール店?
 ブルマン、レスカで、ある先輩がクリームソーダを「クソ」と言った・・・・という小噺は、古いし、汚い。

 本編は、兄貴のおかみさんの「うちの主人の力じゃないの。町内の若い衆が寄ってたかってこしらえてくれたようなもの」と謙遜したのに感心したアホが、自分のかみさんに「お前はこんなことを言えるか?」とイヤミを言う。

 訪問客に世辞を言われたおかみさん、妊娠していることの祝いを言われ「町内の若い衆に寄ってたかってこしらえてもらったようなもの」と答えるのがサゲ。

 


立川 談笑 「壷算」

 「改作落語」ということで、古典の改作を売りにしているようだ。

 これも水壷を買いに行く話を、地デジ化で薄型テレビを買いに行った噺に改作。
 

 50型テレビが欲しいが、予算は10万しか持っていない男が、買い物の指導を兄貴分に頼む。

 一荷入りと二荷入りの水壷の大きさの違いをテレビのインチ数で表現する。 

 配送料を、自分たちで負担するから(普通の「壷算」」はおうこ、天秤棒持参で、今回の噺では軽トラで来てる・・・という設定)その分まけて、とか、店の買取で返品がきかないなら仕入れ値だけ引いてくれといった複雑な交渉をする。

 通常の「壷算」より値引き交渉の中身が分りにくい。

 要するに改作のメリットが感じられず。 

 



立川 談笑 「蝦蟇の油」

 これも改作なのだが。

 
写真  まずはオーソドックスに、口上やタンカ売(ばい)がうまく行ったところを演じる。

 その後、それをスペイン語か何かでやるというもの。その台詞が合ってるのやら、違ってるのやら、さっぱり分らない。
 枝雀師匠などの英語落語などでは、日本語の原典と英語に翻訳された噺を比べ、ああ、あの噺のここを英語で表現するとこうなるのかぁ・・・と感心したりする場面があるが、全く知識のない言語だととりあえず「ああ、立派やなぁ」と感心せざるを得ず、聴いている者にコンプレックスを感じさせる。 

 酔っ払った後で失敗する段では、どこがどう有効に改作されたのか分らない。

 血が止まらず「お立会い。糸と針はお持ちでないか」というサゲも、「改悪」ではないか。
 


 

 どうも、お退屈さまでした。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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