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(No266) 演芸図鑑 & 扇町寄席 TV鑑賞記  
          

 演芸図鑑、扇町寄席とも平成23年4月10日(日)の放送(・・・多分)。

 



立川 志らく 「金明竹」

 人を食ったような表情で高座に登場。
 花粉症で鼻水が出て、のどが痛くてね。声が出ない。

 声が出ないとゆうと、師匠の談志が全然声が出ませんでね。

(談志の口調で)
「え〜〜 人の悪口ばっかり言ってたら、声が出なくなっちゃった」


「与太郎、おめえは何だって、のべつ鼻ぁ垂らしてんだ?」
「いや、あたいの鼻は、掘り抜きの井戸みたいなもんでね。ずっと出てるから、いくら鼻かんでもきりがないから、ほってるんだよ」
「紙はムダにすんじゃないよ。鼻かんだら、そいつぁ乾かしといて、後で便所で使うんだ」
「ああ、こないだやってみたんだけどね。順番間違えてさ。便所で使った紙を乾かして鼻かんだら、臭かった」
「バカだね。あ、そうだ。さっき、おめえ、赤ん坊に何か食べさせてたろ?何、食わしてたんだ?」
「ああ、かかとの皮。ずいぶん泣いてるからね、かかとの皮やったら、泣きやんだ」
「腹ぁこわすよ。そう言や、
(おかみさんに)お前も何か食べさせてたね。何をやってたんだい?」
「・・・・かかとの皮」
「伝染ったのか?ちょっと用足しに行ってくるから、店番頼むよ」

 

「ハロー、ハロー」
「え?わ!黄色い髪!外人さんだよ」
「ぅわたぁしは、大阪の佐吉とこで働いて〜る アメリカ人で〜す。

 だなはんは?(旦那さんは?)」
「だんだんだん?」

「あぬぅあたは、でち
(丁稚)ですかぁ?」
「電池?
(頭と尻でプラス極とマイナス極の格好をする)

「弥市の取り次いだぁ道具七品、祐乗
(ゆうじょう)光乗(こうじょう)宗乗(そうじょう)三作の三所物(みところもん)
 備前長船
(びぜんおさふね)の脇差ぁしぃ、だなはんは、古たがやて言いはりましたが、あら、うむぉれぎい(埋れ木=うもれぎ)やさかい、木が違(ちご)うとりまっさかい、念のため、ちょっとお断り申しあげまぁすう。

 次は、のんこの茶碗、黄檗山金明竹。ずんどの花活(はないけ)。ふるうぃけぁや〜かわ〜ずぅとびぃこむぅみぃずぅ〜の おとぉ〜って申します。
 沢庵木庵隠元禅師
(たくあん・もくあん・いんげんぜんじ)張りまぜの小屏風(こびょうぶ)、あら、兵庫の坊主の好みます屏風じゃにぃ〜よって、表具にやり、兵庫の坊主の屏風になりますと、かよう、お言伝え願いまぁす

「おもしれえ奴だな。1銭やるから、もういっぺんやってくれ」
「わたぁ〜し、モノモライじゃありませ〜ん」
じゃあ、結膜炎か?

「仕方ありませ〜んねぇ。じゃあ、もう一度言いますよぉ」
(と、繰り返す)

「おばさ〜ん、不思議な宣教師が来たよ〜」
「何、失礼なこと言ってるの!
(おかみさんが出てきたが外人に驚き)

 あ、すいません。この子は、親戚から預かってる愚かしい子で・・・」

「オー、プアー ボーイ?」
ぷわぷわのボインを見せろ?」
「おいえはんでっか?」
「お湯屋から出た?」

「フー ア ユー?」
「粥を恵んでくれ?」
「ワッチャ ネーム?」
「茶も恵んでくれ?」

「おかみさん、でっしゃろ?」
「狼とエシャロット?変なグリム童話?

 あ、そうだ。与太郎。お茶を出しといで。

 あの、すいません。ちょっと与太郎に話をしてまして、少し聞き逃しまして、もう一度言ってもらえませんか?」
「あのねぇ・・・・・わた〜し、あのプアボーイに二度、おかみさんに一度言いましたよ。
 これがラストチャンスで〜す。OK?」
「カモン、カモン」

(もう一度繰り返すが、やはり、さっぱり分からない)
「やい〜ち!ご存知でっしゃろ?」
リオデジャネイロ?
(呆れたように一方的に別れを告げる)
「シー ユー ネクストタイム バイバ〜イ」
西友でネクタイが買いたい?

 あっ、待ってください。・・・・・もう!与太郎、あんたがお茶を出してくれたら、もう少し引き止められたのに・・・」

 

「今、帰りましたよ。誰かお客さんだったのかい?」
「それが・・・・・・・大阪なまりとアメリカなまりが混ざって・・・・・少し分からないとこがあって・・・・」
「まあ、少し分かるとこがあったら、それを手がかりにするから」

「ええ・・・・・お湯屋さんから出た・・・刑事さんなんです」
「刑事?張り込みか何かか?」
「ぷわぷわのボインを見せろて」
「そんなこと言ったのか?」
「粥と茶を恵んでくれって」
「ああ、張り込みで腹が空いたんだろう」

「弥市が、気が違
(ちご)うたそうなんです」
「大変だな」
「遊女になって、のんこのしゃ〜。ずんど
(寸胴)斬りにしたそうで。

 親船に乗って逃げた」
「どこへ?」
「リオデジャネイロへ。でも兵庫に着いて・・・・・・・西友でネクタイ買いたい・・・・・?」
「一体、どうなったんだい?」
「古池に飛び込んだんです」
「ああ、とが人の末路は哀れなもんだからね。
 しかし、困ったな。弥市には道具七品を買うように言い付けてたんだが、そりゃ、買ってのことかな?」
「いいえ。かわ〜ず
(買わず)です」

 もともと早口の大阪弁が聴き取れないという噺だが、そこにアメリカなまりまで突っ込むという「てんこ盛り」。

 志らくは、そう言えば少し外国人っぽい顔だから、しっくり来ていた。

 

 



林家 染丸 「豊竹屋」

 音曲上手の染丸お師匠はんにぴったりの噺だなと思った。
 落語ブームなんて申しましてね、今、落語家が250人ほどいてるそうです。

 私が入門したんは16歳の時でしたが、そん時は30人ほどでしたからね。入門して、もう20年ですか・・・・・・・・・。ウソでございます。
 早いもんで還暦です。嫁さんは一つ下でね。私は丑年で、嫁さんは寅でね。それもただの寅やおまへん。
 五黄の寅ゆう奴で。こないだ寝てたらゴォ〜!!ってえらいイビキ。やっぱ五黄の寅やなって。

 この頃は物忘れがひどなりました。だぁ〜っと探しもんに二階に上がって、何探すんか忘れたりね。

 嫁はんともね、
「あの・・・・こないだのあれ、ちゃんと何してくれたかな?」
「何?え?ああ、あの何?それやったら、ちゃんと何しといたよ」
「あっ、そう。ちゃんと何してくれた?そら、おおきに」・・・って何のこっちゃ分からへん。

 

 いろいろ稽古事もありまして、一度八方ちゃんと三枝君が踊りの稽古に行ったことがあってね。
 あの三枝君ゆうのは、なかなか器用な男でね。ちょっと見ただけで、けっこう上手に踊る。せやから、踊りの師匠も「ああ、三枝さん、なかなかええ筋したはる」。

 で、八方君ゆうのは、決して器用な人間やないのでね。師匠の方も、どうやって誉めよか思てるうちに、終ってしもた。せやから、しゃあないのでねぇ、「ああた、ええ浴衣、着てなはる」。

 文楽、義太夫ゆうのは、とにかく大層な芸でねぇ。ごっつい見台に、こんな分厚い本。そうゆうのも、こ〜んな大きい字で書いてるさかい、あない分厚ぅなるんで。あんなんワープロやったら2ページで終ってまう。

 前にも書いたが、豊竹屋という噺は、ダジャレばっかりみたいな、あまり面白い噺ではない。

 さすが、同じ「口三味線」でも、三味線上手の染丸お師匠が演ると一味違うなぁ・・・・・と感心したいとこだったが、やっぱり染丸師匠が演ったところで「ジャー ジャー シャボン、シャボン」とか「セッチン、セッチン、セッチン」てのは面白くない。

 


 どうも、お退屈さまでした。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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