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(No261) 第四回 さん喬・松喬二人会 鑑賞記 その3   
          

 平成23年7月30日(土)、大阪市立こども文化センターで開催された落語会の鑑賞記。

 



笑福亭 松喬 「馬の田楽」

 中入後、松喬は、今度は普通の着物姿で登場。
 
  私が何であんまり「三十石」をやらんかと言うと、中腰になるから身が入って最低1週間は足がつって、つってしゃあないからです。

 ネタは東京落語の方が多いですな。私ら、今日の「佃祭」なんて1回か2回くらいしか聴いたことない。

 終わったら、早速着替えて、後で聴かせてもらお、思ってたら、関係者が「入場料は?」言いよる。
 せやから「袖で結構です」て言いました。


 で今の子どもはよぉ言葉知ってますな。で、遊ぶゆうたら大概、家の中。
 昔は家の中いてんのは病人だけやったけど。

 私ら小さい自分は缶けりばっかやってました。40人くらいで。
 私、ガキ大将でしたんでね、気に入らん奴がおったら「お前、鬼」。

 40人で缶けりやってたら、誰が見つかって、誰が見つかってないか分からんようになる。で、ぼぉ〜ん!と蹴られて、一日中鬼やってなあかん。
 そうやっていじめてやったもんです。
 ほんでも「高田の息子が・・・」とかゆうてくる親はおらなんだ。

 ただ、いっぺん、石投げたらたまたま頭に当たってね、血がびゅ〜っと出たから怖くなって逃げて帰ったことがあったんです。
 そしたら、さすがに親が文句ゆいに来た。

 うちの親父が、ていねいに謝って、で、私、怒られるんのか思ってたら、
「風呂、行こか」ゆうて。
 で、風呂の中で、静かに「やってもたことはしゃあないけど、これから絶対人に傷をつけたらあかん。ええな。分かったな」

 冷静に言われると余計こたえて、覚えてるもんです。
 それが、うちの松鶴みたいにわぁ〜!!言われたら・・・。

 でも、松鶴の偉いとこは、いったん叱ったら10分たったら二度と触れない
 一度怒ったらしまいなんです。
 これは偉い。私らなかなか真似できません。
 ついつい「こないだも、ゆうたやろ!」て・・・。

 昔は荷物運ぶのに牛や馬を使ってましたから、どこの町にも腕木ゆうて、馬などをつないどくとこがあったそうで。
 ある馬方が荷物届けに来たんですが、きっちり綱を結んどきゃええもんを、すぐに終わるから・・・とくるくるっと腕木に巻きつけただけでほっときよった。

 近所の悪がき連中が、
「みな、出てきなはれ」
「何でんねん」
「山源とこに大きなおんまちゃんがつながれてまっせ。
 今日はあのおんまちゃんで遊びまひょ」
「どないして遊びまんの?」
「おんまちゃんのぽんぽんの下くぐって遊びまひょ。
 松っちゃん、やんなはれ」
「わたい、身体大きいけど、肝っ玉小さいんでんねん。
 よぉしまへん」
「ほな、竹ちゃん、やんなはれ」
「やってもよろしいけど、ごほうびは?」
「ごほうびて、わたいらお子たちで、ごほうびやなんて・・・。
 あっ、わたい、お芋さん持ってるさかい、おんまさんのぽんぽんの下くぐれたら、お芋さんあげましょ」
「ほな、わたい、やりまっさ。
 あっ、痛!」
「どないしなはった?」
「ぽんぽんの下くぐろう思ったら、腕みたいなもんに当たりました」
「ああ〜、それ、おんまちゃんのドデンだす。
 おんまちゃん、普段は何ともないけど、きゅうにドデンが出てきますねん」
「わたい、途中まで行ったから、お芋ちゃん、半分おくんなはれ」
「そんなん、向こうまで行かな、あげられまへん。
 それよか、ドデンが当たったとっからクサ
(できもの)がでけて、頭腐りますえ」
「ええぇ〜?わたいの頭、腐りますのん!」
「ウソや、ウソや。

 ほたら、もうおんまちゃんで遊ぶのんやめて、トンボつりしまひょか?」
「しやけど、つな糸がおまへんで」
「おんまちゃんの尻尾の毛ぇ、抜いたらよろし」
「そんなん、ぽんぽんの下くぐるだけで、ドデン出まんのに、尻尾の毛ぇ引っ張ったら、後ろ足で蹴られて死にますえ」
「あ、向こうから友吉っとぉんが来ましたやろ?あの人、ちょっと頭が弱いから、おだてたら何ぼでも抜いてくれま」

 悪いガキがおったもんで、友吉、おだてられて、馬の尻尾の毛ぇ20本もびっ!と引き抜いたら馬もたまらん。
 ひひぃ〜〜んんと大きくいなないて、棹立ちになったか思たら、荷ぃかついだまま、とっとことっとこ歩き出しよった。

 

「すんまへ〜ん!すんまへ〜ん!!ちッ、おらんのんかいな?何や、奥で物音はしてんねんけどな。すんまへ〜ん!!!」
「ああ、こりゃこりゃ、どうも。ちょっと奥で手ぇの離せん用事があったもんじゃて、何の御用ですかな?

 あ、荷ぃでっか?ちょっと書付を・・・・・え?味噌樽二丁?そんなもん、うちゃ頼みゃあせんが・・・」
「頼まんて、あんたとこは山源やろ?」
「確かに、うちゃあ山源、山形屋源兵衛じゃが・・・・・・ああ、やっぱり、これは同じ山源でも山本屋源吉じゃ。よそじゃよ」
「何、違うんかい。ほな、先、言わんかい。いやほど待たせやがって・・・・・・」

(ぶつぶつ言いながら外に出てきたが)
「馬、おらへん!!・・・・・・・何じゃ、あのガキら、こっち見てニタニタ笑(わろ)てくさる。
 おい!そこのガキ!」

「皆、知らんふりしまひょ。返事したらあきまへんで。わてら、お子たちつかまえて、ガキて馬鹿にしてからに・・・」
「返事しよらへんがな。しゃあないな・・・・・あの、ぼっちゃん、ぼんぼん・・・」
「何でやす?」
「ここにおった馬知らんか?」
「ああ、そこの馬やったら、わたいら、今日、どこで遊びまひょか、ゆうて・・・」
「いや、そんなことどうでもええねん」
「わたい、こっからやないと、よぉ言わん・・・」
「あ、あぁ。分かった、分かった」
「おんまちゃんのぽんぽんの下くぐって遊びまひょか、ゆうて・・・」
「しやから、そんなことどうでもええてゆうてるやろ!」
「・・・・・・・えろぉお急ぎの様子やから、何やったら、よそでお聞きになったら・・・・」

 ようやく友吉が尻尾の毛を引き抜いて逃げ出したことを突き止め、追いかける。

 次々に大人に聞くが、さっぱり要を得ない。ようやく、見込みのある男がいたが・・・・。

「びっくりしたなぁ。馬が味噌樽さげて歩いてる。馬方なしに一人で用、足せる馬がいるんじゃあって感心してよぉ」
「ああ、それです、それ・・・」
「話、聞け!そしたら、その馬が草、食べ出してよぉ。こら!用事、遅れるでねぇか!って持ってたほうきで、思いっきりケツひっぱたいたら、すごい勢いで東、向いて走り出しただよ」
「何をすんねな。もう!

 おらんがな。どこまで行ったんやら。・・・・あ、大将?」
(酔っている)「何ぃ?大将?わいは兵隊行ってへんぞ!」
「ほな、親方!」
「わいはお前みたいな子分、持ってへん」
「難儀やな。あの、お宅、馬知りまへんか?」
「・・・・お前、その年になって、馬知らんの?」
「いや、ちゃいまんねん。あの、そう!味噌つけた馬!」
「ははは、わい、今まで、馬の田楽、食うたことない」

 

 

 松喬にしたら、軽めに流した感じであった。

 



 

 


 

 どうも、お退屈さまでした。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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