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(No237) 上方演芸ホール TV鑑賞記  
          

 平成23年2月13日(日)の放送。

 



桂 よね吉 「風邪うどん」


 「冬食べるんは、やっぱりあったかいもんでんなぁ」なんて始めるんで、一瞬「鍋」の話になるのかな?と思ったが、それは「ふぐ鍋」のマクラであって、今回はさらっと「うどんなんかよろしぃなぁ」と続けた。
 
 師匠の吉朝の鬼気迫る「風邪うどん」を以前に聴いた。最後の高座「弱法師」の一つ前の高座であった。

 よね吉は師匠の吉朝の「風邪うどん」をベースとしているが、オリジナリティを出しているところもある。

 気づいた点を列挙していく。

(1) 酔っ払いが「けんふん(犬糞)を踏んだ」と言い、うどん屋が「”けんふん”て何だんねん?」と問い返す。
 「くっしゃみ講釈」では、「講釈師、大層な物言いしよんねん。犬の糞のこと、犬糞(けんふん)やねんて」などと言うが、他ではあまり聞かない。

 で、酔っ払いは「え?犬糞て分からん?又の名を”ワンババ”」と、下品な言い換えをしていた。

(2) 酔っ払いがうどん屋に「気ぃつけんと、酔っ払いが訳の分からんことゆうてきたりするよ」と忠告する。

(3) 酔っ払いが別れる時、(吉朝では、「ほながんばってください」と敬礼して「さいなら〜」と言うが)今回よね吉は「日本経済のため、世界平和のため、うどんを売ってください。ばんざぁ〜い!!」と派手に手を挙げて「さいなら〜」と言う。

(4) 最後に一杯だけうどんを注文する男のところでは、特にダシをすする所作が上手く、場内から拍手がわいていた。ただ、ちょっと同じような身振りが重なっていたと思う。

 吉朝は最後に残った短い数本のうどんを、わずか残ったダシを、丼を回して回転させ、そのダシとともに手前に回してすすりこんでいたが、今回よね吉は、丼を傾け、ダシをすすりこみ、丼の向こう側の壁にへばりついたうどんを箸で手前までこそげ落として口に入れるという所作で笑いを取っていた。

 

 ともかく、よね吉は「達者」です。

 


 

桂 文太 「幾代餅」


 TVで観た時「えらい老けたなぁ」というのが第一印象。もちろん文太だけでなく自分も老けてるんだが。

 最近長いこと観てなかったので昔の印象とのギャップが大きかった。

 紺屋の若い者が高尾太夫に惚れるのが「紺屋高尾」で主に三遊亭系が、米屋の若い者が幾代太夫に惚れるのが「幾代餅」で主に古今亭系が演じる。

 以前、古今亭志ん朝などで「幾代餅」を聴いた。

 一応、米屋の清蔵という設定は同じなのだが、えらく丁重に扱われてるんで、最初、小僧じゃなくて息子なのかな?と思ってしまったほどだった。

 恋患いの相手でおかみさんが挙げるのが花屋のキクちゃん、うどん屋のツルちゃん、魚屋のサザエさん。・・・・・・・く、くだらねぇ。

 上方噺なんで、当然吉原の角海老・・・とはいかない。新町吉田屋の幾代太夫という設定だった。

 同じように、身元の誤魔化し方も「野田の醤油問屋の若旦那」とはいかないので「京は伏見の造り酒屋の若旦那」。

 「どこをどう気に入られたか、ゆっくり一晩を過ごしました。どない過ごしたかとゆうのは・・・・・・(手で「銭」の表示をして)別料金となっております」というギャグは私の嫌いなタイプのギャグ。

 幾代太夫も約束を守り、二人で店を出す。普通のあんをつけた餅を幾代餅、胡桃あんの餅を「くるよ餅」・・・・というギャグも漫才の「いくよ、くるよ」をネタにしたものだが、くだらねぇ。

 東京では、「商売繁盛、夫婦仲良く過ごした、めでたし、めでたし」ってな感じで特に「オチ」もつけずに終るのが定番だが、今回は「やきもち焼くなぁ」「いえ、うちの名物は幾代餅。焼き餅はござりまへん」というサゲだった。・・・・・・う〜ん、これもも一つやな。

 

 


 

 どうも、お退屈さまでした。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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