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(No231) 笑神降臨 桂かい枝 TV鑑賞記  
          

 平成23年1月8日(土)放送。

 



桂 かい枝 「ハル子とカズ子」


 よぉこそおいでくださいました。・・・・と言っても、私が一番遠くから来てると思うので、私が一番よぉこそや思うんですが。
 
 大阪から東京来て思うのは、電車ん中のポスターとか見ても、東京はルールを守ろうという意志が感じられますね。

「チカンは犯罪です。絶対にやめましょう」とかね。刑法何条で罰せられます・・・とかまで書いたぁる。

 大阪は違いますからね。ただ、ひとこと。「チカン、あかん」。反省してないやろ! 

 大阪の女性、特におばあちゃんは元気です。今、94歳なんですけどね。10年前からスイミングスクール通てます。80過ぎてから水泳習いだして、背泳ぎで50m泳げるんです。

 こないだコーチの人がね。「おばあちゃん。これやったら三途の川も泳いで渡れるんちゃう?

 コーチもえらいことゆうたけど、そう言われてからおばあちゃん、ターンの練習してんねん

・・・・・・・・帰ってきたら、どうしよう?

 

 このおばあちゃん、こないだ懸賞のはがき、出す前にポストの前でこんなん(うちわを扇ぐようにぶんぶん振っている)してる。
 「おばあちゃん、何してんのん?」て訊いたら「ふるってご応募くださいて、ゆうてた」って。

 

 朝の公園なんて、名前は児童公園とか言いますが、年寄りが佃煮にするほどいてますからね。

「ああ、誰かと思たらハル子さん!」
「ああ、誰かと思たら・・・・・・・・・誰やったかいな?」
「何ゆうてんの。カズ子やがな。この頃何してんの?」
「TVだけが楽しみやわ。NHKのTV小説。『ゲゲゲの女房』面白かったねえ」
「そうそう。今は『てっぱん』が朝の8時と昼の12時45分に大好評放映中・・・」
「そない気ぃ使わんでもよろし。しかし、何やねぇ。あれ見てると、やっぱ昼の方が、慣れてて芝居がまとまってるねえ」
「そうかなぁ。私は朝の方が新鮮でええけど」
「ふ〜ん。やっぱ、好みの問題やねえ」

 

「ご主人、どないしてんの?」
「さあ、鼻毛抜こうとした手ぇが胸に当たって、あばら折れて、それっきり・・・・。
 私、主人の亡骸にとりすがって『ああたぁ!すぐ、そばに行くから待っててやぁ!!』

・・・・・・・・あれから20年やわぁ」

 

「この頃、いろんなもんの使い方がわからへんの。あれ、TVのリモコンゆうの?
 こないだ、家で怖い映画観てて、あんまり怖いから、音小さしょう思てリモコン、こうやったの。
(操作する格好)

 そしたら、TVの画面いっぱいにこんな文字が出たんよ。『おんりょう
(音量。怨霊のシャレ)』って。・・・・ああ、怖わ」

「FAXもわからへんねん。こないだ孫がFAX送ってくれ、FAX送ってくれゆうからニ、三べん送ったんよ。そしたら、孫から電話があって『ばあちゃん、あれ、本体やがな』」

 その孫がこないだ5000円送ってくれゆうから、送ったげてん」
「郵便で?」
「FAXで」

「うちにな、しゃべる体重計ゆうのん、あんねん。うちやったら、『ピピピピ・・・・・43キロです』とかね。

 そしたら、こないだうちのヨメ、こんなん(太っているさまを表す)が乗ったんよ。そしたら『ピピピピ・・・・・一人ずつお乗りください』って」

 

 別の男性が「えらい長い話してまんなあ。よぉあんだけ話すことがあるもんや」「そら大丈夫や。あの二人、毎日おんなじ話してまんねん」ゆうのがサゲ。

 


 

桂 かい枝 「恋するオ・ト・メ」

 

 結婚と恋愛は違うものでして、奥さんの体形も変わりました。8年で15kgくらい増えてね。

 努力はしてるんです。馬に乗るみたいなやつ。TV見ながら痩せられるゆうてね。こうやってTV見ながら・・・・せんべい食べてた。・・・・・・消費しながら摂取してどないすんねん。

 こないだ子どもの学校行ったら、体育の先生が子どもらに笛吹いてね。「元の隊形(体形のしゃれ)に戻れ!ピッ!」
・・・・・・いっぺん吹いたろかな。

 恋愛してる時は、逢いたい時に逢えばよかった。ところが結婚すると、逢いたくない時でも逢わなならん。

 一番ピュアな恋愛してたんは高校生の頃でした。女の子なんかも寄ると触ると恋愛話ばかり。

「千春、千春。(素に返って)何かおかしいですか?・・・・千春、千春」
「ああ、京子?」
「千春、あんた永山君とうまいこと行ってるん?あの子、ええ人やろ?」
「でも、あの子、草食系入ってるから。でも、何で、ええ人なん?」
「だって永山君、千春と付き合ってるんやろ?女の子を顔で選んでへんゆうことやん。ええ人や」
「ひどいなぁ。京子は誰と付き合ってるのん?」
「千春に負けてられへんから、石田君とデートするねん」
「ああ、あの恋愛ドラマ大好き?あの子、『冬のソナタ』流行ってる時は、毎日コートとマフラーして。真夏やのに。みんなゆうてた、『冬のソナタ』やのうて、あなたどなた?やて。
 でも、デートの間、ずっと甘い言葉ささやいてくれるらしいで。また、デートの様子、教えてや」
「うん、わかった」

 

「あ〜!遅刻する。・・・・・・・待ったぁ?」
「いや、今来たとこ。でも今日は最高やな。空気はきれいし、景色もきれい。でも、君が一番き・れ・い」
「・・・・・・・石田く〜ん!待ち遠しかった?」
「君を待ってると1分が100年にも思えたよ。だから10分待った僕は1000年待ったことになる。つまり・・・ミレニアム・ラブ」
「・・・・・・・石田く〜ん!」
「あれ?京子ちゃん、その唇?」
「あれ?分かった?石田君がくれた紫色のルージュつけてん」
「それ返してくれる?」
「え?」
「ちょっとずつ返して。こ・こ・へ
(と、唇をさす)
「・・・・・・・石田く〜ん!あ!手首つかんで、どうするん?」
「君を逮捕する!罪名は、僕のハートの窃盗罪」
「・・・・・・石田く〜ん!」
「これ、君にプレゼントするよ」
「あ!四つ葉のクローバー!私、幸せになれるかな?」
「うん、世界で二番目の幸せ者に」
「二番目?」
「君と一緒にいれる僕が世界で一番の幸せ者だからさ」
「・・・・・・石田く〜ん」


「・・・・・・・黙って聞いてたら、あんたら、くっさいデートしてんなぁ。さぶいぼ立つわ。
 で、今でも石田君とうまいこと行ってんの?」
「ううん、別れた。甘すぎるもん。かき氷のシロップ、口飲みしてるくらい甘いわ。私、糖尿病になってまう。

 せやから、今度、三組の杉下君とデートすんねん」
「え?杉下君て、理系クラスのめっちゃ頭のええ子やん。銀ぶち眼鏡で、紅茶飲むねんて」
「めっちゃクールやろ?男の子は優しさよりクールやわ」

 

「あか〜ん、また遅刻してしもたぁ。待ったぁ?」
「うん、
(時計を見て)18分23秒」
(白けた表情で)待ち遠しかった?」
「君を待ってると1分が・・・・・60秒に感じたよ」
「・・・・・当たり前やんか。なあなあ、何か気ぃつかへん?もう!唇!」
「あ!紫色!・・・・・プールから上がったん?」
「そんなわけないやん!紫のルージュよ。どう?似合ってる?私、きれい?」
「うん。口のまわりに発疹があるのんと、顔色の悪いとこを除いたら」
「・・・・・・嬉しないわ。お化粧はどう?」
「特殊メイク、うまいこといってる」
「もう!私、スティーブン・スピルバーグ監修ちゃうよ!あ!四つ葉のクローバー!」
「奇形や!DNAの突然変異や」
「・・・・・・・・・・。しりとりしよ。しりとりやったら、一緒に話できるわ。ほな、私からな。私らみたいな、こ・い・び・とのと!」
「等速直線運動」
「え?」
「摩擦がない時、物体は直線を等速で動くねん」
「予備校教師か!え〜と、”う”やね。うし」
「質量保存の法則。説明しよか?」
〜「電解質イオン。・・・・・・あっ!”ん”が付いた!負けや!」
「嬉しない!何やの、このボキャブラリの違い!」

 杉下君は「君は、君の脳みそのようにきれいだ。しわ一つない」なんて言うので別れてしまう。
 今度は、私にいい男を・・・・・紹介してくれそうな男と付き合うわ・・・というのがサゲ。

 


桂 かい枝 「丑三つタクシー」


「薄気味悪い道やなぁ。タクシーも通ってへん。お!タクシー来た。ええ?ハッチバックのタクシー?珍しいな」
「どちらまで?」
「ナンバまで」
「ほな、あべの斎場から一心寺の無縁墓地を通って、下寺町の墓地の間をぼちぼちと通っていきます」
「そのシャレ、笑われへんわ。・・・・・・・運転手さん、その写真は?あんたの写真やな。あんた、喪服着てるやん!」
「はい、私の前の仕事の写真で。運転手を」
「あ、今と同じ仕事?お客さん運んでたん?」
「お客さんというより、仏さんを」
「ええ?そしたら、タクシーやのうて・・・・」
「この車も、前の会社から払い下げを受けて。観音開きをハッチバックに改造して。よろしかったら、後ろで横になることもできますよ」
「なれへん、なれへん!」
「どうぞ・・・・」
「・・・・おしぼりか思たら、白い布やないか!」
「お宅がいらんのやったら、横のお連れさんに」
「何ゆうてんねん。わいは一人やで」
「髪の長い女性が。・・・・・いないことにしときましょか」
「気になるがな!」
「一本いかがですか?」
「そうゆうサービスしてぇやぁ。この頃は禁煙タクシーとかうるさいからなぁ。ほな、一服させてもらうわ。・・・・・これ、煙草やのぉて、線香やないか!」
「今日は、亡くなった身内の命日でしてね。108歳のひいひいばあちゃん。戸籍上は、まだ生きてます
「そら、あかんやろ!あれ?ナビ画面に女の人の顔が」
「3年前に死に別れた娘なんです」
「そうかいな。娘さんと死に別れはったんですか。ほな、娘さんにやったら線香あげさせてもらいますわ」
「・・・・・・こっちはけっこうです」
「何か賑やかな音楽とかないの?」
「ほなAKB48とか」
「えらい趣味が若いな。頼むわ。
(読経が流れる)これのどこがAKB48やねん!」
ありがたい、高野山の坊主、48歳が読経してます」
「いらんわ!・・・・・さぶ!何やゾクゾクするな」
「感じますか?敏感ですね。4年前の夏から、後部座席の左側に座ると・・・・・」
「後部座席の左?ここやがな!そこに座ると?」
「そこに座ると・・・・・・・・・・・・・・冷房が直接当たるんです。

 ワカサギ釣り行きましてね。帽子かぶって、マフラー何本も巻いて。腹痛くなって、湖のそばの公衆便所行ったんですよ。そこの湖ね、前、若い娘さんが首絞められて殺されるゆう凶悪事件が起きて。その公衆便所、その現場のすぐ近くで。
 大きい方済まして、水流したら、急に私の首がぎゅ!ぎゅ!ぎゅ!っと。ああ!これは首しめられて殺された娘さんの怨念か?思てたら、さらに首がぎゅ!ぎゅ!ぎゅ!と締まっていって。ふと、下見ると・・・・・マフラーが流されてた。
・・・・・あ、ここ、私の家です。ちょっと、お手洗いに・・・」
「え?ちょっと待ちいな。

・・・・・遅いなぁ、もう10分以上たってるで。様子見てこよ。

すんませ〜ん。」
「はい?」
「あっ!あんた、ナビに映ってた人!ほな幽霊やな!」
「失礼な。・・・・・あなた、父のタクシーに乗ってこられたんですか?」
「ええ。ほんで、あんたと死に別れたと」
「はい。それは本当なんですが、死んだんは・・・・・・・・父の方なんです」




 どうも、お退屈さまでした。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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