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(No221) 平成紅梅亭 TV鑑賞記 その1  
          

 平成22年11月11日(日)の平成紅梅亭。

 今回は、最近襲名した者の特集のようだ。

 



桂 春蝶 「山内一豊と千代」


  あのねぇ、悩み聴いてもらえますぅ?僕、この業界に向いてないと思うんです。気ぃが弱い、何か喧嘩弱そうでしょ?

 売れてる人はたいがい気ぃが強いんです。
 こないだ漫才のオジンオズボーンというコンビの篠宮君という子ぉと飯行く約束してたんですが、さあ行こうと思たら、その篠宮君、相方の高松ゆう子ぉとえらい喧嘩してるんです。

「俺は今から春蝶兄さんと飯食いに行くゆうてるやろ!」
「お前、今から俺と漫才の稽古するゆうてたんちゃうんか!」
「せやけど、先輩との付き合いは大事やろ!」
「俺らの商売は何や?漫才やろ!そしたら漫才の稽古より大事なもんあるんか!」

 要は、篠宮君は約束をダブルブッキングしてしもたんですな。
 せやけど、漫才コンビゆうのはたいがい仲が悪いから絶対負けたくないんですね。一体何ゆうたかと思うと、
「お前も、これが春蝶兄さんやのうて鶴瓶師匠やったら行くやろう!」


・・・・・・・・これ、失礼や思いません? 


 内助の功をしてくれる妻がいたら・・・というような前置きから本編へ。

 本編の内容は、以前聴いたものと同じなので省略する。

 


 

桂 米紫 「掛取り」

 
 
マクラの「都んぼてな覚えやすい名前で文句ゆうたらバチ当たるゆう人いらっしゃるか分かりませんが、それは皆さんが昆虫の名前になったことがないから」とか、「都んぼ、歌ぶと、町長」などは以前にも聴いた。

 
 「掛取り」の見せ場は、借金取りの趣味に合わせたしゃれ尽くしの言い訳である。米團治ではクラシック尽くしが有名。今回は落語好きの八百屋という設定。

 

「一席お付き合い願います。借金亭払わん治でございます」

「何ぃ?そんな言い訳、笑福亭(しようってぇ)つもりか?あんたの借金は昨日や今日の林家(話や)ないで。
 古今亭
(ここん)とこ、ずっと貯まったぁんのや。あんまりバカに春風亭(せんといて)ほしいなあ。
 明日の小朝
(あさ)が来たら、もう正月や。
 何とか年を小さん
(越さん)よう小南(こない)して来てんねや。

 と仁鶴(にかく)、オホン、と仁鶴!・・・・・やっと分かったか。
 今日こそ逃が三平
(さんでぇ)

「お腹立川(立ちは)ごもっともですが、三遊亭(そうゆうて)、私もうちで五郎兵衛、五郎兵衛(ごろごろ)してたわけやおまへん。
 八方、手を尽くして金馬り
(きばり)ましたんやけど、月亭(ついて)ない時は運にも三木助(見捨て)られ、借金は歌丸(貯まる)一方。やり繰りは南光(難航)いたしました。
 どない正蔵
(しよう)かしらんと思っても生活は、かつ桂(カツカツだ)
 松鶴
(とかく)この世は世知辛い。私らみたいな庶民は、ただただ泣き雀々(じゃくる)ばかり。この辺は、涙で米朝、米朝(べちょべちょ)だ。
 これではいかんと流れる涙を福團治
(拭く)

 円生(一生)懸命頑張りますので来年の春團治(春)まで松之助してもらうのは(待つのは)、どうで泰葉(やすか)?」

「泰葉?久しぶりに聞いたなぁ。

 まあ、落語で言い訳されたら、きついこともい円楽(言えんやろ)。頭下げるのも寄席囃子(よせ)
 ほな、来年の三枝
(三、四)月頃までなら無理は木久蔵(聞くぞう)
 まさか、わしをう染丸
(ウソで丸めこむ)つもりやないやろな。ま、借金さえ返してもらえば、こっちの顔も立花家(立ちます)
 あんたのことを志ん朝
(信用)して、いざ小噺(いざこざなし)に来年の春に取りに紅梅亭(こうか)としましょうか」
「ありがとうございました、ありがとうございました。お気をつけてお帰りください」


 泣き雀々とか米朝、米朝ってとこでは会場から拍手が。

 次の醤油屋は芝居好き。「言い訳はまず、この扇面で」と近江八景を織り込んだ歌を示す。膳所(ぜぜ。銭)はなし・・・といった言い訳がサゲ。

 相変わらず表情が大げさすぎる米紫だが、今回の落語家尽くしは良かったと思う。


 

 


桂 塩鯛 「天狗裁き」


  この8月に桂塩鯛を襲名させていただきまして。3か月ほど経ちましたんですが、えらいもんですなぁ、脇の下にウロコが3枚ほど生えてきました。
 そのうち、ほんまに全身、鯛になるんやないか、と。
 地方へ仕事に行ったおりなど、この頃はあまりないですが、昔は一人で一つの部屋に泊まれん、ゆうことがありました。

 私の弟弟子に喜丸ゆうのがおりまして、私は都丸とゆうたんですが、この喜丸とよぉ一緒に寝ました。・・・・・・・変な意味やおまへんで。

 喜丸は残念なことに他界してしもたんですが、この男がえらいいびきをかきましてね。
 ざこば師匠もいびきをかきはるんですが、リズム感のええいびきゆうのは、あまり邪魔にならんのです。
 ぐわ〜、ぐわ〜・・・・・・波の音みたいなもんです。

 この喜丸のいびきゆうのは、大きゅうて不規則。

 ぐわっ!がががごきゅっ!くくくぅ〜ごごっ!・・・・・・と、思たらぴたっ!

睡眠時無呼吸ゆうんですか?寝ててもねぇ、何となく分かるんです。あれ?止まったな。ん?ええ〜?息してへん!・・・・30秒、40秒・・・。

 あかん!思て起こそうとしたら、突然、また、ぐわっ!!  

 それから、もう気になって寝られへん。

 で、次の日の朝、こんな奴のゆうことは決まってまんなぁ。
「ああ、兄さん。ゆんべは、枕変わったさかい、一睡もできませんでしたわ」


 見てない夢を嫁さんや、隣人、家主、奉行、天狗が知りたがる・・・・という噺。

 以前米團治が落語の神髄・・・・みたいな感じで紹介していたが、繰り返しが多く、先の見える噺である。

 今日の塩鯛の演出はかなりアッサリとしているというか、みんなすぐに興味シンシンになる。
 その分繰り返しのくどさが薄められていたので良かったと思う。

 あと、サゲでは「どないしたん、えらいうなされて」で終るタイプもあるが、多くは「どんな夢みたん?」まで行く。
 塩鯛も多数派であった。 

 


 どうも、お退屈さまでした。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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