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(No221) 上方演芸ホール TV鑑賞記 平成22年12月5日(日)の上方演芸ホール。
「竃(へっつい)ゆうても若い人には分からへん。・・・・・今日は説明せんでもよろしいか?」というくすぐりを入れて、説明に入る。
(4) 「へっついとお釜とお櫃(ひつ)で50銭」 (5) 「二人で5円や」 (6) 「堺の別荘に行けるぞ」 (7) 夜になって、戸を叩きつつ大きな声で「清やん!道具屋へへっつい盗みに行こか!」とリズムをつけて誘う。 (8) 立派な着物を着ているので訊くと、 (10) そら「出来心」やのうて「前心」やなぁ。 (12) 戸を開けろ。おっかなびっくり開けてるとかえって大きな音が出るので一気に開けろと言われたがドンガラガッチャドッカーン!!ぷっ〜!ぷっ〜!と物凄い音を立てる。どないしたんやと訊かれ、 「何ちゅう大声出すねん!アホ!ボケ!カス!スカタン!」と頭を叩かれ、
笑福亭 松枝 「袈裟御前」 ほとんどナレーションで進む地噺という形式。
複数の弟子がいっぺんに改名したもんもおる。殺生でっせ。ええっと・・・・こやつは、・・・・こやつゆうことないけど、桂都丸改め塩鯛。せやから、KT改めKSですな。
ええ、本日の落語は並みの落語やございません。そんな風に思われたら心外です。 祇園精舎の鐘の音・・・・・いかがでございます。平家物語ですよ。どうです、この格調の高さ。若手で”ひらや物語”てゆうた奴がおりましたが。 ほんまゆうと、サゲがまことにしょうもないんです。どうぞお怒りにならんように。 時代は平家から源氏へ。貴族の時代から武士の時代へ変わる頃。荒聖(あらひじり)文覚(もんがく)が武家の世を説いた。この文覚上人、もとは遠藤武者盛遠(えんどうむしゃもりとう)という侍でした。摂津の国、渡辺橋の普請や警備を担当しておって開通式、テープカットの時に大群衆の中で一人の絶世の美女とふと目が合うた。 これがどのくらい絶世の美女なのか、私がみごとに描写してみせましょう。米倉涼子、伊東美咲、松下奈緒、ゲゲゲの女房ですな。それと相武沙希。これを石臼でひいて粉にして、丸い生地にしましてね。上戸彩や堀北真希をスライスにして乗せてこんがりと焼いて・・・・・・最後に山田花子をみじん切りにしてトッピングにしたような。 この美女が誰あろう、本編の主人公、袈裟御前でございます。 私もこんな偉い落語家になる前は・・・・・・ま、別に偉くはないですが、昼夜2回興行で、間に長い休みがありますが、金がない。喫茶店に行く、パチンコする・・・ゆうことはできません。何せミナミで人通りは多い。半分が女性で、またその半分は若い女性。通りすがりに10点満点で採点したりしてね。 ある日、絶世の美女を見つけました。モデルさんでしょうね。素人さんではない。化粧といい、着こなしといい。そしたら、その女性、すれ違うなり、私の顔見て、ぷっ!と笑って「2点」。 この美女が馬上の盛遠ににこっ!と笑み。何せ絶世の美女の笑みですから、ただの笑みやない。上沼恵美子・・・・・ちゃう、ちゃう。 これで盛遠が潔くきっぱりと想いをたちきってしまっては、噺が終ってしまいます。まだ次の者の用意もできておりません。 つまり盛遠は無視された、ふられた、シカトされた。いけないことに盛遠はこれまで家柄も良く苦労せずに出世してきたエリートで、挫折を知りません。誰が悪いんだ!誰も悪くはございません。世の中にはどうしようもないこともあるのです。挫折は人を磨きます。 誰が悪いんだ。おばさんが悪いと考えたんですね。こんな美女なら、なぜ最初に私の嫁にしてくれなかったのか。袈裟御前が自分の物にならなければ、おばを殺して、腹かっさばく。 つまり、母親の命を引き換えに不倫を強要した訳ですね。さて、袈裟御前はどうゆう対応をしたでしょうか。次の三つからお選びください。 解答は次の通りでした。さほどまでの思し召し。この際、夫を亡き者にしてください。うちの屋敷で入れるようにしておきますから、洗い髪を手がかりに・・・・と。こう聞くと、稀代の悪女のようですが、実はそうではありません。自分自身が犠牲になろうとしていました。そうすれば母親の命は助かる、夫に不貞を働くことにはならない、盛遠の気も済むと。 近ごろの夫婦はおかしいですな。ある夫婦が、ふたりで寝てた。夜中に嫁はんが「えらいこっちゃ。うちの人帰ってきた!」て寝言をゆうた。夫婦で寝てたんでっせ。そしたら、旦那の方が窓から飛んで逃げた・・・・。 この言葉を聴いて盛遠は頭に血がのぼって。袈裟御前の屋敷に忍び込みました。当時は寝殿作りでございます。気が逸って、早く着きすぎた。一寝入りして待とう・・・とのんきな話ですが。どこで寝るか。寝殿造りで池を掘って、その土で築山をこさえる。泉水、泉の間にある築山で寝よう。盛遠、泉に囲まれて・・・。(ブルーコメッツの「ブルーシャトー」の歌詞「森と泉に囲まれて」) 屋敷に入り込み、洗い髪を手がかりに、えい!腕がええ。刀が業物。すっぱり落ちた首を抱えてその場を去って、月明かりに照らして、すべてを悟った。 盛遠は潔く源渡の前へ行き「どうぞ大悪人の首を打ちたまえ」。しかし源渡は「今さら妻の命は戻りません。私は出家して妻の菩提を弔います。あなたも出家していただけませんか」 「盛遠、坊さんになりはったん?」
袈裟御前の菩提を弔う旅に出て、ある宿に泊まった盛遠。ふと見ると袈裟御前がにこりと笑っている。はっ!と思って気がついた。ああ、夢か。まどろんでいると、今度は袈裟御前が悲しそうな顔を。はっ!と思って気がつく。ああ、夢か。さらにまどろんでいると、今度は袈裟御前が恐ろしい顔で斬りかかってきた。またもはっ!と気がついた。うん、やはり夢か。首筋に手を当てると、何やらぬめりが。これは血か!夢ではなかったか!そう思って手を見るとご飯粒が。さては、今朝の御膳であったか。
どうも、お退屈さまでした。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。 |