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(No202) 第22回 城北にぎわい亭 鑑賞記 その2
          

 平成22年11月9日(火)、大阪市立城北市民学習センターで開催された落語会の鑑賞メモ。

 



桂 雀三郎 「植木屋娘」


 植木屋の幸右衛門さんは、いつものように節季の書き出し(年末のツケの請求書を書き出すこと)を住職に頼みに来たが、寺に居候している伝吉が代わりに書くことになった。 

 これがきっかけにすっかり伝吉を頼るようになった幸右衛門。

「嬶(かか)!かか!か〜か!か〜か!」
「何でんねん。あんたはカラスか」
「うちのおみつは去年17。今年は18。来年は19になるんやないか、と近所でももっぱらの噂やぞ。
 あの通りの別嬪じゃ。町内の若いもんがいがめよか、蹴倒そか、てゆうとる。

 わい、植木に虫ついたらすぐ治せるが、娘に虫ついたら治せんがな。
 そないなる前に、寺の伝吉っつぁん、婿養子に取ろう思うんやが」 

 

 住職に掛け合いに行くが、伝吉は武家の出で、いずれは五百石の跡取りだからと断られる。

 それであきらめる幸右衛門ではない。「既成事実」をつくろうと、おみつと伝吉を二人きりにする場を設け、こっそり塀の節穴からのぞいて様子をうかがう。

 なかなか事態が進展しないので妻にお前の尻癖の悪さをちょっと教えとけ。お前、だいたい俺とこ嫁に来た時もサラやなかった。どう見てもニ、三べん・・・・」と八つ当たり。

 いつしかおみつは男嫌いと噂がたち始めたある日、おかみさんが幸右衛門に。

「あんた、うちのおみつが、お腹大きなったんや」
「ええ?飯の食べ過ぎや。お櫃のまま、あてごうてどうすんねん。側ついて、給仕したれ」
「違うがな。懐胎したんやがな」
「買いたい?何を?」
「分からん人やなぁ。できましたんや」
「できもんが?吸出しをかけぃ」
「酸っぱいもんが食べたいようなことになったんやがな」
「食わしたれや!夏みかんでも何でも」


 父親は伝吉と知った幸右衛門、「うちのおみつはボテレンじゃ♪うちのおみつはボテレンじゃ♪」と踊りながら住職の元へ。

 伝吉を婿養子にもらう。子どもができたら、その子を伝吉の代わりに跡取りにしたらええと主張する幸右衛門。

「何ぼ何でも侍の家を取ったり、継いだりでけるかいな」
「なぁに、接木
(つぎき)も根分けも、うちの秘伝でおますがな」がサゲ。

 

 


桂 雀太 「小倉船」

 雀太の名びらの世話は誰がするのか?と思ってたら雀五郎がしていた。

 今、西区の京セラドームの近くに住んでます。こないだ嵐のコンサートがあってね。1日で4万人入るんですよ。駅降りたら、そこら中ええ匂いしてる。
 まあ、一人7000円としても、4万人が3日で12万人。・・・・・・今日、これ何ぼですか?上方落語界のスーパーアイドル4人が来てるゆうのに。 

 コンサートん時、台風が来そうになってね。結局来(こ)なんだんですが。

「台風来(こ)んと、嵐来た」

・・・・・・・・・これさえゆうたら、今日は満足です。

 豊前の小倉から馬関に向う船の中の描写。

 着物の両袖を手で引っ張って思い切り横に広げ、口をひょっとこのようにして、息をびゅ〜〜う!と吹き、船の「帆」を体現する。

 船の旅は退屈なもの。ある男が花札、カブ、サイコロを誘うが乗ってこない。で、今度は賭け「クイズ」を誘う。

「食う時食わんと、食わん時食うものは?」
「分かりまへんわ」
「漁師の弁当」
というのが面白かった。

 
 道中師、ゴマノハエを撃退(賭けクイズに乗った振りをして、最後で大逆転)した男だったが、胴巻きを海に落としてしまう。

 唐物屋(舶来品を扱う商売)のフラスコ(人が入れるくらい大きなガラス瓶)に入って海中へ。財布が見えたが手が届かない。煙管でガラスを割って外へ出る。必死に泳ぐと竜宮城へ。

 浦島太郎と間違えられるが、本物が来てばれてしまう。
 珊瑚樹畑で「1本5両。3本で珊瑚15」などと皮算用しているうちに警察長官の河豚腸(ふぐわた)長安の追っ手がかかる。

 赤い顔した駕籠屋に誘われるが、そいつらは猩猩(しょうじょう。猿の妖怪で大酒のみ)。

「駕籠賃安ても酒手が高(たこ)つく」がサゲ。

 

 竜宮城での立ち回りで歌舞伎調になる。雀太もいっしょうけんめいに手を広げたり、「寄り目」にしたり、ミエを切ったりするのだが、いかんせんビシッと決まらない。

 冒頭の、船頭らが荒々しく櫂をこぐところなどは似合うのだが、芝居噺の部分はどうしても吉朝一門の吉弥、よね吉、吉坊らに比べると見劣りがした。

 


  

 どうも、お退屈さまでした。いつものことですが録音はしてません。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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