移動メニューにジャンプ

(No200) 相愛寄席 春團治・春之輔 親子会 鑑賞記 その2
          

 平成22年10月15日(金)、相愛大学本町学舎講堂で開催された落語会の鑑賞メモ。

 



桂 春之輔 「豆狸」

 鳴り物(太鼓)のリズムが悪かった。

(場内を見渡して)今日は、30より下は入ったらあかんのですか? 
 喧嘩売ってんのんとちゃいまっせ。

 私、80過ぎの母親、おりまして。危ないでしょ、振り込め詐欺におうたら。こないだ、試しに電話したったんです。

 そしたら、先に、前貸した10万円、返してやって。

 親子会ゆうても血のつながりはおまへんで。弟子入りしたんは18。高二やったから、17か。

 どんだけ可愛らしかったか。
 春團治がよそに作った子ぉやって冗談でゆうたら、場内、し〜んとなってもて。

 これ、見台、ゆいます。「せっかく持ってきたから、使いまっか?」って。わたいのネタには要りまへんねん。

 

 大部屋俳優が傘を差して歩いてるとずしっと重くなる。はは〜ん、これは狸の悪戯か、と思ってさっ!とトンボを切ると「ぎゃっ!」と悲鳴が聞こえた。

 俳優の母親は家伝のびっくり膏という薬を売ることを商売にしていた。家に帰ると母親が銭函の前で「不思議やなぁ」と首をひねっている。
 一貝1銭なのだが、金が1銭足りずに代わりに銀杏の葉っぱが1枚入っているというのだ。

 そんなんどうでもええから、はよメシにしてくれとろくに話を聞かない息子。

 しかし、1銭合わないのは、それからも連日続いた。
 何ぞおかしい奴はおらんかったのか?と尋ねると鼻垂らした縞の着物を着た子どもがいたとのこと。

 ある日、母親がまた「不思議やなぁ」と首をひねっている。

 息子は、面倒くさそうに
「何や、今日も合わへんかったんやろ」
「ちゃうねん。今日は合うてるねん」
「・・・・・・・そら、不思議やなぁ」

 ある日、近所が騒がしい。三っ寺の境内で、貝がらを身体中につけた狸が死んでいるというのだ。

 その狸を見て全てを悟る。

「お前、あん時の狸かぁ。アホやなぁ。うちのびっくり膏は、貝から出して布に塗って貼らんと。貝のまま、付けて効くかい」

 男は「こいつはわいが殺したようなもんや」と住職に金を渡し弔ってもらう。と、その墓に無数の銀杏の葉が振り積もった。

「おい、仲間から香典が届いたで」がサゲ。

 

 


桂 春團治 「皿屋敷」

 伊勢参りから帰った「まっつぁん」は、旅先で「皿屋敷」のことを知らなかったために恥をかいたことを語り、友だち連中とともに裏のおやっさん、六兵衛に教えてもらいに行く。

「あちゃらかもくれん ろくでもないすこたんさらして うせさらしたな。おう?われ、松やないけ。どがいしょもないくせに伊勢行きやがって」
「・・・・・・へえ。今、戻ってうせさらしたんでんねん」
という会話がおかしい。

 酒で勢いをつけようとするが、
「段々陰気になる。ぎょうさん入れな。あほんだら。けったいな酒や。飲むほど酔いが醒めてくる」

 で、出かけることにするが、歩みが少しずつ元気がなくなる。後ろを気にする。小走りになる。目をぱちぱちさせるなどの仕草がおかしい。

 

 お菊がうらめしや〜と幽霊の手をした時、左手の中指にけっこう大きな指輪をしておられるのに気がついた。 

 今日の高座は実に良かった。大師匠なんだが、上手いというより可愛い。

 


 冒頭で「仏教と落語と相愛大学」という講演をされた釈徹宗さんが出てきた。

 
【釈】 

 しばらく名人芸の余韻に浸りたいところ、無粋は百も承知でございます。

 この「八五郎坊主」などは、いわば宗教を笑っているわけで、原理主義者には絶対できないことです。日本の高い文化性を示すものでございます。

【春之輔】

 相愛大学の客員教授てなことになりまして。師匠からは、お前何する気ぃや?て言われまして。

 こう見えても、上方落語協会の役員でね。

 じゅるべ(鶴瓶)が春之輔は左遷されたゆうてるねんけど。

 だいたい、私は上方落語ゆうのん嫌いですねん。あら、大阪落語です。
 上方ゆうたら京都も入る。
 東京落語は、上方落語は連合軍でないと勝負できんのかて言われる。だいたい、京都の人間は、大阪と組むのん嫌がってる。

(桂春雨を紹介して)

 この春雨ゆう男は貴重な落語家でして。18歳まで東京都文京区に住んどったんです。
 初めて会うた時は嫌いでした。でも、こっちで27年。大阪に帰化しよった。

 私は落語をアカデミックゆうか、観念的によぉ説明でけんので、彼に手伝ってもらうことにしました。

【春雨】

 まあ兄さんは大枠を語ってもろて、私は重箱の隅とゆうか、皆さんがノートに書けるようにお話をしたいと思っております。

【春之輔】

 朝日カルチャーセンターで「時そば」と「時うどん」を同時に演って比較したことがあります。あれ発明したん私なんでっせぇ。

 「長屋の花見」と「貧乏花見」とかね。彼(春雨)やったら両方でける。

 


 どうやら、春之輔と春雨が相愛大学で落語に関する講義をするようである。

  

 どうも、お退屈さまでした。いつものことですが録音はしてません。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

inserted by FC2 system