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(No198) 京都・らくご博物館【秋】 〜紅葉寄席〜 鑑賞記 その2
          

 平成22年10月22日(金)、ハイアットリージェンシー京都で開催された落語会の鑑賞メモ。

 



桂 文三 「十徳」

 マクラはビギナー相手の落語はやりにくいというぼやき。

 「時うどん」で「建前」で拍手された。

「何もおもろいことゆうてないのに、頂点極めてしもた」

 以前バイトでうどん屋をしていたので湯を切る仕草にリアリティがあるのか、前のおばちゃんが「熱っ!」

 箸の動きに合わせて視線が動く。テニスの試合見てるみたい

 面白いこと終ったら、退屈してかばんを開けて飴ちゃんを食べ始める。肝心のサゲで「・・・・・三文、損しよった」。顔を見合わせ「何がおもしろいん?」

 本編では物知りの甚兵衛さんにいろいろ尋ねる。

「何で娘入りと言わずに、嫁入りて言いまんねん?」
「嫁さんの目ぇは二つ。婿さんの目ぇも二つ。合わせて四目入りやないか」
「目ぇで勘定しまんのか。ほな、奥さんは何で奥さんて言いまんの?」
「女の大役はお産やろ。お産てなもん玄関先でするか?奥で産するから奥さんや」
「ほな奥のない家はどないしまんねん?便所で産したらはばかりさん?」

 甚兵衛さんが着ている十徳という着物のいわれをきいたので、ひけらかして、普段アホと馬鹿にされているのを見返そうと考え、無理やり持ち去ってしまう。

「何や、誰や思たら町内のアホか?」
「・・・・・・・・言われ慣れてるからええけどな。
 これ何てゆうか知ってるか?」
(あっさり)十徳やろ」
「・・・・・・よぉ知っとるな。そんなことで、わいはくじけへんぞ。
 これ何で十徳ゆうか教えたろか?」
(これまた、あっさり)要らん。仕事行かなあかん」

 似てる、似てるで「シタール」。みたい、みたいで「むたい」。ような、ようなで「やうな」。「もうちょっと!」と悔しがるので察した竹さんが、
「前から見たら羽織の如く。後ろから見たら衣の如く。ごとく、ごとくで十徳ゆうんやろ?」
「いや、畳んで盗っとく、や」
がサゲ。

 つく枝時代は明るい、元気、食べる仕草が上手いという印象だったが、襲名以来、今日の長すぎるマクラもそうなんだが、どうも上っ滑りって感じがする。

 なお、「十徳」という名称は、直綴(じきとつ)という僧衣に由来するという説もあるようだ。どっかで聴いたような気がするなぁと思ってたら、先日の「高僧と袈裟」という特別展の鑑賞記で書いたのであった。

 

 


桂 春小團治 「アーバン紙芝居」

 
 トリは、小春團治。

 

 昔は野球でも三角ベースでした。ボールが草むらに入ったら敵味方関係なく探すんですが、不思議と草むらにはエロ本が落ちてるんですなぁ。

 こないだ信州小谷(おたり)村に行ったんですが、過疎地のせいか幼稚園から高校生くらいまでが一緒に遊んでるんですな。かごめかごめなんかで。

 一点だけ現代風にアレンジしてたんは後ろの正面が当たったら、全員で「ぴんぽ〜ん!」 

君ら、紙芝居見たことないの?」
「こう君、あのな。こう君、こう君、あの、こう君、あの、紙芝居、見たことある」
「・・・・・こう君、ちょっと落ち着きなさい」
「何ぼ?」
「紙芝居、見んのはタダやで」
「見るのはタダ?ボランティア?何かのNPO?宗教の勧誘?」
「ちゃう、ちゃう。紙芝居でみんなに集まってもらうねん」
「一種のキャッチセールス?呼びとめ行為は違法ですよ」
「いや、キャッチセールスて。紙芝居はタダやけど、後で水飴やおせんべえを買うてもらうねん」
「じゃあ、紙芝居屋さんじゃなくて、お菓子屋さんですよね。税務署の申告はどのようにされてます?」
「・・・・・・君ら、ちょっと友だち呼んできてくれるか?」
「マルチ商法ですか?マルチ商法は・・・・」
「いやいや、みんなで見た方が楽しいやろ?」
「おっちゃん、何で会社行かんと、こんなとこおんの?リストラ?」
脱サラや!リストラ違うぞ!・・・・・・・・ちょっと大人げなかったな」
「ビザカード使えます?JCBは?プラチナカードですよ。現金だけですか・・・・・・・手堅い商売ですね」
「こう君、お金持ってる?」
何でこう君の名前知ってるん?こう君、お金持ってない」
「そしたら家帰って、お母さんにもろといで」
「こう君、あのね、こう君、家帰って、玄関に知らんおっちゃんの靴あったら、中に入ったらあかんの
「・・・・・えらいこと訊いてもたな。

 ほな、とんちの小箱ぉ〜〜!!上は大水、下は大火事なぁ〜に?」
「タワーリングインフェルノのラストシーン?」
「海底火山の大噴火?」
「・・・・・・いや、風呂やねんけどな。まあ、今のお風呂は火ぃとか焚かへんからな。

 ほな次!オナラをしない電化製品は?」
「こう君、あのね、こう君、あの、あの、あのね、こう君のおじいちゃん、サイボーグなの」
「いきなり何ゆうねん?何でサイボーグなん?」
「いっぱい電気の線がつながってる」
「危篤状態か?答えは、せんプー機。・・・・・・・何や、この白けた空気。

 じゃあ、黄金バット ナゾー編であります」
「悪そう!がい骨やん。え?あれがええもん?」
「古い話やなぁ〜。キャラクター弱いし。
怪タンク?だっさぁ〜」
「質問!あのロケットの推進力は?」
「・・・・・・・・超能力や」
「武器は?」
「げんこつ」
「弱〜〜。光線でトドメさすのがセオリーやろ?」
「こう君、バイクのタイヤに釘さしたらあかん」
「『ふふふ、身体で払ってもらうで』彼はズボンを脱ぐと、いきなりこっちの黄金バットを・・・・」
「何、別の話を読んでんねん!」

 結局、紙芝居屋は商売にならず、帰ってしまう。

 代わって来たのはポン菓子屋。ボン!と爆発させたとたん、蜘蛛の子を散らすように逃げ出す子どもたち。
「あかん、テロリストや」ゆうのがサゲ。

 前に聴いた時よりは面白かった。

 

 



 

 どうも、お退屈さまでした。いつものことですが録音はしてません。殴り書きのメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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