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(No188) 日本の話芸&上方演芸ホール  TV鑑賞記 
          

 たまってる分を簡単に。



三遊亭 歌司 「百川」


 平成22年6月8日(火)の放映。

 百川(ももかわ)という料亭で働くことになった田舎者の百兵衛さん。訛りがきついが、いきなり、町内の若いもんの集まっている座敷に用事を伺いに。
 
 町内の連中は「四神剣」(しじんけん。町内の祭礼の時の縁起物として用いる、先に剣の付いた旗)を質入して酒を飲んでしまった後始末の相談をしに集まっていたのだった。
 百兵衛さんの「主人家(しゅじんけ)の抱え人」を「四神剣の掛け合い人」と聞き違えられ、兄貴分の初五郎から丁重に扱われた。
 この四神剣は各町内持ち回りということになっていたので、次の町内から、どう始末をつけるのか掛け合いに来たと勘違いされたのである。

 酒をすすめられるが、仕事中の百兵衛さんは断る。と、甘党か?と勘違いされ、「くわいのきんとん」をすすめられる。

「こりゃあ、あんでがす?(何ですか)
「・・・・・・・・・?餡でがす」

「こりゃあ、くわいかね?野郎、化けやがって」
「・・・・・・化けるの何のってと言われると辛いんですがね。
 そこぁ、呑み込んでもらいてぇ」
「ええ?こりゃあ、いけぇ
(大きい)がね?」
「いけねえと言われると困るんですがな」

 くわいが「きんとん」の姿になってるのを百兵衛は「化けた」と表現したが、初五郎は「四神剣が酒代に化けた」と勘違い。

 この辛い事情を呑み込んでくれと頼む初五郎に、百兵衛はきんとんを呑み込めと言われたと勘違い。
 でかいのを方言で「いけぇ」と言ったが、それを「いけねぇ」と勘違い。

 必死に呑み込んだ百兵衛は下に降りる。

 周りの者は初五郎に、何だ、今の田舎者は?と尋ねる。

 「つらまねえ顔だけど、顔ぁつぶされたくねぇ」と言われた時にはゾッとした。あらぁ凄いお兄さんだぜと感心する初五郎。

 でも何で、あんなドジごしれぇ(ドジなこしらえ。不細工な服装)で、くわいを目を白黒させて呑み込んだんだ?と当然の疑問を発する周囲に、こちとらも血の気の多い連中だ。まともに四神剣どうすんだ!なんて言ったら喧嘩になるじゃねえか。
 こちらのふところの具合(ぐえぇ)とくえぇ(くわい)を掛けて、目を白黒させて呑み込んでみせて、こちらを笑わせて消えるとこなんざぁ凄(すげ)え!と、あくまで絶賛する初五郎。 

「おや?どうしたんだい、百兵衛さん。柱に寄りかかって、涙ぐんでちゃしょうがないじゃないか」
「・・・・・・呑み込んだでがす」
「お前さん一人で呑み込んでどうすんだい。あたしにも呑みこませなよ。おや?座敷でまた呼んでるよ」
「ええ?今度は何を呑み込まされるんだろ?そばに火鉢があったけんど」

 今度は奉公人とばれた百兵衛さん。常盤津の亀文字師匠を呼んで来いと命じられる。
 なかなか覚えられないのに焦(じ)れて、「”か”の字の付く名高い人って言やぁ分かる、とっとと行ってこい!」と怒鳴られ、追い立てられた。

 その通りに尋ねたら外科医の「かもじげんにん」を紹介された。

「今朝がけに、4、5人来(き)られやして」を「袈裟懸けに4、5人斬られやして」と勘違いされる。

 座敷に外科医が来たのに驚いた若い衆は、百兵衛さんに「全然違うじゃねえか!」
「ええ?か・め・も・じ。・・・・・か・も・じ。たんとは違わねえ。たった一文字だ」がサゲ。

 

 初めて聴く噺家だった。勘違いの連鎖がけっこう面白かった。


 


桂 千朝 「抜け雀」


 6月15日の放送。 

 噺自体は、米朝師匠で何度か聴いた。


 独特の粘っこい口調は、好みの分かれるところだろう。

 私は昔は苦手だったが、この頃はかなり惹かれるようになりつつある。 

 

 


 

桂 まん我 「お玉牛」


 7月5日(月)の放映(上方演芸ホール)。

 
 いつも通り、自分の「まん我」という名をマクラにするが、今日は、師匠の文我からの名前の候補は二つあって、一つがまん我で、もう一つが我まん。まん我で良かった・・・というのは初めて聴いた。

 私は今までざこば師匠で「お玉牛」を聴いたメモを2回(ここここ)書いた。

 あまり好きな噺ではない。

 しかし、まん我の「お玉牛」は、やはり若々しいというか、すっきりした感じだった。

 以前に「まだ来るか!」「モウ来ません」というサゲは、何とかならんか?と前に書いたが、今回は「ウン言わせたんかい?」「いや、モウと言わせた」というサゲであった。

 まあ、どっちもどっちか。

 

 

 


 

 

 どうも、お退屈さまでした。録画はしてますが見直してません。殴り書きメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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