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(No183) 上方演芸ホール TV鑑賞記           

 平成22年1月18日くらいの放映。




桂 宗助 「足上がり」


 足上がりとは、丁稚や番頭が首になることをいうらしい。 

 

 まくらは、着物の話。ひょっとして春團治師匠がしゅっ!と羽織を脱げるのは絹だから・・・から始まっているかもしれない。(←確たる記憶なし)
 私のは高級品の「ポリエステル」で、うっかり火の側には寄れんというわけで・・・・・ってな話。

 ある丁稚が、番頭に贔屓してもらい芝居小屋に連れて行ってもらう。そのうえ、小遣いまでもらう。

 いきなり、その銭を見ずに、ふところで手探りし、硬貨のふちに「ギザギザ」があるかどうかで喜ぶ・・・という描写が憎い。
 

 結局、その番頭に贔屓してもらっていた丁稚が口を滑らせて、旦那に番頭が店の金をちょろまかしているのがばれてしまい、あいつは首だ!ということになる。

 そんなことも知らずに店に帰ってきた番頭。丁稚に芝居の話を持ちかけ、四谷怪談?足が宙に浮いているてな話になる。

 浮いてる筈や。最前(さいぜん。さっき)足が上がっております。

・・・というのがオチ。

 内容的には、まさに「禍は下」という感じの噺。

 

 


桂 米二 「牛ほめ」


 どちらかというと前座噺というか、軽めの噺。ぶらぶらしているアホに、隠居さんが小遣い稼ぎに叔父さんの新居祝いに行ってこいと薦める。 

 ところが、このアホは、以前にも祝い言を述べに行って失敗している。

 失敗その1は、大工に念入りに仕事をさせ、完成まで何ヶ月もかかったと自慢する叔父さんに「そんなもん、建てるのん何月もかかったか知らんけど、火ぃついて燃えたら一晩や」。

 失敗その2は、家のついでに、そこで飼っている牛も誉めようとした時のこと。(だから、この噺は「牛ほめ」。時間の都合でそこまでいかない時は「家ほめ」と呼んだりする)
 お茶を持ってきたその家の娘さんを牛呼ばわりしてしまう。

 

 米二師匠は、ごく淡々と噺を進めていくのだが、「あれ?おもしろい演出だな」と思ったのは、米二独特の「蒸し返し」である。

 以前に縁起の悪いことを言われたので、話も聞かずに追い返そうとした叔父さんだが、何とかなだめて、隠居に教えられた祝辞を述べていく。

 ところが、そこで話は済んでいるというのに「こないだは、燃えたら一晩や、なんてゆうてすんまへんでした。・・・・・・せやけど、あら、ほんまでっせぇ」 と蒸し返す。

 

 これも何とかなだめて、家は誉め終え、今度は牛を誉める段。

 叔父さんは、うまく家を誉めてもらったんで機嫌は直っているんだが、軽く恨み言もいってみせる。

「こないだ、お前があんなことゆうたやろ?あん時、娘は部屋こもって泣きよるし、大変やったんやで」
「はあ。そら、えらいすんまへんでした。・・・・・・・・・・・・・せやけど、ほんまに似てましたんや

 ぼそっとつぶやく感じの米二の「蒸し返し」が何とも言えない味があった。



 どうも、お退屈さまでした。録画はしてますが見直してません。殴り書きメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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