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(No177) 第1回上方落語まつりinミナミ 三枝一門・吉朝一門競演会 鑑賞記 その3          

 2010年4月29日(木・祝)、動楽亭で開催された落語会メモの続き。




桂 あさ吉 「鹿政談」


 決して、怪しい者ではありません。

 同じ落語家の一門でも、色は違うものでして。

 別に
(三枝一門と吉朝一門が一緒に落語をしなくても)同じ一門でいいんじゃないかと・・・・。簡単なまとめ方をしてしまいましたが・・・・。

 

(左写真は「桂あさ吉ホームページ〜つながり〜」:「英語落語の歴史」より転載) 

 

 英語落語てなもんを、やらせてもろてまして・・・・・・。

 これも結論が出てまして。

 ・・・・・・日本が一番、やりやすい

 いちびって、外国へ、出んでええと。

 着崩れが激しい・・・・。

(なぜか、高座に出てくるなり、襟元や裾などを盛んに気にして、何度も直していた)

 まだ、何にもしてへんのに・・・・・・・・。着物の着方から、やり直さんと。

 

 オーストラリア、6都市、回りまして。
 メルボルンで泊まって。あんまり、ええホテルやないけど、長期間泊まれるゆうので。

 ドアが木ぃでね。ペンキ、塗ってるけど。


・・・・・何か鳴ってますねぇ。

 よく、軍歌を大音量で流しながら走ってる右翼の街宣車が走っているが、似たような感じで、訳の分からない演歌を大音量で流している車が、前の道路を走っていたようである。

 ここの寄席は、大きな道路沿いのビルにあるので、よく聞こえる。

 まあ、地域性です。

 

 新今宮(最寄のJRの駅名)から、ここに来るまで「何人、寝てはるねん?」て、思いますからねぇ。

 あの、でも・・・・・・・・・もっと、寝てはるとこ、ありますからね。何のフォローか、分からんけど。

 

 ホテルのドアが木ぃで・・・・・・。そこまでは言いました。

 ドアがね、ものすご固いんです。鍵、開けたんですけど、ドアが開かない。

 そこのホテル、ラッチが二重にかかってて。ラッチゆうのは、中からかけるやつで、それかけると、ドアが何cmかは開くんですけど、それ以上は開かないやつ。それが二重に付いてた。

 私は、この噺を聴いた時、「ラッチ」というのは、単純に、いわゆるドアチェーンみたいなやつをイメージした。
 うちのマンションのドアにも付いている。(下写真参照)
 ところが、ちょっと分かりにくいので画像をつけようとgoogleしてみたら、どうも「ラッチ」とは一般には、鍵で、引っ掛かるための飛び出てくる部分を指すようなのである。
(下写真参照。ただし、下写真は厳密にはただのドアノブの「ラッチ」で、「鍵」のラッチではない)
 もちろん、噺の内容から、「ラッチ」とは、上写真のドアチェーン的なものとして、解釈することとする。
 だから、当然宿泊者が、ルームキーでドアの鍵を開け、中に入ってから、「ラッチ」を掛け、外からの侵入者に対処するためのものである。

  言うまでもないが、あさ吉師匠が、今、噺の中でドアの鍵を開け、ドアを開こうとしている段階では、(室内に誰もいないのだから)「ラッチ」は掛かっていない。 


 ドアが開かないので、ガタガタゆすぶったり、ドン!と強く押したりした拍子に、どうゆうわけか、そのラッチが掛かって、中から閉まってしもた。

 仕方ないので、フロントの人にゆうたら、ドアを見て、名刺か何かで、何とかラッチを外そうとする。
 そんなん絶対に無理なんです。開く筈がない。

 てゆうか、外から名刺で外せるようなラッチ、そもそも何の意味もない

 長いことやってて、結局開かなくて。

「すいません。私ではラッチがあきません

 場内は、当然「埒が明きません」とのシャレだと思い、「上手い!」とばかりにどよめいた。
 しかし、どうやら、そうではなかったらしく・・・・。

 うわ!全然意識してなかった。今度から落語の中に入れよう。

 真面目にやってれば、いいことがあるんですねぇ。

「私ではラッチがあきません」・・・・・・・・・2回ゆうても、あきませんねぇ。

 それで、今度はホテルのマネージャーを呼んできた。大きな図体のオーストラリア人。オージーゆうんですか?190cmくらいある。

 そしたら、そのマネージャー、ドアみて、下敷きみたいなやつで、ラッチを外そうとし始めた。

 マネージャー!何、やってんねん!そう思ったんですが、まあ、その場を離れるわけにもいかんから、そばで見てた。

 開かない。無理なんです、そんなもん。

 下敷きをナイフに変えて、外そうとしたけど、開かない。
 そしたら、オー!オー!とかゆうて、唸り始めた。キレてしもたんでしょうなぁ。

 何すんのか思たら、いきなり、どん!どん!てドアにぶつかり始めた。段々ギシギシゆうてきてねぇ。
 とうとう、ラッチが、下のボルトごと外れて。いきなり外れたもんやから、勢いで、マネージャー、部屋の中に、ゴロゴロゴロ〜!!て、転がりこんだ。

 でも、立ち上がって、ズボンの埃とかパンパンと払って、何もなかったような表情で、僕に向ってメッチャ笑顔で「プリーズ」

 その部屋で一泊、泊まったんです。ほんまの話ですよ。怖くて、その日は眠れませんでした。

・・・・・・・・・・・(今日、演る)落語とマクラは関係ありません。とゆうか、このマクラと関わりのある噺は、ない・・・・・。

 奈良のお噺でして。近畿の奈良。・・・・・・・そら、当たり前ですが。

・・・・・・と、「鹿政談」に入る。

 定番通り、大仏の目を直す親子連れの噺もして「これから、賢い子のことを、目から鼻に抜ける、とゆうようになった。・・・・・このことは『米朝全集』の第3巻に載ってますので」というのが、面白かった。

 それからは、まあ、淡々と続く。

「わたいら、どっちでもかましません(構いません)。なるべく、犬の方向でお願いします」ってとこは、面白かったが。

 この調子で最後まで行くのかな・・・・と思ってたら、「黙れぇ〜〜!!俳諧の講釈、聞きとぉない!!」と塚原出雲を詰問していくところから、声の調子が変わり、非常に凛!とした感じで、まことにかっこいい。
 よね吉、吉弥同様、師匠の芸風を受け継ぎ、歌舞伎、演劇に造詣が深いのか?
 惚れ惚れするような台詞回しであった。

「犬か!鹿か!」「犬・・・鹿・・・・蝶」という定番のギャグを経て、「犬に相違ございません」と認めさせた後、とどめをさしにいく。

「しかし、鹿のようなとこもあるのぉ。あの丸い痕は何じゃ?」「ははぁ・・・円形脱毛症・・」「よくぞ申した!」ってとこも「吹き出物」とかゆうのは以前聴いたが、初めてで面白かった。

 

 ラストはオーソドックスに、扇子で首のあたりをぽんぽん!と叩き
「斬らず(「きらず」は、オカラの別名)におくぞ」
「まめ(「丈夫」と「大豆」をかけている)に暮らします」   

 

 

 

 

 


 あさ吉という噺家さんは、今日初めて聴いた。

 ぼそぼそとつぶやくようにしゃべり、ぼそっと自分でつっこみを入れる。東京によくいるピン芸人さんのような。つぶやきシローとまでは言わないが。

 で、後半のところの芝居口調とのメリハリの付け方が、「あ、好きやな」と感じさせた。

 センスのいい噺家さんのように思う。

 



 

 どうも、お退屈さまでした。毎度のことですが、録音はしてません。殴り書きメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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