移動メニューにジャンプ

(No172) 立川談春 独演会 鑑賞記 その1          

 2010年4月28日(水)、京都府立府民ホールALTIにて。




立川 談春 「お若伊之助」


 会場のALTI、定員は400〜500人ほどか。1階席は、席の前後にもそこそこ余裕があるし、高低差もつけてあって、なかなか良いホールではなかろうか。

 私は2階席、しかも、両サイドに、少し斜めにして1列ずつ設けられた特別席のようなポジションの席であった。

 1階席と通常の2階席との間の通路部分に、背もたれのない縁台のような椅子が置かれていたが、あれが多分補助席なのであろう。


 高座は、濃い藍色の布で覆われ、その上に純白の座布団が敷いてあった。

 

 京都では初めてなんですが、完売ということで、ありがとうございます。

(客席を見て)若干の空席はどうゆうことなんだろう?まあ、誰しも急な都合とゆうのがありますからね。



  
 補助席まで出していただいてるとかで。実はさっき座ってみたんですが、釣り堀に座ってるような気持ちになりました。

 

 京都に来ますと元気が出ますね。ウマとゆうか、水が合う・・・・とゆうのか。

 ワクワクして、元気が出てくるのが自分でも分かります。ただ・・・・元気が出るのと芸とは別ですからね。

 昨日の高座も、元気はなかったけど、そんなに悪くなかった・・・・。

 

 壬生寺に旅行しましてね。あと、さだまさしと。

 さだまさしは、友達でも親戚でもいいけど、親だけはいやだ・・・って話がありますよね。家ん中で、あんな高い声で歌われちゃ、たまったもんじゃないって。

  等持院に行ったんですが、ナビが出ない。立命館大学を越えなきゃいけないでしょ?でも、途中で「検索を終了します」。

 等持院で、さだまさしが、ここのわびすけなんだよって。春告鳥の。

 私もよく分からなかったので、あとでネットで調べた。
 さだの『夢供養』というアルバムに「春告鳥」という曲があり、その曲に「衣笠の古寺の侘助椿(わびすけ)の」という歌詞がある。

 その「衣笠の古寺」というのが、この等持院ということらしい。

 大河内山荘ってとこも行ったんですが、「執念」みたいなものを感じましたね。金をぜんぶここに注ぎ込んだんでしょう?

 八条口降りたらさだまさしが待ってるんですが、メガネ取ると誰も気付かない。手ぇ振って「談春〜〜!!」って呼ぶから、「え?だんしゅんって何?」って感じで振り向く人はいたけど、それがさだまさしだとはだぁ〜〜れも気付かない。何?その「変装」?

 バスが仕立ててあって、「夜桜大学院 御一行様」なんて書いてある。何、これ?私が学者の先生方と一緒になってどうする?しかも、何で、大学じゃなく大学院?

 そう思いながらバスに乗ると、中の人はどう見ても大学の人に見えない。どっちかゆうと、西京極で甘栗売ってるような人。

 誰なの?って聞くと、小学校の時の同級生だって。
「さだまさし 御一行様、なんて書いて人が寄ってきたら面倒だろ?」
「うん」
「ああ書いとけば、大学関係かなって思って、誰も近寄ってこない。お前も”はなし科”の教授だから」

 よく考えりゃ、「夜桜大学院」なんて大学があるわきゃない。

 寺に着いて門をくぐると、ピンポンパンポン ポポン♪なんてチャイムが鳴る。・・・・・・・・・意味が分からない。何かの間違いかな?と思って、もう一度くぐったら、また鳴る。

 皆さんはご存知ないかも知れませんが、この音楽、関東の方じゃコンビニに入る時の音楽なんです。

「京都の人って、こうゆうセンスなの?井戸の茶碗、観るんだろ?」
「ああ、井戸はないよ。今、新潟に行ってるらしい。それに、京の人は、国宝や重文も驚かないから」

 聞いてみたら、普段公開してないから、近所の高校生が隠れて煙草を吸いに入ったりするんで、何かあっちゃいけないってんで、人が入ったら、チャイムが鳴るようにしたらしいんです。

 あと、愛宕山に登って、かわらけ投げしたりね。

 

 私が、京都が初めてなのは、普通、弟子なら師匠が落語会で訪れた時のかばん持ちで、まず来るってのが普通ですよね。談志は、これまで一度も京都で独演会をしてないんです。
 談志が来なかったんじゃないんです。呼ばれない。京都は談志が好きじゃない。・・・・・気持ちは分かります

 京都で噺家といえば、桂米朝師匠ですよね。京都では祇園祭の宵山の日は、どんな興行をしても客が入らないと言われています。それなら・・・・・とゆうことで、米朝師匠が落語会をなさったことがある。その時のゲストが、談志だった。

 で、この話で私が何を言いたいのか・・・とゆうと、つまり・・・・米朝と談志は、そんなに仲が悪くない。だから、私も、いやがらないでねってことなんです。

 まあ、独演会とゆうと、弟子に前座をさせたり、ゲストを呼んだり・・・・が普通なんですが、今日は、特別メニューで、皆、私がやる。
(会場から、盛んな拍手)
 いや、別に私に友達がいない訳じゃない。弟子も連れてきてるんですが、よく考えると、この弟子にはまだ落語を教えていない。

 

 上方では、こうゆう区別はございませんが、東京の方じゃ入門して4〜5年は前座といって、羽織、袴をつけることも許されない。二つ目、となって初めて噺家として認めてもらえる。まあ、それから10年ほどたって、真打ってことになるんですが、ある師匠から、独演会の難しさってのは、一人で前座、二つ目、真打のすべてをこなさなきゃいけないとこだって言われたことがあります。

 アンケートを取ります。

 私は、京都の人間じゃない。そうだ、特に大阪の人、拍手してください。
(当然、私も思い切りの拍手。相当な数の拍手であった)

 えええ?演目の変更を・・・(会場、大爆笑)

 大阪なら、いくつも落語会、やってるでしょう?今日、上方落語まつりってのをやってるんですよね?そんな日に、京都で独演会やるなんて、まるで、喧嘩売ってるようなもんで。

 まあ、ここまで客に委ねる噺家もいないと思いますが、私は、そんなことに拘らない。
 今日は、真打をたっぷり二席やるか、それとも、全員が落語好きとも限らない。一席は軽い、笑いの多いものを・・・というのと、どっちがいいか。

 少し時間を取り、「決まりましたか?」と確認のうえ、拍手をさせた。私は、「真打二席」の方で拍手したのだが、一席は軽め・・・というのもかなり多かった。

 割れて、どうする?二ぃ八とか、せめて七、三ならいいえけど、四分六じゃないですか。

 それとも、その二つを混ぜる?(会場、大拍手)ナメてるな?終ると10時になるよ。

 ・・・・・・・・・まあ、いいか。命までは取られないだろう。

 




 まだマクラですが、長くなるのでここで一度切ります。

 どうも、お退屈さまでした。毎度のことですが、録音はしてません。殴り書きメモとうろ覚えの記憶で勝手に再構成してます。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

inserted by FC2 system