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(No171) 上方演芸ホール TV鑑賞記          

 2010年2月15日(月)放映分だと思います。相変わらずええ加減ですんません。




桂 こごろう 「替わり目」


 マクラは、「ちゃうねん」。話す時、ついつい最初に「ちゃうねん」と言ってしまう。

「あれ?お酒、呑んできたん?」
「ちゃうねん。ちょっと、知り合いと街で、ばた〜っと会うてなぁ」
「え?結局、呑んできたんやろ?」
「ちゃうねん。そのまま別れてまうのも惜しいなぁ。とゆうて喫茶店ちゅうのも何やし。ほんで・・・」といった具合。

 しかし、奥さんからは「何か否定されてるみたいでイヤや」と評判が悪いそうだ。

「ちゃうねん。別にな、お前のこと否定してるってわけやないねん」
「ほら、また!」

 
 「替わり目」という噺は、酔っ払って帰ってきた親父が、家でも呑みなおしたいと奥さんにだだをこね、つまみがないので屋台のおでんを買いに出させる。

 買いに出たと勘違いして、面と向っては言えない感謝の言葉を口にして「お前、まだいたのか!?」と慌てるというオチのものと、

 奥さんが買いに出た後、酒に燗をつけたいが火が落ちている(昔なのでガスじゃなく、炭火を消してしまったということ)。そこで、通りかかった屋台のうどん屋を呼びとめ、燗をつけさせる。

 使い倒されるので、ほうほうのていで逃げ出すうどん屋。

 そこへ帰ってきた奥さん。燗だけつけさせて、うどんを注文しなかったと聞いて、何ちゅう気の毒なことしなはる。私が注文しますわ、とうどん屋を追いかけて声をかける。
 しかし、うどん屋は止まらずに去ろうとするので、通りかかった人が「呼んでまんがな」と注意するが「ちょうど替わり目やから」というオチのものと2種ある。
 タイトルになったくらいだから、後者が本式だろう。

 以前聴いた志ん生は前者で、今日のこごろうも前者。

「うちの布団は、お前がお日さんに干してくれるよって、いっつもフカフカや。

 祭りの時の浴衣かて、いっつもノリきかせてくれるからパリパリや。
『おう、お前とこの浴衣、いつもビシィっとしてるなぁ。』
『そんなもん、嫁はんがノリきかすくらい、当たり前やないか!』て、ゆうてるけど、
 あんな、パリッとした浴衣着てんのん、町内でも俺だけや!

 

 フカフカ、ありがとう!パリパリ、ありがとう!

・・・・・・好きよ、ほかさんといてね!」って台詞、こごろうの工夫なのだろうが、なかなか味があって良かった。  

 

 

 



笑福亭 仁智 「スタディ ベースボール」

 

 高校野球が野球ばかりで学業をおろそかにする傾向があるので、野球と学業を両立させる方法が工夫された。
 ヒットを打っても、出された問題に正解できなければアウトになる、というのである。

 これがなかなかおもしろい・・・・・というので、プロ野球に導入された・・・・・という設定の新作落語。

 
 巨人は金にあかせて、インテリの選手ばかりを集めた。

 一方、阪神は、大学選手というと、あの藤山寛美に似た・・・・・・・・岡田。
 あのアホみたいな顔した・・・・・・・・・・・・岡田、と岡田ネタで笑いを取る。

 巨人の選手は、頭はいいのだが、何せインテリなので体力がなく、ヒットが打てない。
 一方、阪神の選手は、ぼかすかヒットやホームランを打つのだが、何せ頭が・・・・・なので、出された問題に正解できずアウトになる、という展開。

 

「実況中継の○○です。伝統の阪神・巨人戦。本日の試合に勝った方が優勝という大一番です。さて、阪神の先頭打者、ヒットを打ちました。問題が流れます」

「国語の問題です。”海”という漢字は、さんずいへん。では”読”という漢字は何へん?」
「分かりま”へん”」
「アウト〜!!」

「またも阪神の選手がヒット。さて、問題は?」

「理科の問題です。水は液体。では、氷は?」
「・・・・冷”たい”」
「アウト〜!!」

「さらに阪神の選手がヒットを打ちました。」

「続いて理科の問題です。
 水素の元素記号は?」
「・・・・・・H!」
「セ〜フゥ〜〜!!」

「珍しく、阪神の選手が正解しました。どうしてなんでしょう?解説の川藤さん?」
「わしゃ、わからん!」

「おや、球審がマイクを持ちましたよ」

「応援団の皆様に申し上げます。

 人文字で選手に答を教えるのはおやめ下さい」

 

「さて、ツーアウト1塁。続くバッターは4番の岡田。お〜、見事なホームランです!!さあ、問題は?」
「英語の問題です。
 日曜はサンデーです。では、月曜は?」
「・・・・・ヨンデー」
「アウト〜〜!!!!」

 

 

「さあ、いよいよ1点リードされての阪神、最終回。

 運良く、阪神の選手が唯一得意としている”芸能”の問題が出まして、走者が出ました。

 続く選手もヒットが出ましたが、問題のジャンルは?お〜っと、理科です」

「冬の夜空、南に出ている星座は?」
「新歌舞伎座」
「アウトォ〜〜!!」

「続く選手も倒れてツーアウト。最後のバッターとなるか、4番の岡田。これまで全打席ホームランですが、全打席不正解でアウトになっております。

 おっと、この打席も見事なホームラン!

 さて、問題のジャンルは〜?芸能なら岡田にもチャンスはある!どうだぁ〜?ああああ、ジャンルは英語!

 阪神側スタンドでは次々にファンが帰っております。
 おや、巨人側ベンチでは、早くも原監督の胴上げが!

 さて、問題は?」

「英語の問題です。
 次の英文を、日本語に訳して下さい。

I don't know.

「分かりません」

「・・・・・・・・・・セ〜フ!!」

 
  仁智作と思うが、なかなかよぉでけた噺だと思う。

 マクラ部分でのTV各局の野球中継のテーマソング比較とゆうのも、あぁ、なるほど、と思わせ、いかにも野球好きだなと感じさせつつ、本編にうまくつなげていったなと感じた。

 




  どうも、お退屈さまでした。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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