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(No160) 日本の話芸 TV鑑賞記         

 2009年10月20日(火)放送分。



笑福亭鶴光 「太閤と曾呂利」

 小噺の連続のような噺。自分と師匠の笑福亭松鶴との関係と、曾呂利新左衛門と太閤豊臣秀吉との関係を重ね合わせるように語り継いでいく。
 
 
 松鶴に弟子入りする時、往復はがきで「弟子入りさせてくれるなら○、ダメなら×・・・・」と出したが返事が来ない。
 しびれを切らして師匠を訪ねると、えらく怒っている。
「しもた。やっぱり往復はがきを送り付けるとは失礼やったか・・・」と悔やんだが、そこではなく、宛名を「松」福亭松鶴と書いた点に「一生預ける師匠の名前を間違える奴があるか!」

 ところが、そこへ独演会のチラシを印刷屋が持ってきたところ、そのチラシも「松」福亭と誤植されていたので、「プロでもこれやから、素人ならしゃあないか・・・」と入門が認められたそうだ。


   鳥に関する小噺が続く。

 
 ミナミで、つぶれた百貨店
(そごうか?)にオウムがおってね。賢いオウムで、「オカイモノ ハ ○○」て言いよる。
 ところが、噺家仲間に悪い奴がおってね。毎日、その百貨店に通って、そのオウムに、ライバル
(大丸か?)の名前を言うように教え込みよった。
 ある日、そのオウム、とうとう「オカイモノ ハ ×××」・・・・・・・。次の日、行ったら、もうおらへん。地下の食料品売場で焼き鳥に・・・・・・・。

 

 九官鳥も賢いですな。
 あるとこで、九官鳥の右足に白い糸、左足に赤い糸つないであって、白い糸引っ張ったら「○○○・・・・・・」、赤い糸引っ張ったら「×××・・・・・・・・・」。賢いもんです。

 また、悪い奴がおってね。両方いっぺんに引っ張ったら、何てゆうやろか、ゆうて、引っ張りよった。

 ほしたら、九官鳥が「こら!落ちるやないか!」


 ・・・・・・・・・・・松鶴の九官鳥ゆう有名な噺があってね。
 松鶴が九官鳥を飼おうゆうことになって、普通、ペットショップか何かで買うでしょ?ところが、ある商店街の開店祝セールで7割引・・・・いう九官鳥を買
(こ)うた。

 松鶴ゆう人はね、「誰や?」ゆうのが口癖なんです。

 電話がかかってきても「誰や?」。誰ぞ訪ねてきても、「誰や?」
 ですから、九官鳥が松鶴の「誰や?」ゆうのを覚えてしもた。同じ声色でしゃべるんです。

 松鶴が留守の時、酒屋が来た。

「酒屋の○○です!」
 すると九官鳥が「誰や?」

「酒屋の○○です!」
「誰や?」

「いえ、酒屋です!」
「誰や?」

「酒屋ですぅ!」
「誰や?」

 こんなやり取りが続き、とうとう酒屋の兄ちゃん、泡吹いて倒れてしもた。

 松鶴が帰ってきて、玄関先で倒れてる酒屋の兄ちゃんを見て、こう言(ゆ)うた。
「誰や?」
 そしたら、九官鳥が、
「酒屋です!」

 

 松鶴も文化勲章を・・・という話があったんですが、30年間市民税を滞納したことがばれて、もらえんようになってしもた。

 松鶴は、今みたいに上方落語が盛んやのうて、滅んでまうか・・・ゆう時期でしたんでねぇ。落語会ゆうたら、(上方落語協会)会長自ら下足番やったりね。

 会が終ったら、一升瓶提げて、皆をねぎらいに来てくれたりしました。

 

 猿の話ゆうのがありまして。台湾の猿を何匹か買うことになって・・・・そしたら、そん中に日本の猿が混じってた。
 日本の猿は安い筈やのに、おんなじ値段で入ってる。それでペットショップに文句言いに行ったら・・・・・「通訳です」

 

 松鶴回顧録みたいな小噺の連続。

 太閤秀吉が、無教養を見透かされ、宮廷の貴族から和歌を詠んでくれなどと底意地の悪いリクエストをされる。
 その窮地を切り抜けるアドバイスをする曾呂利。

 秀吉が、朝、お茶を飲むが好みがきつく、なかなかお気に召してもらえない。

 次々に、駄目出しをされるが、不思議なことに曾呂利が出したお茶に限っては、太閤から文句が出たことがない。


 太閤自身も不思議に思って、曾呂利がお茶をいれる様子を蔭からのぞくことにした。

 見ていると、曾呂利は、ごくごく大雑把に茶の葉をいれ、温度も確かめず、適当にお湯をさす。

 お茶をいれ、太閤の湯呑みのお茶をぐい!と一口。
「ちょっと、ぬるいな?」

・・・・・・熱いお湯をさす。

 少し薄いな、とつぶやきながらお茶を足す。

 これを何度か繰り返し、「うん、これでよいか。よし、これをお出ししろ」

 

 あの曾呂利め。余に自分の呑み残しを飲ませよったな!太閤秀吉が、どれほど怒ったことか。

 早速に曾呂利を呼び出し、ぎりぎりと問い詰めた。

「曾呂利!世の中で一番卑怯なことはなんだ!」

 曾呂利、落ち着いて

「はい、のぞき見でございます」

 

 


 


  どうも、お退屈さまでした。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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