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(No142) 四代目桂米團治 顕彰碑建立記念落語会 鑑賞記 その1       

 平成21年5月2日(土)に東成区民ホールで開催された落語会の鑑賞メモ。



 桂米朝の長男、小米朝が、米朝の師匠の名跡を継いで五代目桂米團治を襲名したのはご存知のとおり。

 先代、つまり四代目米團治(本名:中濱賢三。明治29年〜昭和26年)は、大阪市の東成区役所前で代書屋、今でいう行政書士の事務所を開業していた。
 このたび、その「中濱代書事務所」の地に顕彰碑が建立されたのを記念して落語会が開催されたので聴きに行った。

 

 

 

 


 
桂そうば 「子ほめ」


 そうばといえば、先日、東京の方で落語会があったとき、私のサイトをよくのぞいてくださっている「怪傑おばさん頭巾」さんが聴かれたらしい。

 で、噺のマクラが、私が以前メモしたマクラと全く同じだったとのことで、工夫のないやつ、手抜きのやつといたくお怒りだった。

 今回も、ざこばの「七番弟子」ということで名前を読み上げたり、師匠のざこばのことを「中古車のモーター音」にたとえたり、「私のこと知ってる人?」と聞いて、けっこう皆が手を上げるので「ほんまでっかぁ?」と疑い、先日、故郷の九州に錦を飾って落語会をして、同じように聞いたが皆知らん顔だった。
 よく見ると、前列に親もいたので、「親子の縁を切ったろか?」と思ったとか、今回もまたまた同じ。

 まあ、これでは確かに姿勢が問われても仕方ないか。

 別の方では、大阪弁をしっかり聴かせるところで九州の訛りが出ていて興醒め・・・という意見も聞いた。がんばってもらいたいものである。

 

 残念ながら、今回もそれほど良い出来とはいえないだろう。破綻なく筋はたどっているが、それで留まっている感じである。

 で、ラスト近くで、赤ん坊の腹を押す場面(「この子、人形さんみたいやなぁ」、「嬉しいなぁ。人形さんのように可愛いか?」、「いや、人形さんみたいに、腹押したらきゅっきゅきゅ〜ってゆう」ということ)で、親がビックリして止めるのだが「殺しとんのや、それは!」と大声を出す。

 「殺す」なんてナマな言葉を使うから、噺の空気が一気に冷めてしまった。

 サゲは、「どう見てもあさってくらいや」。

 



桂すずめ 「禍は下」


 すずめさんは、ご存知女優の三林京子さん。

 「だんだん」というドラマのおばあちゃん役が終った。
 おばあちゃん役は屈むので筋肉が要る。おかげで10kgやせた。あと10kgやせたら適正体重。

 嫁の貰い手を探している。還暦も近いけど・・・・てなマクラから「禍は下」へ。

 噺としては、桂宗助で3回聴いたので省略する。内容としては、ここが詳しい。

 本人のも以前に聴いた。

 マクラ以外は、前回聴いたのと同じ。

 で、感じたことも全く同じ。
(1) 声の調子がややかん高くて、若干違和感がある。言ってしまうと「ええ歳のおばちゃんが、無理してこまっちゃくれた小僧を演じている」(←をいをい!)ような感じ。

(2) 定吉が旦さんの「釣った」(実は魚屋で買った)魚を説明するところはおもしろい。目刺しで「顔、ひっつけて」というとこや、「そこ、旦さんが網でぴやぁ〜!」と繰り返すとこ、そして、奥さんがぴしゃっ!と打ち切るとこ。

(3) 本当にお前が袴を畳んだのなら、もう一度畳んでみろ、というとこで奥さんが「畳んどぉみ」というとこ、定吉が畳めなくて、2、3回振り回し、(けっこうアッサリと)お手上げ状態になるとこでもちょっと違和感がある。

 



桂宗助 「替わり目」


 前回も本人の替わり目を聴いた。

 「ただいま拍手をいただいた方に限り、厚く御礼申し上げます」というところから、マクラの酒だとすぐ仲良くなれるが、甘いもんではこうは行かん。「どうです?餅半分!」ってとこも、涙流して手を握り合い子供同士の結婚を約束したものの、よぉ考えたら名前も聞いてなかったてとこも同じ。

 噺の部分も、ぴったり同じ。
 違うところというと、前回は「そしたら・・・・」「いただきました」「?何がいただきましたや。干し鱈ちゃうぞ」というところが、
「ほたら・・・」「いただきました」「何ぃ?『ほたら』までいただきやがって」ていうとこぐらいか。 

 3人が3人とも、デジャブ(既視感)にとらわれっぱなしの、コピペ噺ともいうべき落語が3席続き、非常に不安になる。

 続いては、桂ざこば、桂米團治、風間きみ子さん(四代目米團治次女)の鼎談。

 高座を片付け、座談会の設営をするため、緞帳をおろし、しばし休憩。
 しかし、そこにビッグサプライズが待っていた。

 



  どうも、お退屈さまでした。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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