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(No141) 落語共演会 鑑賞記 その3
平成21年9月12日(土)の落語会の鑑賞メモの完結編。
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桂ざこば 「厩火事」
本日のトリは、ざこば師匠。
「こないすぐ脱ぐねんやったら・・・・・」という、いつものセリフの後、
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皆さん、夫婦仲はうまいこといってますか?
うちは、いってまへん。ボロボロです。
うちの嫁はんも、たいがい覚えたらええのに。酒呑んだら人間やのぉなんねんから。
こないだ大阪で相撲があった時、豊中稲荷に荒汐部屋が泊っててね。
私、そこの蒼国来(そうこくらい)ゆう力士をひいきにしてまして。
十両に出世したら一緒に内モンゴル行くわゆうてるんですけどね。
で、こないだ「そうちゃん。芸妓とか舞妓知ってるか?」て聞いたら、まだ連れていってもろたことないゆうから、日本の文化や、いっぺん行こうゆうことで。
エルグランドゆう車、6人乗れるのでね、一人だけ酒飲まん奴入れて、皆で行くことにしました。
嫁はんに「そうちゃん連れて、京のお茶屋行ってくるわ」ゆうたら「そらええけど、あんたいっつも呑んだ後、皆を家に連れて来るけど、あれやめてや」ゆうんです。
「何でや?皆来た方がおもろいがな」ゆうたんですけど、何でもその日、シミ取りに行くらしくて顔にレーザー当てて、そこに膏薬貼るんですな。
そんな顔見られとぉないから、その日だけは連れてこんといてゆうから、よっしゃ、わかったゆうことでね。
皆、順番に拾っていって、最後豊中でそうちゃん乗せて、まず酒屋行って。酒(日本酒)20本と(場内にどよめきが起こったが、まさか一升瓶ではあるまい。一合のワンカップか何かだと思う)、ビールもまあ20本くらい買うてね。
「そうちゃん、はよ十両なれよ」とか言いながら、私、3合くらいは呑みましたかね。
そうちゃんは相撲取りやから、もちろんようけ呑みます。
で、京都着いたんでっけど、いきなりお茶屋行ったら、仕出し弁当か何かで高い金取られるからね。
まず飯屋行こうゆうて。私、この辺、けっこう細かいんです。
飯屋で、まあ2合くらい呑みましたやろか。もうベロベロですわ。
ほんでお茶屋で芸妓、舞妓あげて、やっぱり酒呑んで。
次、行こう!そうちゃんにもう一つの日本の文化見せるんや、ゆうて。
ニューハーフの店でんねんけどね。南座の前のカルシウムハウスゆうとこ。
しやけど、店出る時、テーブルのとこでで〜ん!とこけてしもてね。
皆が、だいぶ酔うてはるから、もう今日はやめときはったらどうですか、ゆうから、せやな、今日は帰ろか。でも、これで別れるのんも寂しいから、皆、うちで呑み直そうやゆうことになって。
家帰って、インターホン押して、「お帰り」、「ああ、今、戻った。皆、一緒に来てんねん」ゆうたとたん、インターホン、ぷつっ!て切られて。
しゃあないから、自分で鍵開けよう思たんですが、いつも、うちの家、鍵穴一つやのに、何でや知らん、その日は穴が五つもあって、どれ入れてええかわからへん。
穴探してたら、ガレージの方で、何や物音がしてるなあ思たら、ブロロロロ・・・・。嫁はん、夜中やのに車乗って、どっか行ってまいよった。
そしたら皆が、「奥さん、えらい怒ったはりましたでぇ。今日は帰らせてもらいますわ」ゆうから、「ああ、そう?悪いなぁ」ゆうて帰ってもらいました。
何とか穴探して中に入って、そのまま玄関で寝てしもた。
朝起きたら、そのまま玄関で寝てた。上に布団掛けてくれてました。その辺は優しいでっしゃろ?
ほんで、嫁はんが「あんた、何か私に謝らなあかんことがあるやろ!」てゆうんです。
そんなん訳分からん。
でも、まあ、そないゆうてるから「えらいゆんべはすまなんだ」て謝ったら、「何がいったいすまなんだん?」て言いよる。
知らんがな、お前が謝れゆうから謝ったやないか。そしたら、理由も分からんと謝ったんか!ゆうて余計怒られて。それ以来、ずっとおかしな雰囲気になってるんです。
結婚して36年になるんですが、そうでんなぁ、1年に1回くらいは大きな波がありまんなぁ。
私は、大きなことがあると米朝のところに相談に行くんですが、嫁はんは嫁はんで、誰ぞのとこへ相談に行ってるんでしょう。
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というところで、ようやく「厩火事」冒頭の、「今度こそ別れる」と相談に来た場面につながる。
噺自体は、前に一度詳しめにメモしたので、省略する。
気づいたのは、「昔、唐(もろこし)で・・・」という話を「物干し?」と聞き違えたおさきさんに、前回はただ「物干しやのうてもろこし。昔の中国や」と、さらっと注意したが、今回は「・・・・・物干しの話して、おもろいか?」と問い質す演出だった。
ひょっとすると、八方の話を袖で聴いていて、無意識に影響を受けたのかもしれない。
それと、前回は「物干しか、猿の大将か」という二択だったが、今回は「物干し」ではなく、「ちっちゃい牛やわ」と一喜一憂していた。 |
まん我は手慣れた感じだったが、やや雑な感じもした。初めて聴いた八天は、噺自体はなかなか良かったと思うが、最後、高座を立った時に「けっ、くそおもろもない」てな、いやな表情を一瞬見せたのが気になった。しかし、全体通せば、この料金でこのメンバーであり、おとくな落語会であった。
しかしながら、残念なことに私の右側、そして真ん前(こいつが特に最悪だった)にマナーの悪い客がいて、楽しむ雰囲気が損なわれてしまった。まあ、「天災」と割り切るしかない。
どうも、お退屈さまでした。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。
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