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(No127) 扇町寄席 米朝一門SP TV鑑賞記その2       

   平成21年1月3日に放送された扇町寄席のメモ・・・・の続き。



 

(2) W親子対談

 扇町寄席では南光と八光(はちみつ。月亭八方の息子)が司会。今日は米團治と米朝師匠、そして八方もゲストなのでW親子対談という形になった。
 ただ、今回は五代目米團治襲名記念なので、爆笑親子トークということで、米團治から米朝師匠への質問を中心に進められた。

南光 「このコーナーでは、米團治さんから師匠でありお父様である米朝師匠に、親子であるがゆえに、なかなか改めては訊きにくいことをボードにしてますんで質問していく、ということで進めさせていただきたいと思います。

 それでは八光君、最初のボードをお願いします」

 


八光 「はい」

(ボード)
「先代米團治って、どんな人ですか?」

 


米團治 「いつも師匠から陰気な人やっちゅうのは聞いてるんですが、とにかく、何か陰気以外の言葉を聞きたいんです」

 

米朝 「今、本番か?

南光 「師匠、こない正月からボケられては・・・・・。

 師匠、客が入ってへんからリハーサルや思いはったんでしょ?
 トーク部分はお客さんなしで撮りますんで。

 師匠、芸域広げはりましたねぇ

米朝 「陰気な人やったねぇ」

(全員、ずっこける)
米團治 「いや、陰気以外の言葉が聞きたいんです」

米朝 「噺は上手やったよ。陰気やったけどね。
 何ちゅうんかな。押して笑わす人と、引いて笑わす人がおるけど」

南光 「はい、いわゆる押し芸と引き芸ですね」

米朝 「先代は、引いて笑わす方やったね。
 ぐ〜〜っと押さずにすっ!と引く」





南光 「米團治さんは、いろいろ調べたんやね?」

米團治 「はい。襲名することが決まってから、先代の娘さんからお手紙をいただきました。それでおうちにお邪魔して、先代の遺品、段ボール2箱くらい見せてもらいました」

南光 「どんなもんが?」

米團治 「画、俳画とか、書とかね。代書屋さんやってはったくらいですから。それとアルバム。私ら、先代の写真ゆうたら、何や上向いてぎろっとにらんでるような写真ばっかりやったから、笑ってる写真もありまして」



南光 「笑うこともあったんでっか?」

米朝 「あるわいな、そら」

南光 「
(嬉しそうな表情で)皆さん、聞きましたか?
 米朝師匠につっこんでいただきました



米朝 「洒脱な人やったねぇ」

米團治 「段ボール箱に娘さん入れて、人間、エサ与えるべからず、てね。

 その写真も見せていただきました」

米朝 「日本産人間(子)って書いてね。エサを与えるべからずって書きはったそうですな」

 

 

南光 「続きまして、次のボードを」

八光 「あのひとことはマジですか?」

米團治 「だいぶ前なんですが、確か『崇徳院』やったと思うんですが、受けなかったんですね。
 ほんで、ちょっと入り方をトチりまして・・・とか、ちょっと順番がテレコ
(逆)になってしもて、とか、まあ言い訳したんです。

 そしたら、師匠が『いや・・・・いや、せやないねん。そうゆうことより・・・・・・下手やねん』て」

南光 「・・・・・そら本当でしょ?でも、それは弟子には言いはりませんわ。やっぱり我が子やから。愛情ですわ。 どうです、師匠。覚えてはりますか?」

米朝 「覚えてへんけど・・・・おそらくゆうてるやろなぁ。ほんまに下手やと思たんでしょう」

南光 「聞かんかった方がよかったんちゃうか?」

米朝 「いや、下手と言われてもええんですよ。下手やってもええねん」

米團治 「こら深いお言葉ですね」
南光 「どうですか、八方さん。息子の八光さんの芸をみて、どう思われますか?」

八方 「下手やねぇ」

南光 「八光君。あぁた、お父さんの芸を見て、どう思われます?」

八光 「下手です。親から子ぉに、しっかり芸は引き継がれていると思います」

南光 「それでは次の質問」

八光 「今から何か始めるとしたら何を選びますか?
(1) 海外旅行
(2) 運転免許取得
(3) 若い彼女を持つ 」

米團治 「師匠は、落語以外の趣味を持ってないんでね。脳のリフレッシュのためにも、何か趣味を持ってもらいたい思て」

南光 「まず1番の海外旅行ですが、師匠は何せ人間国宝やから、海外に出るには国の許可がいるねん」

米朝 「ほんまかいな?」

南光 「
(中田)ボタンさんに聞いたけど、犯罪者も同じらしいです」

八方 「危険な国へは行けんのでしょうな」

南光 「どこへ行きたいですか?」

米朝 「別にないねぇ」

米團治 「しいて、ゆうたら?」

米朝 「まあ、アジアの内かなぁ」

南光 「アジアとゆえば、あちらの八方さんが非常にお詳しい。何せタイの親善大使でらっしゃいますから」

八方 「師匠、タイゆうのは、ほんま日本人に優しい、ええ国ですよ」

南光 「次の運転免許取得ですが・・・・・何か別のこと考えてるんちゃうか?保険によぉけ入ってるらしいやないか?」

米團治 「いや、そんなことは。(笑福亭)松之助師匠が免許取らはったし、水泳もやったはるしね」

南光 「松之助師匠は、ゆうても50くらいで始めはったんやで。師匠は83でっせ。

 で、師匠、若い彼女ゆうのは?」

米朝 「しんどいな」

八光 「師匠が合うゆうたら、やっぱ60過ぎくらいの女性なんですよね?」

(八光以外は、思わず「そらちゃうやろ」と突っ込む)
南光 「師匠、60過ぎの女性と、20の女性やったら、どっちがよろしぃ?」

米朝 「(間髪入れず)そら二十歳(はたち)やで

八方 「二十歳の子ぉで師匠の方へ、こっちの世界に入れる子がええよ。こっちから向こうへは行かれへんねんから」

米團治 「そんな子、いますぅ?二十歳で芝居好き?」

八方 「二十歳で御茶屋好き」

南光 「長唄が好きで、浄瑠璃好き。

 さて、最後のボードを」

八光 「襲名記念に何か貰えませんか?」

南光 「何が貰いたいんですか?」

米團治 「・・・・サインが貰いたいんです」

南光 「はは〜ん。家の権利書とか。怖い、怖い

米團治 「ちゃいますよ。ちゃんと色紙に書いたやつ」

八方 「芸名でええんかぁ?本名で・・・なんてゆうんちゃうやろなぁ?」

米團治 「実印ついて・・・・ってちゃう、ちゃう。私ら、ファンの方に頼まれてサインの受け渡しは何べんでもしたことあるけど、自分では1枚も持ってないんです」

米朝 「枝雀のんは持ってるか?気ぃ付いたら死んどったしなぁ」

南光 「僕は米朝師匠のサイン、1枚持ってるで。
 高校の時、師匠が審査員やってはった素人名人会出て、梅田花月で貰ったんや。森本君へって書いたぁる。この森本君ゆうのがなかったら売れるねんけど」

米團治 「ほな書いてもらえます?」

南光 「私も1枚・・・・」

八方 「1枚と言わず、この際書けるだけ書いてもろたら?」

南光 「営業やがな、それでは」

米朝 「何て書いたらええねん?」

米團治 「何でもええですけど。寿福とでも」

米朝 「寿福てな、寿(ことぶき)に福やで。そんなもん、おもろいことも何もない」

南光 「師匠。色紙は別におもろのぉてもええんです

米朝 「(書くための小机と色紙、筆が出され)えらい段取りがええな」

米團治 「(書きあがった色紙をTVに見せ)ありがとうございます。お値打ちですね」

南光 「お値打ちですねって、完全にオークションに出す気やないか

八方 「米團治さん江って書いといてもぉた方がええんちゃうか?」

米團治 「まだ師匠から米團治って呼ばれたことないんです」

米朝 「親子で呼び合うこともないしな。それに師匠の名前やし」

南光 「お正月ですから、ここは師匠から『米團治!』って呼んだってください。そしたらボ〜ン!と花火が上がりますから」

米朝 「花火上がんねんやったら、ゆうてもええで」

南光 「米團治さん。あんたの方からゆわな」

米團治 「米朝師匠、今年もよろしくお願いします」

米朝 「うん、米團治。(上の方を見上げ)花火あがらんやないか

 



  どうも、お退屈さまでした。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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