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(No116) 桂小米朝改メ五代目桂米團治襲名披露公演 鑑賞記その2       

 平成20年11月27日(木)午後6時30分開演の前売り券を買っていた。しかし、その夜、どうしても抜けられない仕事が入ってしまった。ようやくその仕事が終ったのは8時半過ぎ。もうあきらめて帰ろうか・・・とも思ったが、せっかく前売り券まで買ってるのだから、米團治の高座だけでも聴けたら・・・・と思い、雨の中必死にサンケイホールブリーゼまで走った・・・・・・・の続き。




 

(2) 桂米團治 「親子茶屋」

 


  いよいよ千秋楽でして。師匠の師匠の名前ですからね。たかが名前、されど名前、てゆうか。

 10月4日に京都の南座で襲名披露をスタートさせてもろたんですが、その1週間前に南座の支配人と打ち合わせをしました。そしたら支配人が「いつ襲名しはるんですか?」って。「え?ここでやるんですよ」ってゆうたんですが、「いや、10月4日のいつ、米團治になるんですか?」って。聞いたら、歌舞伎の襲名ではいろいろ”決め”があるそうなんです。
 楽屋入りの時に変わるとか、着名板を引っくり返した時に変わるとか、口上を述べる幕が上がった時に変わるとか。私、思わず言いました、「何にも考えてません!」

 それで日の出とともに変わろうと。いいでしょ、朝陽とともに変わるってのも。すると支配人が訊くんです。「どこの日の出時刻ですか?」

 ざこばさんが「ニュージーランドにせえ!世界で一番早
(はよ)ぉに朝が来る」って。

 でも、ニュージーランドの夜明けゆうのもねぇ。それで、やっぱり大阪の日の出にしてくださいってゆうたんです。そしたら、支配人がインターネットで検索してくれて。そしたら、大阪の日の出の時刻が午前5時55分。そして、私が5代目!

 そしたら南光兄さんが「雨降ったら どないすんねん?生涯、日の目みいひん」。・・・・・・ええ兄弟子ですわ。

 で、初日は無事晴れました。ほんで、千秋楽の今日、夜の部の前に雨が降りました。
 これは、襲名披露で根ぇを生やしたから、水をやらねばならないゆうことやと言われました。
 後は、肥やしですな。そのために、今まで色街で修行してきました。
 今、三味線弾いていただいてるのが、枝雀師匠の奥さんなんですけど「肥やし、やり過ぎたら根ぇから腐るでぇ〜」。


 小米朝ゆう名前を付けてくらはったんは、枝雀師匠なんです。「小米朝で行こうぉ〜!!わっかりやすいでしょう〜?」って。

 初めて独演会やらしてもぉたんが、北海道の札幌でして。前座の噺が終って、私の出囃子が鳴って、高座が上がって「めくり」をひょっ!と見たら・・・・・・「子米朝」。ある意味、合
(お)うてます。

 「お父さんのファンなんですぅ〜」・・・・・って、何回言われたでしょう。まあ、その辺のことを書いた『子米朝』とゆう本を出さしてもらいました。宣伝ではございません。決して宣伝ではございませんが、1570円です


 今日は船場の商家の噺を聴いていただきます。まあ、船場と言いましても、料理屋の吉兆ではございません。とにかく今年は、船場と言えば、ああ、あの店やな、と。あこのおかみさん、
(場内を見回して)まあ、今日は来てへんと思うんですが。

 あの事件は、事態が深刻になればなるほど笑えるとゆう、いかにも大阪らしい事件でございました。

「頭が真っ白・・・」とかね。親が教えたこと、子供がおんなじことをゆう。何や人事
(ひとごと)と思えんような。




  

 

「これ、定吉。うちのドラはどうしてますかな」
「へえ。最前まで物干しにいてましたが、今は屋根へ上がったようです」
「何の話をしてますのや?」
「へえ。うちのトラ」
「誰が猫の話をしてますねん。うちのドラ、どら息子の話ですがな。せがれ、作治郎はどないしてますかな?」
「若旦那やったら、離れで本、読んだはります」
「時間は取らせんから、ちょっとこちらへ、とゆうてきなはれ」
「へぇ〜〜い

 よぉ怒られる若旦那や。

 うぉ〜い ドラぁ〜 作んちょ〜
(ずいぶん馴れ馴れしい呼びかけぶりだ。友達付き合いしてるのか?) 親旦さんが『お手間は取らせん じきにこれへってゆうて』」
「今、行くっちゅうとけ!」

「へぇ〜い 旦さん 行ってまいりました」
「作治郎は、どないゆうてました?」
「今、行くっちゅうとけ!」
「何をゆうねや。仮に作治郎がほんまにそうゆうたとしても、こなたは何で丁寧に言わんのじゃ。

 ん?そこに立ってるのは作治郎か?何を、ぼ〜っと立ってるのや?遠慮はいらん。おざぶ(座布団)当てなはれ。遠慮はずいぶん、外でしくされ(遠慮は外でせよ)」 
「ああ、おとっつぁん。おはようさん」
「ええ?頭でもおかしなったんか?台所の様子見たら、お昼前やで」
「いえ、おとっつぁんに呼ばれたとこみたら、お小言かいな、と思たんですが、いつもやったらお昼ご飯の後やのに、今日はえらい早いさかい、おはようさんと。
 まあ、日にいっぺん無くてはならんもんやったら、はよ始めて、はよ終った方がお互い気の片付きがええ」
「何じゃ、こなた、私の小言を待ってなさるのか?
 こないな小言、言いたいもんか、言いとないもんか」
「そら、そないな小言、聞きたいもんか、聞きとぉないもんか」
「それをこなたが言わしなはる」
「いいえ、あんたが言いなはる」
「ほんまにこなたとゆう人は・・・」
「ほんまにあんたとゆう人は・・・」
「掛け合いやがな」

「おやっさん。あんた、『・・・
(メモできず)・・・雀、鳴子にぞ寄る』ってゆう歌、知ってなはるか?」
「知りまへん。歌つくるより田ぁつくれ。何がしよりも金貸しがよい・・・と教えられましたからな」
「これはでんな。お百姓が朝は朝星
(あさぼし)、夜は夜星(よぼし)、丹精してこしらえた米を雀が食べに来る。これを追おうと田んぼに縄を縦横に張り巡らして、鳴子(なるこ)ゆうもんをぶら下げる。

 しかしでっせ。米を一粒たりとも盗られとぉないゆうて、一日中鳴子を鳴らし続けに鳴らしてみなはれ。雀もその音に慣れてしもて、ああ、鳴子てなもんは音はやかましいけど、怖いもんやないな、ゆうて、鳴子の音聞きながら米、食べるてなもんや。度胸のええ雀なんか、鳴子の上にとまってフンかける。

 まあ、ゆうたらわいは、おとっつぁんの田ぁに遊びに来た雀ですわ。これが、おとっつぁんがここ!っゆうとこで叱るねやったら身にしみまっけど、それをおとっつぁんみたいに朝になったらせがれ〜!ゆうてガラガラ、夕べになったら作治郎!ゆうてガラガラ・・・・では、お小言聞きながらゼニ使う。しまいには・・・・・そんなことしまへんで。そんなことしまへんけど、おとっつぁんの頭にフンかける・・・・・」

「これ!ほっといたら、なんちゅうことゆうのや。そこまでゆうなら、もう小言は言おまい。しかし、一つだけ聞いときたい。おまはん、ずいぶんと通いつめてる芸者と、親とどっちが大事か、これだけ聞いときたい」
「ええ?おとっつぁん、そんなもん、話にも何も・・・」
「そうじゃろう?しだらがしだらによって、こんなことを聞かな、ならん」
「親が大事か、おなごが大事かゆうて、そんなもん、頭から秤
(はかり)にも天秤(てんびん)にも・・・」
「それをこなたに習やせん、とゆうてますのや。こなたとて、やっぱり親が大事と言いなさるじゃろ?」
「え?芸者でっせ」
「ほぉ〜〜?そのわけ、聞こか?」

「おとっつぁん、芸者ゆうたら悪い女て決めてかかってまっしゃろ?ところが、わいがつっきゃい
(付き合い)してる市まめゆうおなご、こないだ、わざと『お前も、わいが金持ってくるさかい、若旦那やのボンボンやのとゆうてくれるが、勘当でもされたら鼻も引っかけてくれんのやろなぁ』とゆうたったんだ。
 そしたら、市まめ、わいの顔をじぃ〜っと見てたか思たら、涙ぽろ〜っと流して『も〜し、若旦那。願わんことではございますけれども、どうぞ勘当されとくれやす。若旦那の一人くらい、この私が、養い通してご覧に入れます』て、こないなこと言いまんねん。

『そやけど、いつまでもここでブラブラしてる訳にもいかんやないか』ゆうたると、
『大阪ばっかり陽が当たるもんでもなし。東京行って、一旗上げよやおへんか』
『旅費がないがな』
『そこは、若旦那が置き手拭い、わたいが三味線持って、軒下、門づけで行たらよろしいやおへんか』
『東京行たかて、商売の資本
(もとで)もないし』
『ほな、わたいの身体、一時、芳町
(よしちょう)か柳橋にしずめとくれやす。その金を元手にニ、三年も商売したら道もついてくるし、わたいの年季も明ける。そしたら夫婦で共稼ぎ、生涯仲良ぉ暮らそやおへんか』・・・て、こない可愛いことゆうてくれまんねん。

 そこいくと、おとっつぁん。そら、今は金もおますで。せやけど、世間には不時の災難ゆうのがおます。家が丸焼けにでもなってみなはれ。当座は、気の毒な、この服着なはれ、これ食べなはれ・・・と同情してくれまっけど、こんなんは長続きしまへん。

『おとっつぁん、どないしょう?』
『大阪ばかりに陽が当たるもんでもなし、東京行って一旗あげようやないか』
『せやけど、おとっつぁん、旅費がないで』
『何の、せがれ。お前が置き手拭い、わいが三味線・・・・・』て、あんた弾きなはるか?夜回りの太鼓ですら、間ぁ外す不細工な人間やのに。

 しゃあない、『大阪の焼け出されが難渋いたしております。5分前に食べたもんもわかりまへん』ゆうて、同情ひいて、貰い貯めして東京に着いたとしょうか。
『おとっつぁん、商売の元手もないで』
『ええがな。わいの身体、一時、芳町か柳橋に・・・・』て、買
(こ)うてくれるかぁ?そんなもん、高津の黒焼き屋でも買うてくれんわ。

 そんな老いぼれ親父と綺麗な芸者を比べるやなんて、そんなもん、頭から秤にも、天秤にも・・・・」

(あまりの言い草に逆上し、「出て行け!」と叫ぶ親旦那を番頭がなだめて)
「お腹立ちはごもっともでございます」
「番頭はん、聞きなはったか。事もあろうに、親を黒焼き屋に売るやの、フンかけるやのと・・・・」
「どうぞ、この番頭に免じまして。
 ところで、親旦さん、どうでやすやろ。島之内の万福寺さんでお念仏の座ぁが、ゆった
(法話の会がある)そうでっさかい、気分直しに」
「頼みにするのは阿弥陀さまばかり。ありがたい説教でも聴いて、後世を願うとしょうかい」
「そうなされませ。これ、店の者、旦那様がお出かけなさるぞ」

(丁稚が)
「旦さん、お履物はこれに。お杖はここでございます」
「うん。今の息を忘れるでないぞ。番頭どんを見習って、立派な商人
(あきんど)になんなされや。必ず、ともに極道を倣(なら)うでないぞ(極道者の作治郎の真似をするのではないぞ)

 おさまって家を出る。こうゆうと、この旦那さん、いかにも物堅いお人に聞こえますが、実は極道は若旦那より二枚も三枚も上とゆう。
 数珠は丸めて袂
(たもと)の中。万福寺尻目に殺して、南へ、南へ。戎橋の北詰を入ると宗右衛門町(そうえもんちょう)。いつに変わらぬ、陽気なことぉ〜(鳴り物が入る)

いつ来ても、この遊里(さと)ばかりは賑やかなもんや。有るや無いやわからん地獄や極楽を当てにするより、これがこの世の極楽やがな。若いもんが来たがるのも無理はないで。
 しかし、わしが使う、せがれが使う・・・では、うちの身代、たまったもんやないでな。・・・・・・いっそのこと、あのガキ、死にやがったらええのに・・・。若いもん見送ろう思たら、たいがいのこっちゃないで。

(常連の店で)はい、ごめんよ。いつもの部屋、空いてるかいな?」

「あ〜、旦さん。鈍
(どん)なこって、今、ちょっとふさがってまんの。後で、空いたらすぐ替えまっさかい、ちょっと、表の間ぁで」
「ええ?かなんなぁ。いつもゆうてるやろ?年寄りの隠れ遊びや、ゆうて。表の間ぁは、顔がさすよってどんならん
(誰に顔を見られて正体がばれるとも限らんので困る)。空いたらすぐに替わってや」
「へい。どうぞお二階へ」

 付き出しを肴に仲居さん相手にチビチビやってますとゆうと、そのうちきれいどころがやって来る。

「おお。幾松に国松。荒神松に、おそ松も来たんか。ん?えらい可愛い子ぉが来たなぁ。何?幾松の妹?七つ?へぇ〜。こない小さいうちから修行したら立派な芸妓(げいこ)になるわ。おざぶ(座布団)当て。
 えらい、きれいなべべ
(着物)着て」
「これ、ねえちゃんの染め直し」
「そんなこと、ゆわんでええがな。でや、もっとこっちへおいで」
「スケベ〜!」

「何をゆうてんねん。おっ、もう囃してくれてんのか?えらい勉強やな。ほな、いつものやつ、いこか。つろよ、つろよ、ゆうやつ」
「へえ、狐つりでんな」

(若い芸妓が小声で先輩に訊く)
「姉ちゃん、『狐つり』て何?」
「扇子で目隠しして、『つろよ、つろよ』ゆうて鬼ごと
(鬼ごっこ)の真似すんの」
「うわ、とろくさ。わて、もぉ帰らしてもらおかしらん」
「この旦さん、これしか知らはらへんねん。商売やから、しゃあないやないか。かまへんから、段梯子
(だんばしご)のねき(近く)まで連れていって、どぉ〜んと突き落としたったらええねん」
「そんなことしたら、怪我するやないか」
「ほたら、二度と来いで
(来ないから)ええやないか」

(目隠しをしてもらってる旦那)
「どくしょうに
(むちゃくちゃに、きつく)締めるんやないで」(扇子を半ば開いて顔に当て、手拭いで縛る感じ)

(旦那の目隠しができたので、芸妓衆が囃したてる)
「♪ つろよ、つろよ 信太
(しのだ)の森の 親旦さんを つろよ ♪」
(旦那)「♪ やっつく やっつく やっつくな ♪」
「♪ もっと こっちへ おいなはれ
(おいでなさい) ♪」
(旦那)「♪ そっちに 行ったら 落とされる ♪」

(芸妓、口を押さえ、目を丸くして)「旦さん、みな知ってんねやがな!」


(一方、表を歩いている若旦那)
「今日だけは来
(こ)んとこぉ思てたんやけどなぁ。夕方小前になったら、親の意見もすこ〜んと忘れるだけ有り難いわ。

 おっ、二階の座敷、狐つりか。古風な遊び、してるやないか。頭の後ろのはげ具合なんか、うちの親父によぉ似てるのになぁ。ここで金落としてる人がいてるか思たら、うちの親父みたいに銭箱の番しか能のない人間もおる。爪のあかでも煎じて飲ませたいなぁ。
 待てよ。この店、前にいっぺん来たことあるで。入ってみたろ。

 今晩は」
「あら、若旦さん」
「二階、えらい古風な遊び、したはるけど、どこの旦さんや?」
「それが、年寄りの隠れ遊びや、ゆうてお所もお名前も明かしはりまへんの。ただ、船場のあるご大家
(たいけ)の旦さんとだけ」
「ますます粋やないか。でやろ、一座さしてもらうわけにいかんやろか。いや、タダではいかれへんやろ。
 今日、どんだけ使
(つこ)てはるか分からんけど、皆・・・・とゆうと失礼な。どや、半分だけ持たしてもらうゆうことで頼んでもらえんやろか?」
「ええ?さよか。ああ見えて、勘定高いとこもある旦さんやさかい、会計のことゆうたら、うまいこといくかもしれまへん。ほな、ちょっと行ってきまっさ。

(女将は、二階の親旦那に)
 もし、お二階の・・・・お二階の!」
「何や、せっかく興が乗ってきたとこやのに」
「ちょっとお耳を拝借」
「何じゃ、また、芝居行きの催促か?・・・・何、なに?一座したい?せやから、外から見える部屋はいややと・・・・ん?勘定を?皆とゆうたら失礼な?・・・・・半分だけかぁ〜。別に、皆もってもろても、失礼なことないねんけど。・・・・ほな上がってもらおか」
「そうでっかぁ、えらいおおきに。で、旦さん、いきなり上がって挨拶・・・・ゆうとお座が白けまっさかいに、下で、この若旦那を子狐に仕立てて二階へ上げますよって、さんざほたえた
(さんざんふざけた)後で、目隠し取ってご対面ゆうことで。

 ほな、ちょっと待っとくれやっしゃ」

(女将は、下の若旦那の所に降りていき)
「上首尾、上首尾。やっぱり、会計のことゆうたら、しゅっ!と」
「・・・・・そうゆうとこ、うちの親父によぉ似とるなぁ。
 え?子狐?そら趣向やなぁ」
(女将、若旦那に目隠しして、二階に声を掛け、手を取って階段を上がる)
「子狐!上げまっせぇ〜!」
♪ つろよ つろよ 信太の森の 子狐どんを つろよ ♪
(若旦那)♪ やっつく やっつく やっつくな ♪
♪ つろよ つろよ 信太の森の 親狐も つろよ ♪
(親旦那)♪ やっつく やっつく やっつくな ♪ 

♪ やっつく やっつく やっつくな ♪ ♪ やっつく やっつく やっつくな ♪
♪ やっつく やっつく やっつくな ♪ ♪ やっつく やっつく やっつくな ♪ 
(若旦那と親旦那の掛け合いが続く。だんだんテンポが早くなっていく。と、とうとう、親旦那の方が、ゲホゲホとむせる)

「・・・・ちょっと待っておくれ。年は取りとぉないわい。ちょっとほたえただけで、息が切れる。

(目隠しを取りながら)
 どこのどなたかは存じませんが、こんな年寄りの隠れ遊びが気に入った、一座してやろぉとはありがたいことで。以後は一つ、お見知り置きを・・・・・・・・
(顔を見ると息子なので驚いて)
 せがれか・・・・・。必ず博打は、ならんぞ」


  ひょっとすると、このさげ(オチ)が分かりにくいと感じられる方がいらっしゃるかもしれないので、蛇足の解説を。

 これは、道楽息子に芸者遊びをたしなめていた親父が、自分も芸者遊びをしている現場を見られてしまったため、(さすがに、俺はともかく、お前はやっぱり芸者遊びをするなと叱るまでの厚顔さはなく)「賭け事はするな」と方向転換した・・・・というさげである。

 道楽者の若旦那の描写が板についており(「描写」でなく、「地」かもしれない)なかなかの好演だったと思う。



  どうも、お退屈さまでした。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。  
 



 

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