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(No111) 毎日放送「特選!!落語全集」 ビデオ鑑賞記その2       

 いつの放送かわからないのは同じ。ただ、前回は「同じビデオに96年のK−1福岡大会(決勝はマイク・ベルナルドvsミルコ・クロコップ)が収録されていたので、その辺か?」と書いたが、今回の噺の中で「もう53(歳)でっせ」とゆう言葉があった。ざこば師匠は1947年生まれなので、96年前後ではなく、2000年前後ではないかと思われる。

 さらに、前回の対談で出ていた「尽くさんかい」というCDは1999年12月20日リリースのようだ。八方がそのCDを「去年の暮れか今年の初めに出た」と言っていたので、この番組の放映は2000年の初め頃と思われる。




 

(3) 桂ざこば 「厩火事」

 

 最前(さいぜん。さっき)も八方やんと女房の話をしてたんですが・・・合うのか、合わんのか。
 まあ、嫁さんと漫才はできませんわ。家の中がおもろない。息が合わんのです。

 うち、親子電話ですねん。下に親の電話があって、上の私の部屋に子機が立ってるんですが。子供の部屋にも子機がありますねん。

 で、電話がリ〜ン!って、鳴りますやろ。私は、嫁はんがすぐ出る思うんです。それが・・・・・・取らんのですわ。取りゃあええのに。

 しゃあないから、私が出ますやろ?ほたら、「奥さん、おられます?」。内線で嫁さん呼び出して、そしたら、すぐ取るんです。「友達からや」「ふん」ゆうて話しよる。せやったら、先、出てくれや!
・・・・・・腹立ちまっせぇ〜。

 
 せや思たら、また、リ〜ン、リ〜ン鳴ってるから、しゃあない思て、手ぇ伸ばして取りかけたら、パッ!と下で取りよるんだ。タイミングの悪いやっちゃ。もう、そんなことでも、涙、出まんねん。

 こう、パソコンとかやってますやろ。
(キーボードを叩く格好)そしたら、リンリン鳴ってまんねん。こっちゃあ手ぇ離されへん。「早(はよ)、取ってくれぇ〜!」でも、出よらん。
「ううううう・・・・・もぉ〜!!」って、辛抱たまらんようになって、受話器取ろう思たら、パッ!と。それやったら、取るなぁ〜!!!

 ・・・・・・・もう、あかん!別れる!
 



 こないだね、友達から携帯電話をね、海で使えるゆうカバーをもろたんです。携帯って、水に弱いでしょ?せやけど、そのカバー付けたら、そのまま海に潜ったりできるらしい。

・・・・・・・泳ぐのに、やで。携帯持って、泳ぐかぁ?
 そんなん、なおしとけ
(仕舞っておけ)てゆうたんです。せっかくくれた友達、聞いてたら気ぃ悪いけどね。

 その後、娘が、携帯が具合悪いねんてゆうてきた。何や、文字が出ぇへんらしい。画面が青、一色になって。アドレスとか、みんな飛んでもた、て。
 ほんでね、娘にゆうたんですわ。
「お前、年中、風呂で携帯使
(つこ)てるやろ。携帯みたいなもん、水に弱いて知ってるやろが。風呂場で使うよって、湯気が入って、わや(ダメ)になってまうんや。ばかたれが。
 しやけど、しゃあないやないか。次のん買
(こ)うて来い。高いねんぞ、ばかたれが」 

 次の日、お父さん、こんなん買
(こ)うてきてん、て見せよる。前のんと同(おんな)じかい、て訊いたら、今度の方が新しいねん、て言いよる。
「高いねんやろ。もう、絶対、風呂で使うなよ」
「うん、わかった」

・・・・・娘は、わかった、もう、使わんゆうてまんねん。それやのに、嫁はんが、
「あ、お父さん。せやったら、こないだ、友達にもろた、あのカバー使
(つこ)たら、どないやろ?」って。

(怒りのあまり、突き出した人さし指が震えている)
「な、何で、そんなことゆうねん!!」
 ほんなら、言い訳しよる。
「そんなつもりでゆうたんと違うがな」
・・・・・・・・・・とにかく、腹立ちまっせ。


 湯ぅ沸かすポット、おますやろ
(あるでしょう)
 中見えるとこがあって、使
(つこ)たら、減っていきよる。

 わい、湯呑みに2杯、呑みまんねん。

 私、いつも満杯であってほしい。せやから、減ったら、私、湯ぅを自分で入れまんねん。私、そうゆうとこ、あるんです。
 そしたら、嫁はんが「あてつけに、そんなことせんかて
(しなくたって)
 古い湯ぅとさら
(新しい)の湯ぅがまざったら、おかしなことになりますやろ。
 全部、使
(つこ)てから入れよ、思てたのに!」
 こんな言い訳しよるんだ。

 せや思たら、こないだ見たら、途中やのに湯ぅ足しとる。
(昂奮のあまり、声も震えている)「お、お前。こないだ、全部使(つこ)てから・・・って、ゆうてたやないか!」

 崩壊寸前ですわ。ま、どこのうちでも多少はそうでっしゃろけど。
 それでなかったら、うちの家だけがこんなんやったら、かなん。

 言い訳していらんのです。そんなつもりやなかったぁ・・・とかね。黙ってイエスマンになってほしいんです。

「俺は芸人やぞ!」
「え?あんた、芸人やったら、何、してもよろしぃんか?」

 そんなつもりでゆうたんやないんです。私は芸人やから、芸人や、ゆうてるだけなんです。これが、私が大工やったら、「俺は大工やぞ」ってゆうんです。
 もし、サラリーマンやったら、「俺はサラリーマンやぞ」って、同
(おんな)じ意味でゆうの!
 「俺は噺家やぞ」ってゆうたら、あかんのか?

(ふと我に返り)すんません。はははははは。笑いごっちゃ(笑い事では)ない。私、もう53(歳)ですわ。

 まあ、どなたも一度や二度は、別れよぅて思たことがあるんやないか。そんなんいっぺんも考えたことない、てな人は、まれや思うんですが。





「あの、ちょっと、お兄さん」
「おお、おさきさんかいな」
「今日とゆう今日は、あの人と別れたい思て。せやから、仲人してもろたお兄さんに相談に来ましてん」
「ええ〜?わい、おまはんらの夫婦
(みょうと)げんかの話、聞くのんいややねんけどなぁ。
 第一、おまはん、すぐにお兄さんに仲人してもぉたぁ、してもぉたぁゆうけど、わい、仲人なんかしてへんでぇ。
 仲人・・・・みたいなことはしたけどなぁ。どっちかゆうたら、あんなんと一緒んなったらあかん、ゆうてたからなぁ」「いえ、お兄さん。今日はいつもとちゃいますねん。
 うちの所帯、ゆうたら、わたいが髪結いしてやっていってますやんか。
 うちの人、仕事もせんとブラブラして。

 こないだ、ちょっと仕事で遅なったから、早
(は)よ帰ろ思てたんでっけど、道でばた〜っと姉弟子さんに会(お)うたんですわ。そしたら、指を怪我してお得意さんを回られへんようになったから、2軒だけ助(す)けてくれへんやろか、て言わはって。断れまへんやろ?
 急いで、その2軒まわって家帰ったら、うちの人、怖い顔して座ってまんの。
 ほんで、お疲れさんも何ものうて、いきなり『こんな遅ぅまで、どこ、のたくり倒しとった
(ほっつき歩いていた)んじゃい!』て、えらい剣幕ですねん。もう、私、情けのうて。ほんで、お兄さんに相談に」

「・・・・せやろ。せやから、あんなんと一緒になったらあかんゆうたんや。

 あいつは、元々うちの二階で居候してた奴やさかいな。お前が、うちに髪結いに来た時、上から下りてきたあいつを見て、お兄さん、ええ男やないか、ちょっと話つけて、紹介して、てゆうたんやで。

 俺は、あいつはあかん、遊び人、極道や、お前が苦労するゆうたのに、お前は、ああゆう人にはわたいみたいなもんがついてな、あきまへん。わたいが、あの人の心を入れ替えてみせますてゆうたんや。

 それが、案の定、こんなこっちゃ。
 もう、今日は前みたいに、もうちょい我慢しぃとか、考え直しぃとかゆわんで。
 とゆうのは、わいもこないだ、あいつにむかっと来たことがあったんや。こないだ、ちょっと竹
(※ 男の名前)に用事があってな。あんたとこの家、行ったんやけど、そしたら、あいつ、えらいごっつぉ(ご馳走)、造り(お刺身)並べてるやないか。ほんで、銚子を5、6本倒しとる。
 わい、それ見た時、あぁ、こいつはあかんな、て思た。何でて、せやろ。おさきさん、あんたは昼間から一生懸命働いてる。それやのに、男のあいつが酔うとってどないすんねん。
 うん、別れてしまえ。止めへん。別れぇ!」

「・・・・・・・ちょっと、待っておくんなはれ。
 ほたら、何ですか。うちの人がお造り食べたらあかんのですか。
 うちの人がお酒呑むからゆうて、いっぺんでも、お兄さんとこにお金借りに行ったことおますか?

 何で、うちの人のこと、そない悪、言わなあきまへんねん。
・・・・・別れとぉない。わたい・・・・好きだ。
 わたい、あの人のためやったら一生懸命働きます。・・・・・・・・・・・惚れてます」
「・・・・・・ノロケか!」

「違いますねん、お兄さん。
 わたい、あの人の本性
(ほんしょう)が、心根(こころね)が知りたいんですねん。

 それでのぉても、おなごの方が先、老けるゆいますやろ。そのうえ、わたい、あの人より年上ですやん。
 今はよろしぃで、今は。しやけど、もし、この先、若いこれ
(小指を立てる)ができたら、どないしょう思たら、心配で心配で。
 そんなおなごができてみなはれ。膝にかぶりついたろぉ思ても、入れ歯やったら噛まれへん。歯ぐきで噛んでも効かへんしねぇ。

 わたい、あの人が、死ぬまで添い遂げるゆうてくれたら、生涯別れへんて思てくれてるんやったら、どんな苦労でもしますねん。ただ、そこの心根が知りとぉて」

「・・・・・・・そら、おさきさんのゆうとおりや。人とゆうのは、わからんもんやさかいな。

 間
(あいだ。普段)ええことゆうてる奴、『困ったら何でもゆうてきてや、相談に乗るで』とかゆうてた奴が、ほんまに困って相談に行ったら、『そんなん知らんがな、どっかよそへゆうて行って』とか言いよるゆうんは、よぉある話や。
 そうか思たら、間
(あいだ)冷たい素振りの奴が、いざとなったら、『よっしゃ、わかった。わいに任せとけ』て胸を叩いてくれるようなこともある。

 古い唐
(もろこし)の話に、こんな話があるんや」
「物干し?」
「物干しやない、もろこし。今でゆう中国やな。
 そのもろこしに孔子さんがいたはった
(おられた)
「ああ、牛の子供」
「そら子牛や。
 孔子さんゆうのは有名な学者で、ぎょうさんお弟子さんがいたはった。
 ほんで、その孔子さんが、たいそう馬を可愛がってはったんやな。それも白い馬、白馬をご寵愛されてたんや。
 『どこんでも、ここんでもあるゆう馬やない、怪我さしたらあかんで、この馬だけは大事にしてや』とお弟子さんらにも普段から念を押してはったんやな。

 ところが、ある日、孔子さんが出かけてはった時に母屋から火が出て、厩
(うまや)に燃え移った。お師匠様がそんだけ大事にしたはる馬が、もし焼け死んだら取り返しがつかん。そう思たお弟子さんらが総出で馬を引きずり出そうとしたんやが、名馬ほど火を怖れるてなたとえのとおり、足を踏ん張ってしもて、どないもならん。
 そうこうしてるうちに火はどんどん燃え広がって、このまままでは自分たちの命が危ない。仕方ないさかい、馬はほったらかして、逃げてしもた。

 そこへ、孔子さんが帰ってきたんやな。火事で大騒ぎになってたので、お弟子さんの一人に『皆は大丈夫やったか?』と訊いたところ『はい、弟子たちは全員無事でしたが、先生の大事にされていた馬を死なせてしまいました』と報告した。
 すると『みんなが無事やったら、そんでええ。馬なんか、どうでもええんや。ほんまに、みんなに怪我はなかったのか。それはよかった、よかった』。
 あれだけ大事にしていた馬を殺してしまったというのに、弟子の身を案じるだけで、お咎
(とが)めはこれっぽっちもない。弟子たちは皆感激して、いっそう孔子さんに仕えた・・・ちゅう話や」

「へ〜え。孔子さんゆうのは立派な人ですなぁ」
「これとまるまる逆な話もあるのや。
 これは、京都のさるご大家
(たいけ)の話でな」
「京都の猿の大将?」
「さるご大家。
 この旦さんがやきもんが好きやった」
「え?わたいも好き。
 これくらいのやったら、三つくらいぺろっと」
「それは焼き芋。
 やきもんゆうたら、陶器。お皿とか茶碗やな。
 やきもんくらい、ぜいたくで高
(たこ)つく道楽はないなぁ。

 この旦さん、たいそうお気に入りの五枚組みの立派なお皿が手に入った。
 こうなると、周りに見せて自慢しとぉてしょうがない。
 そこで知り合いを招待して、せんど
(いやほど)美味しい料理を食わせ、美味い酒をたらふく飲ませて、どうぞ、見とくんなはれ。こうなると、見んわけにいかんな。見たら、誉めんわけにいかん。
 こら素晴らしい。よぉこれだけのもんが手に入りましたな。いやぁ、目の保養をさせてもらいました。結構なもんを見せていただきました。

 客が帰って、旦さん、奥さんを呼びましたな。大切なもんやから、店のもんに任せるわけにいかん。
『いつもの所になおして
(しまって)おいてくれ。割ったら承知せえへんぞ。二度と手に入らんもんやからな』
『はい、承知しました』

 捧げるようにして、下へ持っていこうとした。ところが、こうゆうお屋敷やさかい、階段が磨きこんだぁる。そのうえ、足袋が新しい。
 つるっ!と足を滑らせたか思うと、ダダダダダダン!!えらい音がした。旦さん、顔色変えて、上から『皿、割ってないかぁ〜!!!皿は?皿!皿!皿!・・・・・・・・・・・』365回ゆうたそうな。

『旦さんの大事なお皿でっさかい、私の身体で受け止めました。皿には傷一つついてまへん』
『そうか。ほな、なおしといてくれ』

 奥さん、『かしこまりました』とゆうなり、顔色も変えずにその皿をしまって、『すんまへん。ちょっと親元に行かせていただいてよろしぃか』と家を出られた。

 二、三日すると使いが来て『どうぞ、ご離縁を』。
 びっくりして訳を尋ねると『何でもこちらさんでは、人間の身体よりお皿のことを大事にしはるそうな。
 旦さんはお皿のことは尋
(たん)ねても、娘の身体のことはこれっぱかりも心配なされなかったと聞いてます。
 そない薄情な家に、うちの大事な娘は置いとかれん。どうぞご離縁を』。

 仕方ないから承知をしたのやが、この噂がぱぁ〜っと京都中に広まった。ああ、向こうの大将は薄情な人や、と誰も付き合いをしてくれんようになって、さみしぃ一人で死んでいきはったそうな」

「嫌な奴でんなぁ、京都の猿の大将は。

 皿やとか茶碗を大事にする人間は嫌な奴なんでんなぁ」
「いや、そうと決まったわけやないで」
「いえ、うちの人も、この頃皿や茶碗に凝ってますねん。
 汚い茶碗買
(こ)うてきて、『こら、なかなか手に入らんのや』とかゆうて。ほんま、きったない茶碗でんねんで。そやのに、ちょっと触っただけで『それ、さわったらあかんゆうとるやろうがぁ〜!!』ってえらい剣幕でんねん」

「へ〜え。竹、そんな大事な茶碗、手に入れたんか。そら、好都合や。
 こける振りして、その茶碗、割ってまえ。
 ほんで、茶碗やのうてお前の身体のことを少しでも気にかけるようやったら、見込みあるわい。しかし、茶碗のことしか気にせんようなら、もう仕方がない。
 ちょうど、お前、竹の心根が知りたいんやろ?割れ!」

(目をきょときょとさせ、片手で襟元を落ち着かなく直す)
「あ、あのぉ・・・・・どうですやろ、お兄さん。ちょっと、先回りして、うちの人にゆうてもらうわけには?」
「何をゆうねん」
「いや、おさきさん、これからお前の大事にしてる茶碗割るけど、身体のことを訊いてやれ、て」
「・・・・・・それでは何にもならんがな。とりあえず、やれ!」
「わかりました。おおきに。


(表に出て、家に向う)
 うちの人、どっちゆうてくれるやろ?物干しやろか?猿の大将やろか?

(うちに着く)
 あ、怖い顔して座ってる。
・・・・・・ただいま」
「どこ行っとったんじゃ!どうせ、また、兄貴とこ行って、しょうもない愚痴ゆうてたんやろ!
 兄貴とこかて、よその夫婦喧嘩の話なんか聞きとぉないわい。

 早
(はよ)、上がってこんかい!」

(いきなり怒鳴られ、悲しそうな顔で)
「・・・・・あんた、あかん。猿の大将や」
「何、ゆうてんねん?

 腹減ってんねん。はよ、飯よそてくれ」
「?・・・・あんた、食べてへんのか?」

「・・・・・・・長いこと、お前と飯、食べてへんやないか。
 今日は、久しぶりに一緒に食いたい、思て待ってんのに、お前がいつまでたっても帰ってこんから」

(嬉しそうに)
「あんた、物干しや。ほな、ちょっと、取り掛からしてもらうよってに」
「あ、ちょ、ちょっと、ちょっと!おい!おい!
 そら大事な茶碗や。さ、さわるな。しばき上げるぞ!」
「ちょっと洗う」
「洗わいでもええ。そら、その汚れが値打ちやねん。
 い、いらわんといてくれ
(いじらないでくれ)。こら!いらうなゆうてるやろ!」

再び悲しそうに)
「最前
(さいぜん。さっき)物干しやったのに・・・。洗うわ」
「あかんて!そこ、床がだんち
(段違い)になってんねん。あ、あ、頼むさかい、じっとしてて・・・あ、あ〜、こけてまう!

・・・・・・・・・・そやから、ゆうたやろう?
 しかし、えらい音したぞ。どっか打ったんと違うか?怪我したんと違うか?でや、大丈夫か?」

「わたいは大丈夫やけど、あんたの大事にしてる茶碗、割れてもた」
「茶碗みたいなもん、また買
(こ)うたらええやないか。
 それより、どこも怪我せなんだか?」

(嬉しくてたまらない、という表情で)
「・・・・・・・・・・・・・・好きぃ」
(照れたように)あほなことゆうな」
「あんた、あの茶碗、あないに大事にしてたのに、わたいの身体の方が大事なんか?」
「あたりまえやないか。
 お前が怪我でもしてみぃ、明日から遊んでて、酒が呑めんがな」

 ざこば師匠は外見に似合わず、(いや、ある意味似合ってるのか?)「かわいい女」を演じられる。
 このおさきさんも、少し哀しいけど、すごく可愛い。

 ただ、おさきさんも、この「竹」という男と添っている限り、安定した幸せはないのだろう。 それでも、おさきさんはいいのかな?それで幸せなのかな?
 で、竹は、おさきの身体を心配したのは、自分が遊べなくなるからと言ったけど、それは照れ隠しで、けっこう、芯では想ってるのだろうか?

 



  どうも、お退屈さまでした。聞き違い、記憶違いはご容赦ください。

  
 



 

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