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北京旅遊記(5)全聚徳(北京ダック)編


 ホテルニューオータニ長富宮飯店にチェックイン。これも李さんが手続きをやってくれた。
 スーツケースは自分で持って行っても、ボーイさんに運んでもらっても、どちらでもけっこうです。その場合は、10元くらいのチップを渡してください、とのことであった。(もち、自分で運んだ)

 夜、ホテルまで迎えに来てもらって中国最初の夕食へ。全聚徳は北京ダックで有名なチェーン店で、私たちが行ったのは、和平門分店であった。

 長富宮飯店は、建国門外大街にあるので、北京市の東南部。ホテルの近くには古観象台(1279年に創建された、現存する世界最古の天文台。観測機器のレプリカが屋上に置いてある。)や北京城東南角楼があり、これは後々何度も目にした。
 一方、和平門は中央南部といった場所だ。

 ホテルから西へ進む途中に北京駅がある。
 車中なので写真は撮らなかったが、『北京』掲載の右写真のように毛主席の写真はなかった(←あたりまえ)。

 
店に着く。でかい。
 玄関に立ってる、ぶっとい金の柱に圧倒される。
 
文革当時の北京駅

 店内の廊下には、海部首相やブッシュ大統領などが食事をしている写真が並べられている。
 
 テーブルに着き、さっそく料理が並べられる。
 李さんが飲み物について、聞いて解説してくれる。
「地ビールは10元。ジュース、コーラ、スプライトなども10元です」
(この辺の値段は、以後もだいたいどこでも同じだった。燕京啤酒や北京啤酒、五星啤酒などは10元。日本ビールは少し高い。
 人民大会堂で政府要人が飲む時に銘柄指定される何たらビールは30元・・・とか言われたが、ずっと10元ビールしか飲まなかった。ライトタイプみたいで、飲んでもさっぱり酔わなかったが)

 嫁さんが、李さんに「たけしは、牛肉、牛乳、卵のアレルギーがあるのですが、食べられるもの出ますか?ご飯は、ついているでしょうか」と尋ねた。
 李さんが、北京ダックを巻く皮は、卵も牛乳も入っていないこと、しろご飯も出ることを確認してくれた。 

 地ビール2本、コーラとオレンジジュースの精算をし、「じゃあ、時○分に、ここへ迎えに来ます。では、ごゆっくり〜」と李さんは去る。

 どんどん料理が運ばれて来る。そして、うちのテーブルにもダックとコックさんが。 早業で、ダックを切り分けていく(帰国後、TVで見たが、風味を損ねないよう1羽8分以内に〜枚の肉を切り取るといったルールが確立しているそうだ)。

 コックさんは、「切る」までが領分らしく、ウェートレスさんが、薄いクレープみたいな皮を1枚取り、、ねぎとミソを添えて、手際よく折りたたむ。
 ほかに、平べったいマンジュウのようなもの(横腹に切れ込みあり)も置いてあり、これにも同様に肉やねぎ、ミソを入れる。
ダックを切るコックさん

 1個ずつ「見本」をつくり、「わかったか?あとは、自分でやるねんで!」といわんばかりに立ち去った。 

 それと、次々料理が来るので、スープの入った大皿とかを並べるスペースをつくるため、
食べきっていない料理の皿が「合併処分」される
 舟盛りで刺し身が出て、このままじゃ次の料理が並ばないということで、残った刺し身を別皿に移し替える・・・というのは、日本の料理屋でもよくある。しかし、
皿Aを持って、皿Bの料理の横にザザザ〜っとあけていくので、本当に「処分」という感じだ。
 嫁さんがキレかかる。

※注 平成16年4月12日時点の追記
 邱永漢氏の『中国の旅、食もまた楽し』に、山東省や東北三省のレストランで「席につくや、こちらがまだ箸もつけていないうちから料理が次から次へと運ばれてくる。『ちょっと待って下さい。まだ酒も出て来ないじゃないですか』と言っても全然きいちゃいない。テーブルの上はたちまち皿で一杯になり、料理を置くスペースがなくなると、皿の上に皿を積み重ねていくではないか」という描写があったが、それに共通するものがあると思う。(追記終わり)

北京ダック人形と記念写真  あひるの皮だけを削いだものと肉もつけて削いだものの両方が並べられている。皮は薄いが、かみしめるとジュワ〜と「あぶら」がしみでる。
 私は、肉付きの方がおいしかった。

 ご飯も出て、ひと段落。嫁さんが「なあなあ、お茶は出えへんの?」と聞く。
 李さんはいない。お父ちゃんががんばるしかない。旅行前に流し読みした『CD2枚付 中国語が面白いほど身につく本』(←はずかしいタイトル)と、『歩き方』巻末に載っていた会話集の記憶をたどる。

  とりあえず、呼び止めねば、と思って手をあげたが、忙しそうに行き交う店員は気付いてくれない。思い切って、声を出す。
 「小姐(シアオチェ)!」(おねえさん!)

 ひとりの女性がテーブルに。
 「我 要 茶。(ウォ ヤオ チャー)」
(お茶がほしいです)
 
文章も発音もひどいものだろうが、女性はうなづいて、すぐに急須を持ってきてくれた。
 横に座った長男が「お父さん、すごいな〜」と感嘆する。家族の賞賛をうけながら飲むジャスミン茶の味わいは、格別なものであった。

(帰国後、デジカメの画像を再生していると、全聚徳と文字の入った急須が写った1枚があった。「何でこんな写真撮ったんやろ?」と不思議だったのだが、これを書いていて思い出した。
 ふざけて「初めて中国語が通じた記念のお茶やから、撮っておこう」とシャッターを押したのであった)

 上の写真は、店の前の全聚徳マスコット人形。ポケモンのコダックのような、まぬけな感じがなかなかかわいい。
記念(?)の全聚徳ナプキン

 ホテルに戻り、嫁さんに「料理はあぶらっこかったけど、人形はかわいかったな」と言うと、「せやろ。しゃあから、ナプキン記念にもろてきた」
 聞くと、娘も持って帰ってきたらしい。おいおい・・・。


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