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北京旅遊記(18) 胡同〜鐘楼・鼓楼編


  故宮の北側に移動する。これから胡同めぐりである。
鼓楼  車を降りて、鼓楼と鐘楼との間の広場へ。

 広場では、たくさんの人力車が客待ちをしている。

 左写真の「工事現場」が鼓楼。ここもまた、大改築中。
 鼓楼には、明清時代を通じ、北京市民に時を報せてきた太鼓があるそうだ。

 「5元で打たせてくれる」とガイドブックにあったので楽しみにしていたのだが残念だった。

 右の写真は、文革時代の鼓楼
 例によって、革命スローガンの赤い横幕がかけられているが、現在の写真では、足場や安全ネットで様子が明らかでないので、参考のため掲載する。

 なお、上の写真は鐘楼側、つまり北側から見た鼓楼である。
 さて、右の写真はどちらから写したものだろうか。

 鼓楼の下の方に写っている門が、上の写真に写っている門と同じものだとすれば、上の写真の広場が(現在は自動車は入れないが)当時はバスロータリーになっていたことになる。(少し、形は違う) 
文革期の鼓楼

 一方、黄色いポールは「鼓楼」のバス停なのだが、現在も「鼓楼」のバス停はある。位置が大きく違っていないとすれば、古い写真の方は南側から写したことになる。

 鐘楼の前の広場から人力車に乗る。歩きではなく、自転車でひく。
 定員2名ということで、体重バランスを考え、私とたけし、長男と長女、嫁さんとガイドさんの3台に分かれた。

 なお、ここだけ、楊さんという別の女性ガイドさんがついた。
 エンクミと鈴木蘭蘭とモーニング娘。の吉澤を足したような(←どんな顔や)、実に素朴で、かわいい女性だった。
 日本人と婚約しているそうで、来年東京へ行き、永住を考えているとのこと。(嫁さんが、人力車に揺られている間に隣同士で、いろいろ話しをしたらしい)

人力車

 ケ雲郷氏の『北京の風物』(東方書店)に「北京では「胡同」(フートン)とよばれる小さな路地や横町がびっしりと、くもの巣のようにはりめぐされて」いると表現されている胡同の街並みに入る。

 狭い路地にテーブルを出し、中国特有の、日本のよりだいぶ大ぶりのパイを使って、麻雀をしている。
 また、 ある建物の玄関口の階段では5人ほどの若者がヤンキー座り(ウン○座り)している。リーダー格のような少年の腕には入れ墨が。
 いずれもなかなかの演出効果である。

 輪タクは、めざす家の前でとまった。家庭訪問の時間である。
 昔ながらの四合院のつくり。長屋のような建物が中庭を囲んで並ぶ。
 だいたい、何世帯かで共同で住んでいるらしい。

 共用の扉をくぐり、庭を通って、その中の1軒に案内された。

 ここのご主人は骨董品集めが趣味らしい。凝った彫刻の椅子。額。楽器。青銅器や陶磁器がいろいろ並べられている。
 なかなか立派なものだと思ったし、ご自慢のコレクションでもあろうとおもったので、得意の「很好(ヘンハオ)=とても良い」。
 すると、ご主人は、手をたたいて、大喜び。中国語が出るとは思わなかったらしい。「つかみ」はOK!だ。

 雰囲気もほぐれ、ご主人はテーブルの上のお菓子をすすめる。アンズか何かのドライフルーツ。
 遠慮なく口にして、「好吃(ハオチー)=おいしい」。ご夫婦ともどもバカうけである。
 赤いリボンをつけた犬が寄ってくる。ハナのいないさびしさもあり、私と長女はなぜまくる。犬も喜んでしまって、おなかを上にして「もう、どうにでもしてちょうだい」状態である。
 奥さんが「このこが、こんなになつくのは珍しい」と目を細める。

 「犬を飼うのは、税金がとても高くつくと聞いたのですが」と言うと、「そう、大変なんです」と顔をしかめた。

 自己紹介の時の名前の言い方は、事前に李さんからレクチャーを受けていた。
「『山本』は、シャンペン。はい、どうぞ」「シャン ペン」。

 そう繰り返しながら、こう思った。俺は「やまもと」や。「シャンペン」やないわい。泡たつ葡萄酒やないぞ。なんで「名前はYAMAMOTO。使っている漢字を中国語読みするとシャンペン」とならないのか。
 あ、そうか。ついこないだまで「金大中」は、「キムデジュン」と呼ばずに「きんだいちゅう」と呼んでたやないか。今でも、毛沢東は、ふつう「もうたくとう」と読むやないか。
 だから中国では、自己紹介する時、佐藤一郎なら「ツォトォンイーラン」と言わんとあかんのか?

 アメリカ人はどやねん。Johnはジョンやろう。
 待てよ、ハンバーガーの「マクドナルド」は、「麦当労」と書く。マックさんなら「私は『麦』です」と言うのか?

 漢字がなければ、発音を似せて「当て字」をするが、日本人の場合は漢字表記。その漢字を使わざるを得ないので、発音がかけ離れてしまうということか。
 いろいろな疑問符を抱えつつ「我 是 山本( ウォ シー シャンペン)=私は山本です」と言った。

 ベッドルームや台所まで案内してもらったが、こちらの方が気恥ずかしい。
 この家は、公開に適した、お金持ちの、社交的な選ばれし家なんだろうな。そりゃそうだ、いくら、中国の一般家庭を訪問・・・と言っても「なぜ、他人の家に踏み込む?」と怒り出したり、ちょうど買い物にいくところだから、ちょっと留守番しといてくれとか、そんなことになるとまずいもんな。

 さあ、そろそろお暇(いとま)する時間だ。
 
 右の写真は、家に囲まれた中庭。
 ご夫婦のほか、犬も見送りに来たので、別れを惜しんでいるところである。

 なお、右側に見えているのが、訪問先のご主人のもう一つの趣味である鳥小屋や鳥篭。
四合院の中庭

 再び輪タクに乗り込み、先ほどの広場へ戻る。

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