移動メニューにジャンプ

北京旅遊記(15)明の十三陵(神路)編−2

 おっと、少し寄り道しすぎたので、歩を進めると・・・駱駝像にまたがってる奴らがいる。
 こら、西洋人ども!いい大人のくせして、貴重な文化財で遊ぶんじゃねえ!(・・・と、遠くから小声で言う)。

 石像が並んでいるのは800mほどの道のようだが、歩くのはしんどいという人もいるのであろう。
駱駝にまたがる外国人

 神路の中を龍をかたどった観光ミニバス(と言うか、遊園地の観覧列車みたいなやつ)が走っていた。

龍バス  さて、右下の写真は出口近く。彫刻の施された、ちょっとしたシンボルタワーのようなものが立っている。

 と、思っていたら出口前は広場になっており、さらに巨大な塔が迎えてくれた。

 後ろの樹と比較すると、その大きさが想像いただけるだろう。

 そいつ、つまり左下写真のでっかいトーテムポールは、華表という。
 天安門の写真をお持ちの方は、門の両端に、上で翼を広げたような白い塔が見えないかご確認いただきたい。それも華表である。

 ここでも、当然左右の1対となっている。
 そして、その中央にあるのが右下写真の碑亭
神路出口付近

 今は写真のように「色褪せ具合」がいい味を出しているが、きっと近いうちに塗り直されることと思う。

神路華表 神路碑亭

 碑亭の中に写っているのが、高さ6.5mの大石碑。これは、第4代仁宗洪煕帝が、父である成祖永楽帝の徳をたたえて建立した大明長陵神功聖徳碑というものらしい。

 この石碑は、下で亀ががっちり支えてがんばっている。

 右写真は、その亀の頭のアップ。(決して「の」を取らないように)

亀の頭

 さて、神路見学も終え、先回りして待っていた車に乗り込み、さあ、ホテルへ。と思ったら、20分ほど走って、トイレ休憩だという。
 子ども達はみな、車の中で待っているという。私が出ると、しばらくして嫁さんが出てきた。
「なんや、退屈やから出てきたんか?」
「ちゃうねん。私も車におろかな、と思ったんやけど、李さんがぜひ、降りてください、ゆうから」

 建物の中に入ると、メンソレータム(余談だが、この薬を略するのに、「メンソレ」という人と、「メンタム」という人がいる。あなたはどっちですか?)のようなにおいがする。
 廊下の両脇に会議室みたいなのがいっぱい並んでおり、観光客が案内されている。私と嫁さんも、ある部屋に通される。
 前には黒板。そして教壇みたいなのが置いてあり、机こそないが、パイプ椅子が並び、教室のようである。

 前に男性3人、女性も3人ほど並ぶ。えっ、この部屋は、うち夫婦だけか。相手の方が多いじゃん。
 李さんが、私たちの前に座り、
「ここでは、薬の説明をしてくれます」と言い、小声で「聞くだけ聞いてください。買わなくていいです」。

 一人の男性が中国語で話し始める。李さんが適宜通訳する。教壇の上には二種類の薬が置いてある。
 最初の薬は、どうもサロンパスのようなものらしく、貼ると肩凝りや疲労、筋肉痛にいいらしい。
 続いて、「ここの薬は火傷によくきく。どのくらい効くか、火傷をつくってみて、それを治します。」
 手を挙げて質問する。「火傷は誰がするんですか。私たちですか
 李さんが笑いながら訳し、向こうの人たちも笑う。「ご安心ください。私たちです」

 嫁さんが「火傷なんて、しなくていいです」と言ったが、パフォーマンスは始まった。
 今まで気付かなかったが、教壇の左にバーベキューコンロみたいなものが置いてあった。その上に太い鎖が横たえてある。
 男性二人が耐熱手袋で、鎖を縦に持つ。鎖の真ん中、炎の上に乗っていた辺に女性が紙をあてると、一瞬の後に燃え上がる。

 そして、鎖を今度は横にして持つ。と、さっきまで前で話していた男性が、気合一閃、手でその鎖を持ち、ずずずず・・・・っと手をすべらせていく。
 そして、私らの前に走ってくる。見て!早く見て!って感じだ。
 私はあまり興味がなかったので、ろくに見なかったのだが、嫁さんに聞くと「なんか、あか〜くなってた」とのことであった。

 男性はあわてて教壇のところに戻る。そして、2名の女性に慌ただしく、あれこれ指示して、女性の方もあわくって、必死で彼の手にくすりを塗りたくる。
 そして、再度私たちの前に来て、手のひらを突き出す。どうも見るだけじゃなくて、触ってみろといってるようなので、嫁さんがこわごわ指の先でつんつんしてみる。

 感想を求められたので、嫁さんが「ええ、まだ赤いですねえ」というと、落胆した様子で「もう少し時間がたてば、すっかり元どおりになります」と答える。
 私が手を挙げたので「おっ」と注目される。
 1日何回やるんですか?苦笑しながら「1回です」「ああ、それはよかった。1日に何度もやるなら大変だな、と思って」

 感嘆や賞賛、値段の質問がかえってこないので気落ちしているようだったが、気を取り直し、最後のアタック。

 椅子の右側には、ひじかけ兼筆記用の小テーブルがついていた。
 「どうぞ、見てください」と言って、そこへ二つの薬を置く。

 茶筒のようないれものの蓋を取って、どうぞ、と見せる。サロンパスのように小分けにはなっていない。薄茶色の8cmほどの幅のテープに、こげ茶色の薬が塗られていて、その上に透明セロファン。長さは20cmくらいか。

 火傷薬は、四角い箱。同じように中味を見ようとした時、嫁さんが声をかける。
 「お父さん、それ、封、開いてないよ」
 そうだ、蓋の所には小さな封緘シールが貼られていた。さっきのが、蓋が開いてて中味を確認したので、つい無意識にこれも蓋をあけて、中を見ようとしてしまっていた。

 まず筒の方を、蓋を開けて渡すのが、箱の方も開けさせるためのテクニックなのか。もし、箱の蓋を開けてしまったら、「もう、これじゃ売り物にならないから、買ってもらわんといかん!」となるのか。
 それは、結局、箱をていねいに手に取って見て、ありがとう、といって去った私にはわからない。

 サロンパスの方などは、「今日はよく歩いたし、安ければ買ってもいいな」と思っていたのだが、このパフォーマンスで買う気は失せてしまった。
 しかし、団体客で「こんだけ体張ってくれたはるんやから」と、ひとりのおばちゃんが買ったらなだれをうって、私も、私も、となるかもしれないな、と思った。

 長男の腹痛は、幸いなことに車に戻る頃には完全におさまってくれた。

 昼食を食べた店で、「のどかわいた〜。アイス食べたい〜」という子ども達と嫁さんにアイスを買い与えていた。まさよしのは、(私もちょっと味見したのだが)バナナ味で、ちょっと表面がぷるんとした感じのアイスキャンデーだった。
 李さんが、お姉ちゃんが食べていたシャーベットは外国製品(漢字の下に「ネッスル」とか書いてあったと思う)だから大丈夫だけど、中国製品だと、お腹が痛くなることもあると言っていたので心配していたのである。
(これで、3日目の行程は終わり。ただ、石像の動物種別について若干考察してみる)

←前のページへ 次のページへ→
「北京旅遊記」メニューに戻る
「本館」トップページに戻る

inserted by FC2 system