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北京旅遊記(13)万里の長城(居庸関雲台)編−2


 「この居庸関の長城はとても傾斜が急です。少し登ってみますか」と言われたが、城楼までにしておいた。
居庸関長城  稜線のところどころに亭(あずまや)などが設けられ、美しいシルエットを成している。たしかに、とってもキツそうだ。

 さて、居庸関の遠望について、比較してみたい。

 まずは、3連の上。これは、『北京』所収の文革当時の居庸関雲台の写真。

 門の左側には「中国共産党万歳」、右側には「毛主席万歳」と赤で大書されている。

 門の前の道路はもちろん未舗装。道の両脇は何やら壁を取り壊したような痕跡が残る。
 道路の端(写真下側)に赤の横長の看板があるのだが、これに「居庸関」と書いてある。
 しかし、観光地扱いされているようには、見えない。

 雲台の向こう、山すそに黒い横長のものが写っているが、これは北京と張家口というところを結ぶ鉄道(清朝末期に、中国人だけで設計・工事したもの)だそうである。

 3連の真ん中の写真は、今回の旅行のバイブルである『地球の歩き方 北京 2001〜02版』から転載させていただいた。

 撮影時期はわからないが、道路はまだ舗装されていない。
 しかし、門の前には解説の看板が立てられ、古い小屋は取り壊し、緑化するなど、観光地としての整備が少しは進んでいるようだ。

 それゆえに、みやげものの屋台が並んでいるのだろう。

 さて、3連の一番下。 
文革期の雲台
 これは、もちろん今回撮った写真。
 青地に「国計坊」と金字で描かれた額が目立つ牌坊が新設されたのが、最も大きな違い。
少し昔の雲台
 周りは石畳で舗装され、フェンスで区切られみやげもの屋をシャットアウト。

 あと、気になる点として、一番上の写真では雲台の左がスロープになって、雲台の上に回りこめるようになっているようだ。
 真ん中の写真でも、スロープは残っているように見える。
 しかし、現在では完全に孤立した建物になっている。
 
現在の雲台

 老朽化して危険だったのかもしれないが、雲台に付属するスロープ部分は取り壊してしまったのか?
 「塗り直すのはいいが、塗り変えないでくれ」と同様に、「補修はええけど、
あんまり足したり引いたりせんといてくれ」とお願いしたい。

 さて、一番下の写真は、今回、新しい城楼から雲台を見下ろして撮った。
 一番上の古い写真も、上から見下ろしたアングルだ。してみると、城楼自体は昔から存在していたのだろう。
 時の流れを感じつつ、居庸関を後にする。

 さらに車は戻り、とある食堂に寄る。食堂、といったが、観光バスが、ものの40台も駐車していたのではないだろうか。

 「八達嶺は、大きな食堂がないし、とても高いので、観光客は、ほとんどすべてといってよいぐらい、ここで食事をとります」とのことだった。
 (『歩き方』でも、八達嶺の食堂はタクシーの運転手に渡すリベートを上乗せしているのでとても高い、とあった。)

 広いフロアーにテーブルが無数に並ぶ。食べてる人の後ろに立って、順番を待っている人たち。
 う〜ん。昔は、デパートの大食堂でよく見かけた光景だ。中国人もやっぱり言うのだろうか。
 「お父さん、お父さん。ここ!ここ、もうすぐ空く。もう、じき(=すぐ)に食べ終わりはる」と。
 周囲の人に、ここはうちがリザーブしたと宣言し、何より食べてる本人に「待ってんねんから、ぐずぐずせんと、さっさと食べろよ」とおどしをかけるために、必要以上の大声で。

 別室にご案内します、ということで店の人についてゆく。
 二度ほど曲がり、厨房と洗い場にはさまれた、やたら床がネトネトし、えもいわれぬ(はっきりゆうと臭い)においのする所(嫁さんが「なんか、
来てはあかん場所、見てはあかん場所を通ってるような気がするわあ」と言った)を抜けると、また広い場所があり、ここのテーブルはすいていた。

 ちょっとした点心と茶うけみたいなものが置かれ、続いて大きな赤い横長の重箱が配られる。
 焼き魚が入っていたり、なんだか日本の中華料理屋で出る弁当のようだ。

 よその旅行会社の広告で、万里の長城の観光日の昼食として「八達嶺弁当」とか「和風中華弁当」とあげられているのがあったが、これがそうか?

 テーブルに緑色のミニボトル。サービスだ、ということなので少し飲んでみる。のどがかっと熱くなる。
 焼酎というか、ウォッカというか、要は度数のきつい蒸留酒。緑のボトルの赤いラベルには「酒精度:56% 浄含量:100ml 原料:高粱、水 清香型白酒 特製 北京二鍋頭」とあった。
(注) 辞書をひくと、「二鍋頭」とは、「コーリャンを原料とするアルコール度の高い二番しぼりの焼酎」で、転じて「再婚する人」をさすこともあるそうだ。

 食堂は2階であったが、 1階は全部みやげもの屋。ここの売り子さんは強引だったらしい。ちょっと見ていると寄ってきて、「安いです。
5個買うと1個おまけ
 いらない、と断っても「何個いりますか?」と言って、電卓を突き出し、個数を押すよう促したと嫁さんの話。
 私が、しおり(三国志とか西遊記の登場人物が描かれている)を何の気なしに見ていると、すっと、白いシャツ、四角い顔で角刈りの中国人男性が立ち、「どれも同じねだん。
5個買うと1個おまけと言った。

 その顔が、どうも1日目の御苑茶芸のゲタおじさんと同じ顔に思えて仕方がない。ここに限らず、みやげもの屋の男性というと、同一人物のように感じられた
 ストーカーされてるのか、それとも中国では秘密実験が先行していて、すでにクローン人間が実用化されているのか?
(人口制限している中国で、わざわざクローンで増やす必要もないと思うが。さて、中国人の方も、日本人は誰も彼も同じような顔に見えたりするのだろうか?)

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